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神殿での出会い

「…………!」

「あはは……なんだかなぁ」

 氷の騎士に見送られながら頂上の建物を目指す。いやいや、手を振って見送るんじゃないよ君……


 何とも言えない空気を感じながら山を登っていく。あとちょっとだけどこういう時に油断するとクレバスに嵌まって落ちちゃうとかあるかもしれないので気を付けて山頂まで向かう




「特に何も無かった……いや、気を付ける事は大事だから無駄じゃ無いか。にしてもこれ近くで見ると凄いなぁ……」

 何とか山頂まで辿り着いた。クレバスに嵌まった!とか雪崩が!とかドラゴンが飛んで来た!とか特に何も起こらず、山頂まで辿り着けたので若干拍子抜けしたけど山頂には氷で出来た神殿が建っていた


「綺麗な神殿だなぁ……全部氷だ」

 氷の神殿とかどうみても地上だと溶けてなくなりそうだけどこんな山頂だと寒いから氷の神殿が維持出来てるのかな?


 氷の柱とかを触ってみたりして凄いなぁと思っていたらギギギィっと音を立てて正面の大きな扉が開く。ん?

「入っても良いのかな?」


 ここで入らないで帰る……なんて事したら後ろから何か飛んできそうな気もするし入ってみよう


「うわぁ……中も凄いなぁ」

 氷の柱が何本も立ち並び、レッドカーペットならぬアイスカーペットがずーっと正面の玉座の様な所まで伸びている。そして玉座には凍り付いた機械仕掛けの大きな人(?)が座っていた


「ヨウコソ」

「あっ、どうも」

 突然話しかけられて咄嗟にフランクな返事をしてしまったけど大丈夫だろうか?というか多分目の前の機械の人だよね?


「コンナ、ヘンピナ、チマデ、ヨクヤッテキタナ?」

「辺鄙……まぁ確かに辺鄙かもしれないけど景色はかなり良いから簡単に来れるなら来たい……かな?」

 シロクマコスチューム必須だろうけど


「サキホドノ、タイサバキハ、ミゴトナモノダッタ」

「見てたんですか?というか見れたんですか?」

「アノキシヲ、ウゴカシテイタノハ、ワタシダゾ?」

 まさかのあのお茶目な騎士ってリモートで操作されてたのか


「そうだったんですか。もしかしなくてもかなり手を抜いてくれましたよね?」

「サスガニ、ゼンリョクヲ、ダシテシマエバ、スグニ、コオリヅケダゾ?」

 ですよねー。あの氷の騎士が魔法を使ってこなかった時点で大分手加減されていたと思う。場所的に魔法を使わない訳がないのに剣だけで勝負してくれて尚且つ見逃してくれる方がおかしいんだ


「アノキシハ、ワタシトオナジ、ゴーレム。ユエニ、シカイノキョウユウモ、カノウダ」

「ゴーレムって視界の共有とかも出来るんですね?」

 凄いな?ゴーレムってそんな事も出来るんだ


「ゴーレムノ、スベテガ、デキルワケデハナイ。ジブンノ、ツクッタ、ゴーレムニカギリ、カンカクノ、キョウユウガ、カノウダ」

「なるほどなぁ」

 とりあえずは玉座に座っているゴーレム王(推定)のお話を聞く。だってさっきから肩のパイプみたいな物からプシュプシュ蒸気みたいなのが出たり、良く分からないシリンダーみたいなのが動いてるのが気になるんだもん


「ワタシノ、ハナシヲ、キイテイルノカ?」

「あっ、キチンと聞いていない様に感じたならごめんなさい。ちょっとシリンダーとかが気になっちゃって……」

 ちょっと注意されてしまった。態度としては良くなかったな


「オォ!コノシリンダーガキニナルノカ!カッコイイダロウ?」

「あ、はい……」

 なんだなんだ?急にテンションが上がった様な……


「ワタシノサイショノカラダハムダナパーツガナサスギテオモシロミガナカッタカラナ。ゴテゴテトシタパーツデソウコウガフエテイクノガタノシクテ、イマノヨウナカタチニナッタ。コノパーツノヨサガワカッテクレルソンザイハカンゲイダ!」

「ど、どうも……?」

 結構早口で喋られたから聞き取り難かったけど要はパーツを褒めてくれたと感じたゴーレム王が歓迎してくれるって事かな?めっちゃパイプの蒸気プシュプシュとかシリンダーの動きが速くなってる……感情が高ぶってるのかな?


「ダガ、コノママデハアクシュモデキナイナ……シカタガナイ。イチドヌグカ」

「えっ!?」

 玉座に座っていたゴーレム王の胴体が左右に開き、中から人が一人入れそうな黒い球体が出てきた。そしてその球体が僕の前まで転がって来て花の様に開いたと思ったらそこには体が灰色のボディスーツで身を包んだ少女が出てきた。いやいや、脱ぐってレベルじゃないんだけど?


「やぁやぁ!私はヘックスだ!よろしく!」

「ハチです。あっちょっと待って下さい」

 シロクマコスチュームを脱ぐ。おっ、神殿の中だからなのか耐えられないレベルの寒さじゃないぞ


「これで僕も本来の姿です!よろしくヘックスさん」

「ふむふむ……やはり別のゴーレムアイ越しで見るのと直接見るとでは違うな!」

 ヘックスさんの瞳がカメラのフォーカスを合わせる様に動いている。結構カッコイイな……


「ハチ、本当に人なのか?」

「一応人のハズなんだけど……やっぱり紋章って人は装備出来ないのが普通なんだよね?」

「あぁ、長く生きてきたが初めて見た!」

 見ただけで人かと訊かれる要因が何かあるかと言えば紋章くらいしかない。ヘックスさんは長く生きているって言ってるし、色々情報がもらえたりするかな?



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