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ちょっとした成長

「おぉ、本当に雪原になってる……」

 村からちょっと離れた草原だった所の一か所が雪原になっていた。あとついでにスケート場みたいに氷も張っている場所もある。ここに氷の騎士さんが居るんだろう。何処に居るかな?


「ん?なんかかまくらがあるな」

 雪原にかまくらがあった。もしかしてあの中に氷の騎士さんが居るんだろうか?ちょっと行ってみよう


「騎士さん居ますかー……あ、居た」

「……!」

 かまくらの中を覗いてみたら体育座りをしてマッタリしていた氷の騎士さんが僕に気が付いて一瞬ビクッとしていた。なんか可愛いな?


「急にごめんね。ヘックスさんが環境を作り変えて雪原を作ったって言ってたから氷の騎士さんの様子を見に来たんだけど……ちょっと寒くなって来たし入っても良い?」

「……」

 どうぞどうぞという感じで手招きされたので中に入る。おぉ、結構かまくらの中は暖かいかも


「どう?生活しやすい?ヘックスさんが環境を整えてくれたからここはもう氷の騎士さん用の土地だよ」

「……!…………!」

 多分生活しやすいって言ってると思う。恰好がもうリラックスしてるし、あと氷の騎士さんが外を指差していたので見てみると白い毛玉のようなアザラシ?みたいなのが氷の上を滑っていた。あれ?あんな眷属居たっけ?


「これは眷属達が環境に適応したのか、それともここが雪原になったから現れたのかな?」

 あるとしたら多分この2つの内のどっちかだと思う


「出来ればここの皆とも仲良くしてあげてね?」

「……!」

 任せろ!みたいな感じで自分の胸をコンコンと叩く氷の騎士さん。この分なら大丈夫そうだな


「氷の騎士……アイスナイト……氷の騎士じゃそっけないし、せっかく島に来たんだから新しい名前でアイナとかどうだろう?」

「!」

 僕の手を掴んで喜んでるっぽいアイナさん。気に入ってくれてるっぽいな


「……!………!……!」

 思い出したかのように氷の剣を取り出してまた前みたいに剣を奪う奴をやって欲しいのかかまくらの中で小さく剣を振る。これは戦闘行為になっちゃうから出来ないんじゃないだろうか?


「んー、それはちょっと難しいかなぁ……あ、でも組手とかどうなんだろう?」

 単なる戦闘訓練の場合はどうなんだろう?それはセーフなのか気になるし少し試してみるか


「ちょっとだけやってみようか」

「……!」

 二人でかまくらから出て戦闘訓練をやってみる。出来るかなぁ?




「……」

「あちゃぁ……やっぱダメかぁ」

 悲しい事に戦闘訓練は上手く行かなかった。僕とアイナさんがぶつかる前に急制動が掛かってお互いに接触する事が出来なかった。これじゃあ戦闘訓練にならないな


「あ、そういえばあのシステムって使えるかな」

「……?」

 上手く行くかは分からないけど、可能性は充分にある。やるだけやってみよう


『制限時間10分、HPが1になれば負け(デッドガード採用)、フィールド範囲限定(直径20m)、回復アイテム使用不可、アイテムやGの移動無し(戦績反映無し)』


「アイナさんこれ参加出来そう?」

「……?……!」

「おっ!マジ?これなら行けるのか!」

 まさかの決闘システムってNPCとも決闘可能なのか。ずっと前にキリキリシスターズと戦った時の設定そのまま残ってたから使ってみたけど、最後になんか戦績反映無しとか新しい表記が増えてる。これで戦闘訓練が出来るな!


「じゃあやろうか!」

「…!」

 光に触れて僕とアイナさんが戦闘エリアに飛ぶ




「よし、それじゃあ開始だ!」

「……!」

 氷の剣を構えるアイナさんと向き合い、訓練を始める


「おっ?動きのっ、キレがっ、良いねぇ?」

「…!…!…!」

 アイナさんの剣は僕の心臓や頭、首みたいな急所ではなく、手足や脇腹を狙って攻撃してくる所からも僕の命こそ狙ってはいないが、怪我くらいはさせてやろうという気持ちを感じる。まぁ戦闘訓練だからね


「じゃあ、剣が無くなっ、たらどうす、るのか見せ、てもらおうかな?」

 縦斬り、横切り、突きと絶え間なく攻撃してくるアイナさんの攻撃を躱したり、剣の腹を蹴飛ばしたり殴ったりして軌道を変えて自分に当たらないようにしながらもう一度脇腹に突きが来るタイミングで回転の動きで相手の突きを受け流し、そのまま【ディザーム】で剣を奪い取る。突きからの横薙ぎをされたら危険だったけど、最初から攻撃を変更する気が無かったら中々キレのある突きを放つ事は出来ない。こうなれば素手同士の戦闘だ。アイナさんの素手の戦闘力はどうかな?


「おぉ、ボクシングスタイルか」

 アイナさんは両手を胸の前で構えてシュッシュと音を鳴らしながらジャブをしてくる。中々様になっているな


「良いよー、武器を無くしてもちゃんと戦える様にしてるね」

「……!」

 ボクシングスタイルになってから頭とボディを狙ってくるアイナさんの攻撃をパーリングで対処しながらここぞというタイミングを待つ。アイナさんもラッシュを仕掛けてくるが、ラッシュをすれば必ず息切れは起こる。最近の僕の戦闘事情を考えたら1体に集中するボクシングスタイルはあんまり合わないんだよなぁ……しかもあれはキックボクシングスタイルじゃないから足技も使う気が無いみたいだし……


「悪いねアイナさん」

「……!?」

 アイナさんのラッシュが鈍ったタイミングで軽く沈み込み、右ストレートを躱して鳩尾に寸勁を叩き込む。するとアイナさんの氷の鎧に罅が入り、そのままアイナさんが地面に倒れた


「あっ」

やべっ、戦闘訓練だから寸止めにしなきゃいけなかったのに結構良いのを入れてしまったぞ……



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― 新着の感想 ―
[一言] もしかしてアイナさん、冥界ファイトクラブに出入りしてる?
[一言] アイナさん氷の騎士なだけにクラッシュ! と言ったギャグをして滑った模様 これまた氷なだけに
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