解明
「救出が遅れていたら敵の男は他の実験アイテムを使って更に強くなってたみたいなので、早めに倒せて良かったです。戦闘中に時間経過で敵が実験アイテムをどんどん使用して壊れていたので早く倒さないと敵が強くなって、入手出来るアイテムも減るっていう、結構凶悪な敵でした」
それは中々凶悪な敵だなぁ……時間経過で強化は分かるけど報酬も減るのはキツイ
「これ貰って良いのならありがたく貰うよ。これを上手く使えば属性攻撃に使えそうだし」
「これだけだと攻撃にはならないとは思いますが、ハチさんなら何とかなるんじゃないかと思って持ってきて良かったです!」
折角トーマ君が持ってきてくれた物だ。使わないと勿体無い……けど、属性を発生させると属性攻撃の違いってなんだろう?
「トーマ君?そういえば属性攻撃と属性を発生させるって何が違うの?」
「そうですね。簡単に言うと属性を発生させるはたまにある特定属性を使用する謎解きに使ったり、魔石に属性を付与したりする事が出来ます。ですが、例えば火属性で言えば炎を出すとかは出来ません。発生させるには攻撃能力は無し、属性攻撃には攻撃能力がある。が、今の所分かっている属性の情報です」
属性を発生させるの上位が属性攻撃か。プレイヤーは基本的に上位の属性攻撃を覚える事が出来るから発生させるはあまり知られてないって可能性も全然あり得るな
「トーマ君は頼りになるなぁ」
「えへへ……困った事が有ったらいつでも言ってください!」
トーマ君から貰った属性計。これが僕の想像通りに動いてくれる物であればもしかするともしかするかもしれない。城で試してみるかな?
「トーマ君も困った事があったらいつでも言ってね。いつでも協力するから」
トーマ君も色々やってくれてるし、協力出来る事があれば協力したい
「自分も勿論ハチさんに協力します!」
まぁ、もうとっくに協力関係だけどね?
「ありがとう。トーマ君はこれからどうするのか予定とか聞いても良い?」
「え?そうですね……ちょっと海でも見ようかなと思ってます」
海か……そういえばまだ海底都市は散策してなかったな?うーむ、次は海底都市に行くか。そこでレベル上げが出来ればラッキー。レベル上げが出来なくても何かしらは発見出来るだろうし、城で属性計の実験をしてから海に向かうのもアリだな
「海か、また釣りしても良いなぁ……」
「釣りに何かコツとかってあったりします?」
「コツ……とりあえず餌が生きている様にちょこちょこ動かしたり、魚が餌を食べている時のツンツンしてもすぐに上げないでガッツリ喰らい付いて引きが強くなるまで糸をあげないとかかな?待ち過ぎると餌取られちゃうけど、とにかく忍耐かなぁ?」
釣りのコツと言えるか微妙だけど釣りをするならこのくらい抑えておけば大丈夫だろう
「分かりました!覚えておきます!」
本当にトーマ君は素直で良い子だなぁ……僕のフレンドは濃い人ばっかりだからトーマ君が清涼剤みたいに感じる。でもここで僕がトーマ君にベタベタし過ぎたらトーマ君に嫌われるかもしれないし、程よい距離感で行こう
「僕は空島に戻るよ。属性計ありがとうね!」
「はい!お疲れ様でした!」
トーマ君と別れて空島に戻る
「おっ、ハチ!ちょっと来てくれ!」
「えっ?ヘックスさん?どうしたの?」
空島に帰還したら突然ヘックスさんに腕を掴まれて城の方に引っ張られる。僕も城に用事があるから良いんだけど、なんだなんだ?
「この島が浮いている理屈が遂に分かったんだ!」
「おぉ!それ本当!?」
この島の浮いている原理が遂に分かっちゃうのか!
「それで?どんな理屈でこの島は浮いてるの?」
「それを理解する為にはまず城の地下に行かなければならない。ついて来てくれ」
「城の地下?」
玉座の間に何かあるのだろうか?
「早く行くぞ!」
「オッケー!」
ヘックスさんと一緒に玉座の間まで駆け降りる。地下に何かまだあったっけ?
「よし!着いた!」
「玉座の間だけど……ここに何が?」
「これは見つけられなくても仕方がない。私もここを数日調べてようやく見つけたのがこれだ!」
玉座を後ろに倒し、玉座の下から現れたボタンをヘックスさんが押すと更に下に向かう階段が現れた。まだ下があったのか……
「ここの機構は魔力を一切使用していない。この城の素材的にも透視する事も出来ないだろうし、ハチでも発見出来なくても不思議では無い」
なるほど、魔力を使用していない、透視出来ないとなれば【察気術】でも発見出来ないのも無理はない。こんな所にまだ何か隠されていたのか
「我々の目的地はこの下だ。ついてこい!」
ヘックスさんがどんどん進んで行くので追いかけていく。この先に何が待っているのか……
「空島の正体を知る為に我々は奥地に向かった……」
「何してるんだ?早く行くぞ!」
「あぁ、ちょい待って待ってー!」
ヘックスさんが僕を置いて先に行ってしまいそうだったので急いで後を追いかける。よっぽど凄い物があるんだろうか?
「空島の正体……それがこれだ」
「え?これって……」
島の地下にあった物……それは超巨大な魔石が機械の中で浮いていて、魔力が循環している装置と呼べそうな物がその場にあった
「この空島は正確には島では無い。超巨大な浮遊する船だ!」
バルミュラ様とんでもない報酬くれたな?