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変幻時在

「なるほど、結構大変な事があったんですね」

「はい、ですがトーマさんのお陰で子供達も無事に帰ってきました」

 話を聞いてみると孤児院に何やら怪しい男がやって来て、子供達を何処かに勝手に連れ去る事件が発生して、それを解決したのがトーマ君らしい。相手が催眠系の技を使用して孤児院の大人達が動きを止められてしまい追えなくて諦めかけていた所、何かを探していたトーマ君が通りかかって子供を救出に向かい、その男を倒して子供達を救出した。と……それ僕が属性攻撃関係のアイテム探してって頼んだからトーマ君はこういう所を探していたのか?何というラッキー


「追いかけたくても体が動かない。そんな時に現れたのがトーマさんだったのです。本当にあの時は引き受けてくれて助かりました」

 催眠攻撃の後にトーマ君が来たからその攻撃を喰らわなかったと……まぁトーマ君にはヨウちゃんが居るしなぁ……だって妖狐だよ?寺生まれみたいな破ァ!とかなんかそんな事出来て催眠無効化とか出来そうな気がする


「子供達が無事に帰って来て良かったですね」

「ええ、身寄りが無いこの子達を実験材料にするなんて恐ろしい事を言っていたあの男の魔の手から救ってくれたトーマさんには感謝しかありません」

 これもしかしてトーマ君がこの孤児院で起きた問題を解決して、その報酬で得た物が属性攻撃のアイテムだとか言わないよね?だとしたら僕そんな物は絶対受け取れないよ……




「お兄ちゃんも鬼ごっこしよー!」

「えー?お姉さんだよ!お姉さんも鬼ごっこしようよー!」

 おばさまシスターと話をしていたら僕の所にも孤児院の子供達がやって来た。だけど、お姉さんは勘弁してくれ……


「こら、お客さんですよ?」

「構いませんよ。で、鬼ごっこで良いのかい?だるまさんが転んだでも何でも良いよ?但し、僕はお兄さんだ」

 きっちり訂正だけしておいて孤児院の子供達と遊ぶ準備をする


「ほらー!」

「間違えちゃった。ごめんなさい」

「ちゃんと謝れるのは偉い!それで?何して遊ぶ?」

「「「鬼ごっこー!」」」

 鬼ごっこ大好きだな?


「良いよ。じゃあ最初の鬼になろうか」

 ある程度手加減しないと良くないだろうし、かと言ってがっつり手加減するとそれはそれでつまらないと思われるかもしれない。自分に【オプティダウン AGI】を掛けて、外せるアクセサリーを全部外してしまえば程よく手加減出来そうな気がする。それでも速かったらそれはそれで、これが大人の力みたいな言い訳すれば良いか


「「「逃げろー!」」」

「皆逃げてー!あの人は凄く速いよー!」

「さぁ、どんどん逃げろー」

 適当に手を叩いて子供達が遠ざかるのを待つ。あれ?トーマ君も混じってるな?まぁ良いか


「では、ちょっと子供達と遊んできます」

「ありがとうございます……」

 うーむ、ちょっと遊んじゃおうかな?


「さて、それじゃあ行くぞー!」

「「かかってこーい!」」

 勇ましいな?


「じゃ、行こうか」

 クラウチングスタートの恰好をして活発そうな男の子の一人にターゲットを決めてダッシュ。子供を追い詰めるのには充分なスピードはある。やっぱり称号でもステータスが上がっているのが結構デカいな


「なっ!?」

「ほらほら、もっと速く走らないと捕まえちゃうよー?」

「なんだこのスピード!?」

「お前も鬼にならないか?」

「い、嫌だ!」

 走りながら男の子に話しかける。なんか追い詰めるのちょっと楽しいなぁ?


「うん、君は良くやったよ。じゃあ次の鬼は君だ。頑張ってね?」

「くっそー……絶対捕まえてやるからな!」

「ふはははは!そんな状態では私を捕まえる事は出来ないよ。さらばだ少年!」

 捨て台詞を吐いて鬼になった男の子から離れる。10秒カウントしたら僕を追ってくるだろう。トーマ君辺りになすりつけるか。トーマ君を探しておこう




 それからトーマ君経由で僕に鬼を返してもらって他の子にも「お前も鬼にならないか?」と勧誘しながら鬼を交代して全員が万遍無く楽しめる様に動いた

「ありがとうございました。ハチさんのお陰で皆楽しめました!」

「トーマ君を迎えに来たついでだから、このくらいお安い御用だよ。そういえば例の物ってこの孤児院を救って入手したアイテムだったりする?だとしたら申し訳なさ過ぎてもらえないんだけど……」

「それに関しては心配なさらず!敵の男を倒した時に実験で作っていたアイテム群の中にあった物を貰っただけですから!」

 そういう物をちゃっかり回収しているトーマ君も中々強かだなぁ?でも報酬アイテムとかじゃなくて倒した敵の残した物だったら遠慮無く受け取れる。悪いね?名も知らない悪党さん。使えそうな物だったらしっかり使わせてもらうよ


「とりあえず孤児院を出てから見せてもらうよ」

「はい!」

 ゲーム内で夕方になるまで遊んであげて、孤児院を去る事にした。晩御飯を食べていかないかと言われたけど、もちろん孤児院の備蓄を食べる訳にはいかないので、遠慮させてもらった。まぁ、トーマ君が持ってきた物が気になったから早く確認したかったというのが一番の理由だが……




「ハチさん。これなんですが……使えますかね?」

 トーマ君が見せてくれたのは一見すると懐中時計の様な物。ただチェーンは付いていないし、開けてみたら文字盤の色がおよそ5秒毎に変わっている。なんだろうこれ……


『変幻時在の属性計 持っていると5秒毎にこのアイテムから発生する属性が変わる』


「魔石に属性を付与する時に使えるかと思ったのですが、流石に5秒じゃ付与出来ないので結局ランダムな属性魔石になっちゃうので自分はあまり使えないかなと……でもハチさんならこれを使えるんじゃないかと思って連絡しました!どうでしょう?使えそうですか?」

 ほほぉ?これはまた癖の強そうなアイテムだ。装備するタイプの物じゃないみたいだな?



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― 新着の感想 ―
[一言] 執事には懐中時計、ハッキリわかんだね。ついでにモノクルも探そう。 ヴァルゴハチくん「ざんねーんお姉ちゃんでしたー」してたら子供のいけない扉開いちゃうとこだった。ちゃんと宣言する善良な人?で…
[一言] >まぁトーマ君にはヨウちゃんが居るしなぁ……だって妖狐だよ?寺生まれみたいな破ァ!とかなんかそんな事出来て催眠無効化とか出来そうな気がする 寺生まれのT(トーマ)さんwww >「お前も鬼…
[一言] むしろ破ァっ!するのはハチ君のほうなんだよなぁ・・・
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