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一人芝居再び

 ミラがこっちに来たタイミングでウィスパーを繋ぐ


(ちょっと一旦本体に戻ります。その間にユイをお願いします)

(ん?ちょっと待ってくれ。それってなんかおかしくないか?今の話だとハチ君が2人になってないか?)

(はい、今から2人になります。だからユイには人は近寄らせないようにしてください)

(お、おう……分かった)

 とりあえずこれで問題は1つ解決出来たと思う


「じゃあ私は外の方を探してきます。ここに居るとあの人に話しかけられそうなので……」

「分かりました。こっちに来たとしても足止めするので、行ってください」

「はい、もし見つけたら連れてきますね?どうやら貴方はその人に会いたいみたいだし……」

「いや、別にそういう訳じゃ……ない、訳じゃないですが……」

「ふふっ」

 一度ダンスホールから出て、トイレか外に向かう。とにかく人の居ない場所に向かおう




「よし、この辺でいいか」

【察気術】や目視で人の居ない所に向かい、【イリュジオ】を使う。そこには黒いドレスを着たもう一人のユイが現れる


「うん、良い感じだ」

【イリュジオ】でユイを出してしまえば時間制限は関係無い。服を執事服にして、水で髪と顔を濡らす。これでヘアカラジェルとスキンリキッドを洗い流すと白いメッシュと顔のタトゥーが現れる。これだけでも印象結構変わるなぁ?まだ男に戻ってないので髪が長いままだが、このまま髪をポニーテールにして男装執事みたいな感じにするのも良いかもしれない


「おぉ、戻った」

 徐々に髪が短くなり、胸と尻がしぼんで男に戻った。これでハチとユイが同時に存在している状況を生みだす事に成功した訳だ


「あとはダンスホールに戻る前にアリバイを作ればオッケーだな」

 言い訳はある程度考えてあるし、これで乗り切ってみせる!




「へぇ、そうなんですね。それは私はあまり好きではありません、が……居た!」

「おや、さっきの麗しの華よ?その隣の騎士……いや、執事は?」

 アイリスさんがリリウムさんの話を聞きながら足止めをまだしてくれていたみたいだ。ハチとユイの組み合わせで2人の前に現れた時にアイリスさんの目が若干輝いた様な気がした


「可哀想な事に彼のお相手がパーティーの直前で風邪を引いてしまったらしく、城の前で待ち合わせをする事にしていたらしいのですが、連絡を送る事も難しい状態の中で何とか彼に連絡だけは伝わったのですが、伝わった時には既にパーティーは始まってしまっていて……門番に止められていたので私が彼の相手の代わりに入れました」

一応執事服だし、ユイの後ろに立つ形でユイが喋っている様に話す


「それは少々困るのですが……」

 どうせ言われると思っていたし、その為にアリバイを作って来たんだ


「あら?このダンスパーティーは入る時は男女のペアか女性同士のペアで入城する事が条件でしたが、出る時は一人でも良いのではなくて?それにパートナーが外に居るのなら、その方とペアで入城しても男女ペアでこの城のダンスパーティーへの参加条件は満たしているはずでは?」

「これは一本取られた。とても聡明なお方だ。是非とも一曲お相手してもらいたいが、いかがかな?」

 話しかけられた時点でこうなるとは思っていた。勿論断る言葉は用意してある


「踊ってあげたい所だけど、残念ながら姉と踊って、更に人探しをして疲れてしまったの。だから残念ながら貴方と踊る事は出来ないわ。他を当たって頂戴」

 相手の事を美しき華とか言ってる奴が疲れている相手を無理にダンスに誘うなんて出来ないだろう


「おっと、それは失礼……無理はしないように。必要なら休憩の為の部屋を用意しますよ?」

 こいつ……結構しつこいな?


「そんなに踊りたいのなら姉の私が代わりに踊ってあげるわ。リリウム様」

 こっちにウィンクしながらリリウムさんに向かっていくミラ(ハスバさん)。カッコイイなぁ?


「おぉ、よろしいのですか!貴方とも是非踊ってみたかったのですよ!」

「あら?お食事はしなくて良いのかしら?」

「はは、そうだね。流石にさっき断ったばかりで食事をしなかったらあちらの美しき華達に悪い」

 流れる様に僕達から注目を奪っていくミラ。おかげ様でこっちはフリーになった


「ハチさん!」

「こんばんわアイリスさん。そのドレス凄い似合ってますね」

「ふふっ、そうですか?」

 良かった……まずアイリスさんを褒めたからか、凄く態度が軟化した。怪しまれないように誰かにユイをお願いしたい所だが……ハスバさんは僕の代わりにリリウムさんの相手をしているしな……


「あら、アイリスちゃんもう踊らないの?」

「あ、めろにゃんさん!ドレス用意してくれてありがとうございました。お陰で凄く嬉しいです!」

 なんと!めろにゃんさんアイリスさんのドレスも作ってたのか……だがこれは絶好のチャンス到来だろう


「貴方の探していた人も見つかったみたいだし、私はこっちの人とお話があるから。じゃあね」

「あらあらあら、そうね。確かにあたしもこの子とお話しする事があるから向こうに行ってるわね?」

 まるで僕とアイリスさんを二人っきりにするように離れていくユイとめろにゃんさん。めろにゃんさんが居てくれて助かった……多分めろにゃんさんなら何とか合わせてくれるだろう



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― 新着の感想 ―
[一言] 別に知り合いに知られた所で味方に引き入れれば良いだけだし、そんなに苦労してまで隠す必要も無いと言えば無い。 なのにここまであの手この手で隠し通そうとしてるのは、ハチ自身どこまで隠し通せるのか…
[一言] 有名になって、知らない人からちょっかいかけられるなら有名税って事に出来るんだけど、単にイベントに参加するだけで知り合いの目を気にしないといけないってフレンド(物理)整理必須レベル 救いがある…
[一言] おっ?恋愛フラグ立った?
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