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579/2002

かなりピンチ

「かー!ここの飯結構うめーですわ!」

「っ……」

 ちょっと待ってくれ。ここで吹き出したらマズいのは分かってるけど、今ここにレイカさん居るのはヤバいって!腕の内側を抓って痛みで何とか吹き出すのをこらえる。ああなっちゃいけないって思った相手が丁度出てくるのは不意打ちだ。流石に【察気術】があってもこれだけ人数が居ると個人の特定は難しい。よっぽど特徴的なオーラじゃないとな……


「おやおや、綺麗な華よ。口元が汚れてしまっているよ?」

 レイカさんを見つけたリリウムさんは素早い動きでレイカさんの口元の汚れをハンカチで拭う。そしてそっとポケットにそのハンカチを戻していた。うん、たまに怪我した相手にハンカチを差し出してそのハンカチは差し上げますみたいなシーンを映画とか漫画で見るけど、相手に使ったハンカチを仕舞うのは結構犯罪チックだなぁ……リリウムさんも顔が若干にやけているのがそれに更に拍車をかけている


「あら、これは失礼。ダンスに飽きてここの飯を喰ったらとっても美味かったので夢中でしたわ!」

 ダンスパーティーに参加して真向からダンスに飽きたと言うその胆力は凄いな?リリウムさん的にこれはどうだ?


「おっと、これは手痛い意見だ……今後パーティーを開くときはもっと楽しめるようにしよう!何といっても可憐な華の意見だからね!」

 おぉ……何とか切り抜けてるな。そうだ、今のうちにロザリーさん達に話しかけよう


「それで、貴方達はどんな冒険をしてきたんですか?」

「え、あぁ……どんな話が良いだろうか?」

「……すみません、突然こんな事言われても迷惑ですよね……実はあの人に話しかけられるのはちょっと嫌だったので、貴方達に話かけました。だから別にお話に関してはしなくても問題ありません。利用してしまってすみませんでした」

「なるほど、それなら任せてくれ。とりあえず私はロザリー、妹はアイリスだ」

 こっそりロザリーさんに利用した事を教える。ロザリーさんもどうしてこういう事をしたか理解したので話を合わせる様に動いてくれるみたいだ。やはり秘密の共有はこういう時にも使えるなぁ……


「アイリス、ちょっと……」

「はい」

「「……」」

 ロザリーさんがアイリスさんを呼び寄せて黙り込む。多分ウィスパーで会話してるんだろう。多少こっちを見るアイリスさんの目が和らいだ気がした。まぁ疑いの目を向ける気持ちも分からなくは無いけどね?


「とりあえず姉さんがあの人を止めるので、今のうちに離れてください」

「ありがとうございます」

 一応今はフレンドにもプライバシー設定が効く様にしているので、たとえアイリスさんでも僕の素の声を聞かれる事は無いからそこは気にしなくても良い分楽だけど……


「あの、一つだけ聞かせてください」

「はい、なんですか?」

「最近やってたプリズムの実験は上手く行きましたか?」

 これは絶対に鎌をかけてる。ここで認めたら僕だと白状している様な物だ


「プリズムの……実験?そんな事をしている方がいらっしゃるのですか?」

「はい、結構色んな事をやっている人なんですけど、貴方と背丈がほぼ一緒で顔も似ている気がするんですが……本当に知りませんか?」

 めっちゃ怪しまれてるぅ!でも落ち着け……ボロは出してない。顔が似ていると言われるとそりゃああんまり変わってないから似ているのは当然だ


「そんな面白い事をやっている方なら本当にお話を聞いてみたいです!この会場に来ているのでしょうか?」

「そのはずなんですが、まだ見かけていないんですよね」

「でしたら、私も探したいのでどんな見た目の方か教えてくれませんか?何か特徴などあれば私も探せるかもしれないので、確か顔は私と似ているんでしたよね?」

 ここで何かメモとか取り出すとハチに戻った時に同じ物を持っているとかで怪しまれるかもしれないので、考え込む様なポーズでアイリスさんからの言葉を待つ。NPCっぽく頑張れ僕!


「本当に違うのかも……はい、顔は貴方に似ているんですが、その黒髪に白いメッシュが入っていて、あと顔と体にタトゥーが入っているんですよね。ごめんなさい……顔が似ていたのと、本人を見つけられなくて貴方が実はその探している人なんじゃないかと疑っていました。失礼な態度を取ってしまい、申し訳ありません」

 めろにゃんさんの馬車に乗る前にハスバさんに髪色を一時的に変えるヘアカラジェルというアイテムを貰い、髪色を黒一色にしておいた。銀とか灰色にしておいた方が良かったかな?ともかくこれで何とか乗り切ったぞ!だが、まだ油断しちゃいけない……これからも油断せずに行こう


「いえ、私も人を探している時に似ている人を見つけて違うと言われたらそんな事は無いと言ってしまうのも分かります。お気になさらずに」

 これ、絶対に僕本人が何処かで姿を出さないとマズいかもしれない。ハスバさんには既に3時間分の【ヴァルゴ】を掛けてあるので、あっちは特に考えなくても良い。僕は何があっても大丈夫なように効果が切れそうなタイミングで【ヴァルゴ】を使用しているので、姿さえ隠せれば元に戻る事も出来るだろう。だが、その場で誤魔化せたとしてもユイが消えたままだと間違いなく、怪しまれる……どうにかしてここを乗り切るには僕が2人居る必要があるぞ……ん?僕が2人?それなら……



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― 新着の感想 ―
[一言] 〉変装看破しようとするアイリス 隠しているものを暴こうとするのはやめなされ。 恋人のカバンとスマホの中には地獄しかないのです。 恋人ですらない相手の懐(内情)に手を突っ込んでも嫌われるだけで…
[一言] アリバイコンボ! でも疑って掛かる人はアリバイ有ってもしつこいんだよなぁ(流行りの宇宙人狼感
[一言] うーん……このアイロザのハチセンサーは高性能とまではいかなくともかなり良い物持ってますね。流石です。あとは匂いセンサーを取り付けましょうw
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