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576/2002

城内へ

「もうすぐそこね?」

(流石にちょっと緊張してくるね……)


「そうですね。そういえばお2人はダンスはお得意?」

(実際、通れるかはぶっつけ本番ですからね……)


「そぉねぇ、ちょっと踊れるくらいかしら?」

(何とかなるわよ。今の貴方達なら)


「私は全然です……こういう高貴な踊りとかはちょっと……」

 馬車の中で会話しつつ、僕とハスバさんには緊張の時間がやって来た。【ヴァルゴ】を使用して城に正面から侵入するんだ。まずは城の門を通れるか、それがまずは第一関門だ


「ラギちゃん、そういう時はただ両手を繋いで左右に揺れてるだけでもそれっぽく見えるわ。だから心配しなくても大丈夫……あら、もう着いたわ。それじゃあ行きましょう」

 流石にそれは手を抜き過ぎな気もするが……そんな事よりまずは第一関門だ


「いらっしゃいませ、どうぞお進みください。いらっしゃいませ、どうぞお進みください……」

 一応僕達の前に少し人が居るので列に並ぶ。ほとんど流れ作業だなぁあの受付……


「いらっしゃいま……申し訳ありません。男女ペアか女性のペアでなければ入る事は出来ません」

「かー、やっぱ女装じゃ無理かぁ!」

「だから無理だって言ったろ?おーい」

「全く、女装して入るなんて無理に決まってるでしょ?」

「早く着替えなよー」

「「「「わはははは」」」」

 僕らが並んでいた前の方で悪ふざけなのか男女ペアの2組が男2人(1人女装)女2人のペアに組みなおして城に入れるのか試したらしいが結果は失敗。大人しく元の男女ペアに戻り城の中に入っていた……こっちは今ちょっと入れるのかどうかでピリピリしているんだ。ああいうおふざけは普段は気にする事は無いけど、今に至ってはちょっとイラっとした


(私達が女性なのか女装なのか、あの受付の人に委ねられたな……)

(絶対に騙してやる……)

 静かに燃えながら自分達の番を待ち、遂に自分達の順番がやってくる


「いらっしゃいま……」

 まじ?【ヴァルゴ】を使ってもダメなのか……


「そんなに私達の顔を見て……なにか付いているかしら?それともドレスコードが良くなかったかしら?」

「いえ……失礼しました。どうぞお進みください」

 ハス……ミラの一言で誤魔化せたのだろうか?何とか通してもらえた


((ほっ……))

 一瞬止められかけて焦ったが、無事に通過できた。あとは練習したダンスを踊れば僕の役目は終了……


「うわぁ、綺麗……」

「マジかよ……俺もうちょっとカッコイイ服着て来ればよかった……」

「めっちゃ綺麗なんだけど……何処かで見た事ある様な気もするんだよなぁ」

「ふふっ」

「「「「うっ!」」」」

 とりあえず門を過ぎて城の中に入るまでの間にいろんな人がこっちをチラチラ見てきたので、微笑み返してみたら何人か胸を抑えたり、顔を背けたりしていた


(モテモテだねぇ?)

(これは今後も色々利用出来るかも……)

(ハチ君、流石にそれは鬼じゃないか?)

(そう言いながらウィンクとかしてるハスバさんも正体知られたらゲーム辞める人が出てくるレベルのショックだって分かってます?)

(ははは、確かに正体がバレたらショックだろうねぇ?でも、ハチ君と一緒なら問題無いハズさ)

 それってつまりバレないように頑張ってねっていう丸投げなのでは?


「ここがダンスホール……大きい」

「これは広い……」

 サーディライの城には空島の城には無い凄い広さのダンスホールがあった。これは多分外からみた外観と中身が合ってない気がする……魔法の力が働いてそうだなぁ?


「やぁやぁ!よく来てくれた!美しき華達よ!」

 なんかちょっと高い所から何というべきか、宝塚チックな人が……あっ、なんか参加者に女性を含ませる意味が分かった気がしたぞ?


「それと可憐な華達を連れて来てくれた騎士達にも感謝しよう。今宵のダンスパーティー存分に楽しんでくれたまえ」

 ちょっと女性相手に「華達よ!」って言ってた時に比べるとテンション下がってる様な気もするが、美形で男性チックなこのサーディライの城主?は色んな女性に会いたいからダンスパーティーを開いたんだな?


「おい、すっげーなあれ……」

「あぁ、すげぇ……」

 周りの男達が城主に釘付けになっている。まぁおっぱいの付いたイケメンみたいな城主を見れば男なら誰でも見惚れてしまってもおかしくない


「では音楽開始だ」

 その一言で会場に音楽が流れ、ダンスパーティーが始まった




「とりあえず端の方で踊っておきましょう。こんなどデカいダンスホールの中央で踊るのは流石にリスクが高いですし」

「そうだね。踊っていれば話しかけられる事も少ないだろうし」

 踊っていなければあの城主に話しかけられるかもしれない。あと周りのプレイヤー達も音楽は聞こえているけど最初に踊り出すのを若干ためらっている人が多く感じる。だからこそ、僕達が踊りだして周りも踊るようにしなくては


「では行きますよ。ミラ姉さま?」

「ええ、良くってよ?」

 音楽も大体一定のリズムなので一度入るポイントさえ掴めば無理なく踊りだせる


「「「「「おぉ……」」」」」

「ほら、行くわよ?」

「え?えぇ……ゆっくりお願い」

「私達も踊ってみよう?とりあえずあの2人を見本にしたら良いんだよ」

「あ、あぁ……じゃあ行くぞ?」

「よし、ゆっくりで行くぞ」

「はい」

 周りの人達もゆっくりとだが、踊り始める。最初の1歩は踏んであげたんだ。早い所続いて僕……私達の隠れ蓑になってもらおう



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― 新着の感想 ―
[一言] ばらしたとき一体どれ程の人が新しい扉を開けてしまうのか・・・いや下手したら元からハチ君に開けられちゃてる人も・・・?(寒気)
[一言] >(これは今後も色々利用出来るかも……) >(ハチ君、流石にそれは鬼じゃないか?) ヤバイ…ハチ君が味をしめたぞwww >(そう言いながらウィンクとかしてるハスバさんも正体知られたらゲー…
[一言] プレイヤーが多くて逆にダンスちゃんと踊れるのが仇になったりしない? さぁロザリーとアイリスは高性能ハチセンサーを持っているのか……そこが勝負の分かれ目ですねw
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