表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
573/1991

諦観の執事

「そうだハチさん!忘れてませんよ。どんな物を貰ったのか見せてください!」

「ん、了解」

 三稜鏡帝の執事服。もう何となくどんな服かは分かるけど着てみよう。これは結構攻撃的性能をしているし、今後メインの服装になるかもしれないし、今の内から着慣れておかないと……


「おぉ……結構カッコいいかも」

 裾が2つに分かれているから分類するなら燕尾服に分類されるかな?意匠として小さなプリズムが左胸付近についている。ブローチみたいだな


「ハチさん。SS撮らせてください!これはヤバい!撮らなきゃその服に失礼ですよ!」

「えぇ……」

 さっき怖い目に遭ったのに元気だなぁ?それにSS撮らなきゃ服に失礼って……僕に対してでは無いんですね?


「ハチ君は何着ても似合うねぇ?ほら、これもどうだい?」

「結構です」

 そう言ってハスバさんが僕に対していつぞやのスク水を出してきたので、速攻で返却した


「くぅ~!やっぱりこの拒絶たまらん!」

 僕にはその気持ちは分からないなぁ……


「撮って良いですよね!?もう撮ってますけど!プライバシー設定切ってくれませんかねぇ!」

「なんか怖いんですが……」

 このバイタリティ怖いなぁ……


「このSSを求めている人は沢山居るんです!だからご協力を!」

「はぁ……何かやった方が良い恰好とかありますか?」

「それならばこれを!」

 そう言って紅茶セットと銀の盆をインベントリから取り出すチェルシーさん。そこまでされたら何となくやって欲しいポーズは何となく分かる。お盆を片手に持って真っ直ぐ立っていれば良いんだろう


「お嬢様、まだ何かご要望はございますか?」

「うほぉ~!」

 うほぉ~!は女の子が出しちゃダメな声だと思う


「これは破壊力抜群ですよ!おっほ!」

 チェルシーさんも最近大分キャラ壊れてきてるよなぁ……僕が関与しなかったらキャラが壊れる事も無かったんだろうか?




「もう良いですかね?そろそろ一旦空島に戻りたいんですが……」

「ふぅ、これは皆さんにも見せなくては」

「別に写真くらい良いかな」

 前のイベントの時も写真撮られてるし、もう写真がばら撒かれるのは仕方がない事と納得出来てしまう自分が居る


「ハチ君も達観してるねぇ?」

「諦観してるって言う方が合ってるかもですね」

 悲しい慣れだなぁ……


「あとちょっとだけ……」

「はい、終わりでーす」

「えー」

 チェルシーさんの追加注文は受け付けずに装備を白ローブに戻して、空島に帰還する事にした


「チェルシーさん。とりあえず1つだけ約束してください」

「はい、なんでしょう?」

「さっきの写真、公開するのは島に居る人達にだけですよ?もし破ったらまたさっきのやりますよ?」

「わっかりましたー!」

 とりあえず自分でもさっきの執事服は結構良い物だと思ったので、今からダンスパーティーに着ていくのをこっちに変えても良いと思うくらいの物だった。だからこそ今、このタイミングでチェルシーさんにさっきの写真をバラしてもらい、あの服を着てダンスパーティーに出るんじゃないかと島に居る人達に思ってもらう。そうすれば僕を探そうとする人の目は燕尾服を着た人をまず探すだろう。そうなれば僕とハスバさんが【ヴァルゴ】で女性体になり、ドレスを着て城に侵入したとしても僕を探そうとする人の目を掻い潜る事も可能なはずだ




「これは早く公開しなきゃ……では失礼します!」

「はい、いってらっしゃーい……ふぅ」

「お疲れ様。ジュース飲むかい?」

「ありがとうございます。おっ、美味いなぁ」

 ハスバさんにトロピカルな色合いのジュースを渡される。飲んでみるとフルーツ牛乳みたいな味がして結構美味しかった


「とりあえずこれでダンスパーティーの時に僕が燕尾服を着てくると思って燕尾服の人を探して僕達が入る時に見過ごされやすいって寸法です」

「よく考えてるねぇ?それなら確かに女性になっていたら絶対に見つけられないだろうね」

「うまくチェルシーさんが広めてくれると良いんですけどね?」

 まぁこの作戦はチェルシーさんが広めてくれないと成功しないから気休め程度の作戦だけど……


「そういえばダンスパーティーって何時スタートでしたっけ?」

「夜9時だな。丁度現実でも夜9時スタートだから分かりやすい」

「なるほど……じゃあ僕達はさながらシンデレラですね」

 ダンスパーティーだから夜会なのはまぁ当然として、9時スタートとなれば【ヴァルゴ】の最大連続使用時間を考慮しても12時がタイムリミットだ。夜会がいつまで続くか分からないけど、僕達は12時までに目的の何らかのレアアイテムとかが入手出来なくても撤退しなければならない。かぼちゃの馬車も、鼠の白馬も、トカゲとがちょうの従者と御者も居ない。勿論イベントアイテムじゃないただの装備アイテムである靴を強制解除される事も無いだろう。だからシンデレラにはなれないが


「じゃあヒールを片方だけ置いて行こうか?」

「それは絶対にやめてください。全員が地獄を見るだけなんで」

 ハスバさんがシンデレラになるとか誰得過ぎてヤバい。もし、ハスバさんがヒールを片方落としたとしても僕が回収して証拠隠滅してやるからな?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] >「撮って良いですよね!?もう撮ってますけど!プライバシー設定切ってくれませんかねぇ!」 >「このSSを求めている人は沢山居るんです!だからご協力を!」 カメコさ~ん、SSはちゃんとレイヤ…
[一言] これは掲示板が楽しみだなぁ・・・(ゲス顔)
[一言] ガラスの靴かと思いきやクレイモア地雷だったでござる
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ