プリズムカイザー
「それじゃあここに居てください。何か起きても動かないで」
「動いたら?」
「多分腕とか吹っ飛びますよ?」
「「ひえっ……」」
プリズム達をあと数体集めればプリズムリングが完成する所まで来たので、輪の中に2人を入れる。一応近くにいたプリズムは残しておいたので、そのプリズムを引っ張ってきたら完成だ
「はいオーライ、オーライ」
ゆっくりとだが、プリズム達を引っ張って輪に加える。これでプリズムリングの完成だ
「はい、じゃあ後は待つだけです」
「え?待つだけですか?」
「待ってたらそのうち空に連れていかれるので」
「ハチ君、冷静に言ってるけど何を言ってるか分かってるかい?」
「これで4回目になるんでもう慣れましたよ。ほら」
会話している間にプリズムリングがグルグル回転して竜巻を起こしていく
「ほ、本当に大丈夫なの?」
「大丈夫なんじゃないか?ハチ君を見てみると良い」
「ん?」
もういつもの事なので地面に寝っ転がった状態でそのままふわっと浮き上がっている
「ハチさん……頭のネジ何十本ぶっ飛んでるんですか?」
「むしろボルトレス設計じゃないか?」
「随分と言いたい事言ってくれますね……とりあえず待ってたら雲の上まで行きますから。あと、僕の機嫌を損ねたら空中で投げ出される覚悟があるって分かってます?」
「「どうかお慈悲をー!」」
状況を理解したようだ。空中で足場を出せる僕に悪態をつくようならそれこそ地上にお帰り願う事になる。パラシュート?そんな物は自分で用意しておきなさい
「うむ、くるしゅうないぞ。というか、そろそろ上昇も終わるんで僕の近くに」
「急げ急げ!落ちるぞ!」
「早くしなきゃ!今回のは冗談じゃ無く本気です!」
空中を犬かきの様に僕の近くに寄ってくる2人。まぁ僕だけ足場を出して2人は魔糸で宙ぶらりんでも良いんだけどね?
「そろそろだな、【精神防壁】」
雲の上に出たので足場を用意してプリズムリングがキングプリズムになる時に備える
「まずは空中だけど立てている事に一安心だよ……」
「一応円形で足場を作ってますけど、動いたら安全は保障出来ないのであしからず」
「流石に紐無しバンジーは勘弁してください……これは確実にマズい高さですよ」
チェルシーさんが僕にしがみつく。まぁ確かに僕にしがみついていれば落ちる事は無いな?正直ちょっと邪魔だけど……
「調子どうだい?」
「「「キィィィィン(とても良い)」」」
「一応頼まれた最後の1体を連れてきたよ」
「キィィィィン(おぉ、同胞よ)」
「「「キィィィン(これで4体揃ったな)」」」
4体揃ったら何かあるんだろうか?4体配合で過去シリーズに登場していたボスモンスターを作れたりするやつ的な?
「ちょっと……これから何が起きるのか分からないんで一応2人ともくっ付いてください」
今まではキングプリズムを復元したらそこで終了。また頼むと言われて地上に戻ってたけど、今回は最後の1体だ。クエストとしてもここで終了だろうし、何が起こるか見届ける必要がある。しかも今度はキングプリズム達がゆっくりとだがお互いに接近している。お互い接近している影響なのか結構な風圧が起きている。気を抜くと吹き飛ばされる可能性もあるし、一応風圧を受ける正面側にも【精神防壁】を張って風よけにする
「これ本当に大丈夫なんですか?絶対危ない雰囲気が凄いんですけど……」
「ハチ君なら何とかなるだろう?……そうだよね?」
「これは本気で何が起こってるか分からないので、死ぬような事になったらごめんなさい。一応3人を繋いでおきます」
「oh……」
魔糸で3人の腰を繋いでおく。これで万が一誰か落ちたとしても僕も一緒に落ちるから落ちてる最中に足場を出せる
「ハチさんが絡むとどうしてこんな危険な事になるんですか!?」
「わかんないです……とりあえず連れてきた責任もあるし、2人とも落ちないようにがんばります」
「ハチ君が言うと凄く心強いんだが、これは本気でヤバいぞ……」
一応防壁のお陰で風圧には耐えられている。キングプリズム達が1つになっていくのが結構遅くて困るが、着実に進行はしている。4体が1つになるまで何とか耐えなきゃ……
「迷惑をかけてすまない。大丈夫か?」
「風圧がかなり危険でしたが、何とか耐えました。やっぱり人に合わせるのは難しいですか?」
だいたいこういうのは人間の強さとか良く分かってないから上空で風圧を出しながら行動とかするんだろう。初めてで加減が分からないのは仕方のない事だ
「今まで働いてくれた君ならこの程度は問題ないかと思っていたが、もう少し静かにやるべきだったようだな」
キングプリズム4体が合体したら下半身は角錐、上半身はガラスの様に透明な男性とまた何とも言えない見た目をしていた。あとついでに周りには凄く小さくなったプリズム達の様な物が浮いている。うーん、プリズムカイザーとでも仮称しよう。プリズムカイザーが僕のサイドの2人を見て申し訳なさそうにしている
「「あぁ、ハチ君基準じゃ仕方ない」」
それはちょっと聞き捨てならないぞ?まるで僕が人間じゃないみたいな言い方しないでほしい