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シロクマ出発!

「どうか先程のは見なかった事に……」

 シロクマコスチュームのまま土下座する。何気に土下座も出来るシロクマコスチュームは柔軟性も凄い


「どーすっかなぁ?」

 多分めっちゃ悪い顔してるだろうドナークさん。何を要求されるんだろう?


「とりあえずそれ、まだ完成じゃ無いからコイツとコレを取り付けて……んで完成。性能は変わらないけどこれで見た目も野生感よりマスコット感が出るだろ?」

 そう言って渡されたのは水色のビブ(よだれかけ)とポシェット。これを付けろという事でしょうか?


「着れば良いんですね?」

「そのままじゃ着れないだろ?着せてやるからジッとしてろ」

 素早く僕の後ろに回り込み、ビブを付けられ、ポシェットも紐の長さを調整されて丁度良い感じで装着された


「おぉ!やっぱ思った通りの出来だ!可愛いぞ!このモフモフ!」

 抱き付かれるけど嬉しいというよりく、苦しい……首がぁ


「ド、ドナークさん……首、首絞まって……る……ガクッ」

「うおっ!?ハチ!?大丈夫か!?ハチー!」

 苦しくて気絶してしまった




「あれ?ここはどこ?僕はシロクマ……いやいや、これ着ぐるみだった」

「おっ!気が付いたか!」

「僕どうなったんでしたっけ?」

「さ、さぁ?ちょっとビブをきつく締めすぎたかなぁ?ごめんなぁ?」

「そうでしたか、じゃあドナークさんが緩めてくれたんですね?」

「お、おぅ!」

 気絶する前の記憶が若干曖昧だけどドナークさんは申し訳なさそうにしているし、これ以上何か聞いても答えも出てこないだろうし、この話はここまでにしよう


「今の状態でも結構動けそうだが一応山に登る前にちゃんと動けるか確認だけしておけよ?」

「はい、ちょっとこのまま外を出歩いてみます」

 シロクマコスチュームのままドナークさんの家から出て行く


「丸っこい体だけど普通に動けるの不思議な感覚だなぁ……」

 ぽてぽてと村の中を歩いていく。すると姫様が目の前を通りかかったちょっと遊ぼう


「ベア!」

「な、なんだ!?」

 右手を上げながら姫様に挨拶っぽく声を掛ける


「ベアベア、ベア!」

「いったい何を言っているんだ……」

 僕も適当に言ってるだけだから何を訴えかけているか分からないのも無理はない


「何言ってるか分からないって顔だな?」

「ん!?急に言葉が……ってハチか!?」

「やぁやぁ、ドナークさんに作ってもらった防寒具を試している所だよ」

「ほぉ?触っても良いか?」

 腕がワキワキしてるから触りたくてウズウズしているのがバレバレだ


「好きに触っても良いよ」

「わーい!」

 わーい!て……


 お腹に突撃する勢いで姫様が突っ込んで来た

「この感触……凄く良い……落ち着く」

「そ、そうなんだ……」


 好きに触って良いって言ったけど抱き付かれるとは思わなかった。ちょっとこれは緊張するな……


「よいしょ!」

「ん?」

 なので姫様を両手で持ち上げる


「ちょっと動きを確認したいから肩車させて!」

「お?おぉ!これもまた良いな!」

 気恥ずかしさを誤魔化す為に姫様を肩車する。これならまだ大丈夫だ


「な、なんだぁ?」

「あ、ワリアさん。片付け終わったんですか?」

「ハチ!?」

 僕の声を聞いて驚くワリアさん。恰好が変わってても声で気付いてもらえるってちょっと嬉しい


「俺、まさかまだ酔ってるのか?ハチ、またレストを……」

「ワリアさんは酔ってないですよ。ドナークさんに作ってもらった防寒具がコレです」

「はぁ……こんな物作ってたのか?何と言うか凄い出来だな?」

 僕の腕を触りながらシロクマコスチュームの出来の良さを確認するワリアさん


「とりあえず山に登る前にまたワリアさんの所で燻製を作っても良いですかね?」

「あぁ、それならコイツを持っていけ。ハチの分のサケとばまで喰われちまったから片付けついでに作っておいたのがここにある」

 ワリアさんが黒い木の板の様な物を10枚渡してきた


『フロッカウジャーキー×10 を入手』


『フロッカウジャーキー フロッカウの肉を使ったジャーキー。しっかりと水分を飛ばしてある為、長持ちする。噛めば噛むほど味が広がる 空腹度15%回復 空腹度消費軽減1時間』


「ありがとうございます!」

 貰ったジャーキーを仕舞おうとしてちょっと動きを止める。どうせならそれっぽくしよう


 ドナークさんに付けてもらったポシェットを開けて、中にジャーキーを仕舞う。するとちゃんとインベントリに収納された。ロールプレイって訳じゃ無いけどせっかくポシェットを付けてもらったんだからそれっぽくしよう。テレレテッテレー、四次元ポシェット~……なんちゃって


「ぽよ?ぽよー!」

「おぉ、流石だな?すぐにハチだって見抜いたか」

 どうやら通りかかったちのりんにはすぐに僕だとバレてしまったみたいだ。それはそれで凄いな?


「ぽよ?ぽよぽよ……ぽよっ!」

 ちのりんが僕の毛の感じを触って確認し、何をするかと思ったらちのりんが僕と同じ様な恰好に変身した


「ぽよっ!ぽっぽよぽ」

「うおっ!分かった分かった。ハチの邪魔はしないさ、ハチ、山に登るんだろう?気を付けて行ってくるのだぞ?」

 僕の姿をコピーしたちのりんによって、姫様がちのりんの方に移動させられた。どうやら姫様が僕の邪魔をしていると思って代わりになってくれたみたいだ


「ちのりん、ありがとう。じゃあ皆!ちょっと山に行ってくる!」

 そう宣言してシロクマは山に走り出した



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[一言] オーブさんしか勝たんけど、ちのりんもなかなか...
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