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練習予定

「ありがとう……たった30分とはいえ、良い夢を見られたわ。ドレスの件は任せて頂戴!それじゃあ今から採寸するわよ!」

 めろにゃんさんが巻き尺を取り出して採寸の準備をしている。勿論【ヴァルゴ】を使った後の姿の話だろう。なんだかさっきの姿を見ていたら、もうめろにゃんさんには危険を感じない。本当に自分が女性になりたかっただけなんだ。こういう一見じゃ分からない所まで知れたら確かに異性だけど同性と何ら変わりないめろにゃんさんと一緒に城に行っても良いという人が1人や2人居てもおかしくないな


「めろにゃんさんは店を大きくしたいとか、支店を出したいとか考えてますか?」

「支店?あぁ、このお店はあたし一人でやってるから複数の店を持つなんて考えてないわ。ここの立地も中々気に入ってるし、何処かに移るとかも考えてないわね。なにより、冒険を始めたてで裏路地に入ったら隠れたお店がある。そういう発見をあたしは重視してるの」

「それは素晴らしいですね?」

 めろにゃんさんは直接的では無いにしても初心者支援的な事もしているのか。立派だなぁ?どこぞの変態は最初にその衝撃的な姿を見せてボス戦へのショックを軽減させるとかいう支援になっているのかちょっと良く分からない事だったけど……


「何でこっちを見るんだい?」

「いや、ちょっと差を感じて……」

「侮蔑の目!あぁぁ!」

 身を捩るんじゃない。もうここまで来たらめろにゃんさんは信用しても良いだろう。プライバシー設定を一旦切るか


「とりあえずさっきの魔法で女性体になって城に入る予定なので、出来ればそこまで目立たない感じのドレスにしていただけると……」

 どう考えても違反行為スレスレどころかガッツリアウトな事をする予定なので、目立たない事が一番だ


「分かったわ……って、あら?声が変わった?あと顔が……あらやだ!あたし好みじゃない!これなら……ええ、イメージもある程度湧いてきたし、2人分のドレスはすぐに作ってあげるわ!さ、早く準備して!」

 早く【ヴァルゴ】を使えって言ってる。だけどその前に非常に引っかかる一言が有った気がしたけど、まぁもうこれは気にしても仕方が無い。ささっと【ヴァルゴ】を使ってしまおう


「それじゃあ採寸お願いします」

「頼むよ」

「任せなさい!」

 そこからもの凄くテキパキした採寸であっという間に採寸が終わった。特にボディタッチとかあった訳では無いし、時間も掛からなかったから正直採寸が終わった瞬間が分からなかった。めろにゃんさんの技術は凄いな?


「これで採寸は終わったわ。他にもドレスを作る約束をしてるから少し時間は掛かるけどパーティーまでには必ず間に合わせるわ!」

 まぁ、タダで作ってもらうんだから後回しになっても仕方が無い


「ハスバさん?そういえば城のパーティーっていつですか?」

「急に発表されたが、現実時間で1週間後だ」

 1週間後、それまでに色々準備しておこう


「1週間か、それまでにダンスでも練習しますか?」

 個人のダンスではなく、ペアでのダンスは全くと言って良いほど踊れない。だって練習した事もしようとした事も無いからね?


「おっ?良いねぇ。会場の視線を独占する気かい?」

「逆ですよ。しっかり踊れた方がとけこめるでしょう?だって城でのダンスパーティーなんですから」

 ぎこちないダンスの方が目立つと思う。だったらしっかり踊れた方が良いだろう


「あら、良いわね。じゃあしっかり踊りやすいようなドレスにしてあげるわ」

「ありがとうございます」

 踊りやすいドレスを作ってくれるならどんなダンスでも大丈夫そうだな……なんかもうスカートだなんだとかどうでも良くなっちゃったな?どうせ女性の姿になってドレスを着ると決まったのならその姿で楽しんだ者勝ちな気がするし……


「それじゃあハスバさん。普通の服に着替えてからダンスの練習しましょう」

「えー?この恰好の方が多分ドレスに近いよ?」

「だとしてもスク水の男とは抱き合いたくないです」

「明確な拒絶っ!」

 あくまで女性体のハスバさんとダンスをするのならまだ良いけど、スク水のハスバさんとダンスするのは何か嫌だ。せめて普通の服を着て欲しい


「まぁ、隙間時間で良いんで今からちょっとずつ練習して、本番の時にはこけたりしないようにしましょう。あっ、そういえば靴とかもハイヒールにした方が良いんですかね?」

 何となくダンスするとなると女性がハイヒールのイメージ。甲冑やサンダルで踊る人はまず居ないだろう


「なるほど、確かにそれは少し練習した方が良いかもしれない。めろにゃん。靴も2足頼めるか?」

「はい、どうぞ」

 え?もうあるの?すげぇ……


「それはあくまでも誰でも履けるヒールよ。オーダーメイドの物じゃ無いからフィット感では劣るけど練習には適していると思うわ」

 より良い物を本番で使えるという事は練習にうってつけという事だ。でもコレを履いてダンスの練習をしている所を見られるのはマズいよな……そうだ。空島の城の中で練習すれば良いじゃん!それなら誰にも見られない!


「よし、ある程度練習する場所とかも何とかなりそうだし、今は一旦落ちてダンスの動画とか映画とか見てきます!」

「えぇ?映画で何とかなるのかい?」

「ゲーム、アニメ、漫画、映画、全部僕の人生の教科書です。ある程度の形にはしてみせます」

 見て覚えるのはとても重要な事だ。あとはそれを自分用に落とし込めばそれなりの形になる。僕の戦闘スタイルの中核をなす部分だってそうやって落とし込んできた物なんだから



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― 新着の感想 ―
[一言] 〉ゲーム、アニメ、漫画、映画、全部僕の人生の教科書です。 映画や動画で基本ステップと人間の可動域にあった動き。 そして創作物で理想を学習してすり合わせていけば。 ハチなら立派に舞踏会の華にな…
[一言] ダンス系のアニメとかだと、ポールルー〇へようこそを思い出した。 踊る際にエフェクトとかが出るスキルはあるのかな? ハスバさんと踊った後、 そのデータを元にマネキンさんと個人練習すると考え…
[良い点] ハチ君ホントに学習能力バケモンだからなぁ。すげぇや
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