不思議なオーラ
「人質を救助する為にはボスを倒す必要があるって事ですね」
ふむ……これは厄介
「でも、私の目で生体反応を見たら戦闘フィールドには彼女ら2人以外の生体反応が無いんです。この大きな骸骨はボスじゃ無い可能性もあります」
え?それマジ?
「それ、最悪のパターンも考えられますね……」
「最悪のパターン?」
「彼女ら2人の内どちらかがその骸骨を操っているパターンが無くはないかなって……」
お嬢様かその友達と言われているもう一人。どちらかが骨を操っていて、人質を救出したと思ったらいきなり刺されるパターン……出来ればそのパターンは無いのが一番だけど
「隠れた一面って奴ですね」
「あくまで考えられるってだけですが……アイリスさんは戦闘フィールドに生体反応が無いって言いましたけど、それってアンデッドとかゴースト系の敵でも見つけられる物ですか?」
一応アイリスさんを疑う訳じゃ無いけど、アイリスさんが敵を発見出来ていなかった可能性も考える
「アンデッドやゴースト系も見つけられます。だからあの骨自体が動いているのなら生体反応があるはずですが、無いという事を考えると何者かがあの骨を操っていると考えるのが自然です」
「私も戦闘中にアイリスからその情報を貰って、ハチ君の様に人質のどちらかが操っている事も考えたが、もしそれで間違っていたらとんでもないミスを犯してしまう。私達は敗れたとしてもリスポーン出来るが、彼女達はリスポーンは出来ない。一度やられたらそれでおしまいだ……」
「ロザリーさんが負ける事を選んだって事は、その骸骨は何度も復活するタイプと見ましたが、どうでしょう?」
「あぁ、ボスを倒すか我々が負けなければ出られない場所だった。だから一度負けた……」
ボスエリアは倒さないと出られない仕様か。それなら迂闊に入るのも危険だな……先にその生体反応のトリックなのか何かしらの謎を解かないと2人の救助は無理か
「そうなると、ドクターの言っていた宝箱が気になりますね」
明らかにヤバいトラップのその先にある宝箱。そこに何か問題解決に使えそうなアイテムがあるかもしれない
「ハチさんの力を借りたい理由。何となく分かっていただけたでしょうか?」
「分かりました。それじゃあいっちょやってみますか!」
ボスエリアに入る前に何か入手出来るのならそれが攻略に必要なアイテムかもしれない。そうあれだ。城を探索してアイテムを集めたら探索出来る範囲が広がってくゲーム……あれもそういえば前作主人公が操られていて、特定のアイテムを持ってなかったらそこで前作主人公を倒してある意味バッドエンドになっちゃう奴だったけど、あのゲームも面白かったなぁ……名前を変えてステ貧弱キャラで運だけ高いのでプレイするのが好きだった……おっとと、脳内の話が脱線してた。今回の人探しクエストは、隠しダンジョンの探索し忘れでバッドエンドに直行しそうな所を全滅という手段で回避?したけど多分次は無いと思う。もしかしたらもうダメかもしれないけど、希望はそう簡単に捨てるべきではない
「あの……ハチ君、このダンジョンは同時に1パーティしか入れない形式になっているからレイドには出来ないんだけど……それでも良い?」
おっと、1パーティ限定ダンジョンか……それだと僕のフルスペックは出せないけど、今の強化具合なら30%のブーストが無くても何とかなるか?
「分かった。じゃあパーティに入れてくれる?」
「はい!」
パーティへの加入申請が来て、パーティに加入する。ロザリーさん、アイリスさん、ドクター、そして僕の4人パーティでダンジョン攻略だ
「流石ですね……」
「戦い方は不安定なハズなのに、安定感が凄い……」
「敵の攻撃をあそこまで回避出来るとは最早芸術だな……」
「見てないで戦ってくれません!?」
皆の言うとおり実際に戦っていても相手の攻撃を回避しやすくなった気がする……いや、これは回避しやすいんじゃなくて相手が攻撃をミスしている?
「あれのお陰かな?」
死神マフラーの【死神の一瞥】、称号の【死神の使徒】の効果で敵の攻撃がミスしたり、怯んだりしている。でもここまで何回も1度の戦闘で発動した事は無かった。これは確実に呪博徒の耳飾りの発生率を上昇させるの効果のお陰でこうなっている可能性が高いな……
「とにかくここは骸骨の敵しか出てこない感じか」
前のハスバさんと入った隠しダンジョンはゾンビとかも居たけど、ここは骸骨オンリーか。生体反応に関しては多分僕の【察気術】で視えるオーラとは少し違う気がするから同一視しちゃダメだと思うし、一度聞いてみるか
「アイリスさん、一応確認なんだけどあの骸骨達に生体反応は無い?」
「いえ、あのスケルトンには生体反応があります」
「なるほど……」
僕の【察気術】でも骸骨のオーラは捉えている。だが、そのオーラはいつも視えるオーラでは無く、別のオーラが骸骨のオーラを覆っている様にも視える。あれは何だ?精神が乗っ取られているのか?