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悪魔召喚

「……!」

「こればかりはどうにも……判断が難しいな」

「どうしたもんか……」

「流石に戦うのは良くないよな?」

「ぽよ!ぽよぽーよっ!」

「だけど村を守らなければハチが移動出来なくなるぞ」

「戦わないと村が破壊されてしまうんやないか?」

「話が通用する相手ならどれ程良いか……ハチぃ帰って来てくれぇ」

 村の皆がヘックスさんの家の中で会議をしていた。パーライさんとホーライ君も家の中に入って話を……聞いてるのかなあれ?ホーライ君寝てない?


「呼んだ?」

「「「「「ハチ!」」」」」

 村の皆が僕を囲うように寄ってきた。久しぶりに村の皆全員と会ったかもしれない。なんだか嬉しいなぁ


「ハチ!困った事になってな?村が……」

「ちょちょちょ、一応アトラさんから話は聞いたけど、その事で皆に相談があるんだ」

 姫様が僕の服を掴んで振り回すから一旦落ち着いて欲しい


「相談?」

「アトラさんにも聞いたんだけど、これに関しては皆で結論を出すべきだと思うから皆にも聞いて欲しいんだ。この場所に居るからアストライトなのか、それともここの皆が居るからアストライトなのかそれを聞かせて欲しい」

「ん?言ってる意味が良く分からんのじゃ……」

 そういう事言われるとちょっと悲しい


「えーっとね?この村にアストライトって名前は付けたけど、この場所から皆で離れたとしても、皆が揃っていたらそこが新しいアストライトにならないかなって意味で言ったんだけど……分かり難い聞き方してごめんね?」

 姫様に分かりやすくして言ってみたつもりだけど……これで分かってもらえなかったらもっと分かりやすくか……


「ぽよぽーよ……」

「なぁハチ?それってもう答え出てねぇか?」

「そんなもの、皆が揃ってアストライトに決まってるじゃん」

「だが、ここから離れるとして何処に行く?場所なんて……」

「それがあるんだよねー。新しい候補地」

 あの島、広さはあるから魔王城側にプレイヤーが作る街、勇者軍側にアストライトの面々が居る状態なら問題無いだろう。イベントの時と人と魔物の位置が逆になるな




 空島の事を話し、人から隠れたいのならそもそも人が物理的に来れない位置にある立地。一部のプレイヤーとは今まで以上に接近する事になるが、セーフティエリアのお陰で攻撃は出来ないし、島に行ける人なら指輪の効果で会話が可能かもしれないとなれば条件としては最初に僕が村に着いた時と大体一緒なはずだ。そういう情報を伝えて、皆が安心出来る土地を用意出来ると皆に言ってみた

「空島って、ちょっと見ない間に何したんだハチ?」

「米!?野菜が作れるのか?」

「ぽよぽよぽよー!」

「空島……凄いのじゃ!」

「ハチ空にお家持ってるのー?」

「凄いですね……空島なんて物が本当に存在していたなんて」

「それなら確かに問題は無いですね」

「そもそもハチは良いのか?ハチの空島に我々を連れて行こうなんて可能かどうかの方が心配だぞ?」

「そこは手段を一応考えてますんで」

 教会から帰る前にモニクからこっそり悪魔召喚のメモは貰ったので一応いつでもセーレさんは召喚が出来るはずだ。ここまで来て冗談でしたとは言わせないぞ?


「さっき僕は選んでとは言ってましたが、僕からお願いしたいのは島に引っ越して皆の安全を確保したいんです。アトラさんお願いします決断してください」

「うむ……儂は皆を護りたい。ここで人間とやり合うと倒す事は出来るだろう。だが、それをしてしまうと復讐の連鎖が生まれてしまう。そうすると平穏な生活とは儂らが死ぬまで訪れないかもしれん。ハチの島に移り、そこで新たな生活を始めないか?」

「しゃーねぇ!新しい場所でまた一から頑張るか!」

「あ、その事なんだけど、村ごと引っ越し出来るかもしれないよ?」

「「「「「は?」」」」」

 まぁ、そりゃあそうだ。それが普通の感覚だ


「多分優秀な引っ越しを手伝ってくれる奴が居てね?」

 モニクのメモを見たら呼び出す悪魔の印章(シジル)があるとかなり手順を簡略化出来ると書いてあったので、丁度セーレさんのシジルを持っているし、あとは呼び出す準備を済ませたら村を空島に引っ越しさせる事が出来るだろう。教会を引っ越しさせるよりも先に、アストライトを丸ごと引っ越しさせる。それが出来たのなら皆を救う事が出来る。友達を救う為なら悪魔だろうが、邪神だろうが、なんの力だって借りよう。頼むぞセーレさん……ここであれが冗談だったとか言ったら僕はショックで辞めてしまうかもしれない




「ちょっと不格好な所もあるけど、これで呼び出せるよね」

「あ、悪魔を呼ぶのか?」

「一応一回直接会って確認してるからもし、裏切ろうとするなら地獄まで迎えに行って、おしおきも辞さないよ」

「お、おう……」

 ちょっと言い方が怖かっただろうか?とりあえずセーレさんのシジルを地面に描き、その前に三角のセーレさんが降り立つ場所を描く。あとは供物の用意をして皆に最後の確認をする


「一応最後の確認だけど、皆で空島に行く。それで良いかな?」

「あぁ、人間と争っても面倒になるだけで最後に損をするのは儂らだ。ハチ、お前の島に儂らを連れて行ってくれ」

 皆、口にはしないが静かに頷いて全員の意思を確認した


「よし、じゃあ呼ぶね。我が呼び声に応えよ。我が前に姿を現せ!悪魔よ」

 悪魔召喚なんてやった事ないけど、メモの通りにやってみたらシジルが紫色に光り、三角を描いた所から暗いオーラが溢れてきた。来たか



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― 新着の感想 ―
[一言] 〉僕はショックで辞めてしまうかもしれない 邪神よりも悪魔よりも恐ろしいもの! それは運営!! そしてお客様(プレイヤー)だ!! 軽く運営が脅されているw 村のあとは教会だろうけど。宗教施設…
[一言] 〉空島の事を話し、人から隠れたいのならそもそも人が物理的に来れない位置にある立地。一部のプレイヤーとは今まで以上に接近する事になるが、セーフティエリアのお陰で攻撃は出来ないし、島に行ける人な…
[一言] 「おっ、さっそく〜」と呼び出されたセーレさん、大量の魔物に囲まれるの図。 なお拒否ったら家にカチ込まれる模様。
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