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唐突な危機

 ハスバさんの配慮のお陰でフォーシアスに居る間はほぼ見つからないと思って良いだろう。これで新しい所に進む事も出来る……と言っても何処に行こうか?


「お話ありがとうございました」

「こちらこそ指揮官とお話出来て光栄です!」

 光栄に思われる事も無いと思うけど、とりあえず情報を貰った人に挨拶だけしてその場を離れる


「海を越えるのは流石にもう少しレベルを上げてからにしたいな……」

 今はLv45だし、Lv50を超えるまでは海を越えるのは止めておこう。もしかしたら新しい星座魔法を覚えるかもしれないし


「フグメタ狩りは……多分人が居るだろうし、辞めておいた方が良さそうかな」

 あくまで白ローブの誤魔化しが効くのはフォーシアスまでで、その外までは効果が及んでいる訳では無いだろう。それを考えると人前でレベル上げをすると勇者軍の誰かが突っ掛かって来る可能性も高い


「どうするべきか……」

 ほとぼりが冷めるまで空島から出ない。むしろ勇者軍の人が居ても関係無いとフグメタ狩りをする。フォーシアスから離れて誰も居ない様な所でレベル上げをする。選択肢としてはこのくらいだろうか?


「あ、そうだ」

 ジャーキーもそろそろ無くなりそうだし、新しい保存食を作ってからレベル上げをする方が良いか。もう一度空島に戻るか……二度手間になってしまったな?


「せっかくだし、アストライトの方を確認しに行くか」

 中継地点としてアストライトの泉を使っているだけになっているし、たまにはちゃんと顔を出すべきだろう。それに今は下手に何処か分からない所に行くよりもアストライトの森とか見て回った方が人と出会う確率が低いんじゃないかな




「出来ればアトラさんが居れば良いんだけど……居るかな?」

 居たら御の字。居なかったら……まぁ他の人でも問題無いか


 住民の誰が居ても良い。とりあえずレベル上げというよりも、話をする為に来たと言った方が良いのかもしれない

「おっ、ハチ!丁度良い所に来たな」

「アトラさん、それはこっちのセリフですね」

「おいおい、見ない間に随分とまぁ……とんでもない事になってるじゃないか。えぇ?」

 そういえばアトラさんは称号とか覚えている技とかお見通しなんだっけ。そりゃあ見たらビックリもするか……


「冒険してたら色んなのと関わりましてね?」

「関わりがトンデモ無いんだよ……それよりハチ。ちょっとマズい事になった」

「マズい事?いったい何が……」

 アトラさんがマズい事になったと言うのならかなり危ないのでは?


「街から調査隊が派遣された。このままだとアストライトが見つかる。ハチみたいに理解のある人間ならば問題無いが、大抵の人間は魔物を見れば身を守る為に攻撃してくるだろう」

「え?」

 調査隊が街から派遣?アストライトが見つかる?それって今までで一番危険な状態じゃないか!


「調査隊を攻撃すれば一時的に止める事は可能だが、確実に何かあると余計に大量の調査隊が来るかもしれぬ。昔は旅人の集団とやりあったが、あの時も何度も何度も来られて中々大変だった……それに旅人に今度は異界の勇者まで調査に来るとなると流石に無傷とはいかんだろう。アストライトも破壊されるかもしれん」

 何も手出ししないのが一番バレない方法かもしれないが、見つかりそうになってこっちから攻撃を仕掛けたら確実に何かがあると更に大戦力を回される。そうなったらアストライトがバレるのは時間の問題だ


「猶予はどのくらいありそうなの?」

「どうだろうな……3日で来るのか1週間で来るのか、いずれにせよ割とすぐ来る可能性が高い」

 猶予はほとんど無し。魔物と喋れる人じゃ無ければ間違いなくアストライトに居る皆は攻撃対象だろう。まさかこんな危険な状況になっているとは思わなかった。異界の勇者……多分コイツが来たせいで何らかのトリガーになってアストライトに向かって調査隊が派遣される事になったんだろう。もし、異界の勇者がイベントに出てきたアイツなら……間違いなく魔物の声なんて聞かないで問答無用で斬りかかってくるだろう。そんな事になったら姫様とかが殺される未来が見える


「村の皆は逃がそうとしてるんだが、この村を捨てる訳にはいかないと誰も指示に従ってくれなくてな……」

「ヘックスさんとピュアルさんとか、ヴァイア様もまだここに居るの?」

 アトラさんと同じくらい強いだろうヘックスさん達とヴァイア様。アルファン山の山頂と魔石洞窟の奥に元々居たけど、そこに帰っているのだろうか


「アイツらももう、この村の住人だから戦わなければならなくなったら戦うと言ってヘックスの家で今の所皆集まっている」

 危険な状況だな……調査隊とかいう面倒事を引き起こしそうな集団が迫って来ているのなら何とかその集団を回避しないと……あぁ、これはひょっとして僕はなるべくしてあの悪魔と友好的な関係になったのかもしれない


「アトラさん。1つ聞かせてください」

「なんだ?」

「アトラさんにとって村とは何ですか?その場所が重要か、それとも住民が重要か。そこを聞かせてくれませんか?」

 アストライトの土地が重要なのか、アストライトの住民が大事なのか。それ次第で対応はかなり変わる


「つまり犠牲を出してでも村を守るか、村を捨ててでも皆で生き残るか。その2択を儂に聞いているのか」

「はい、アトラさんにとって重要な選択です。僕はどっちを選んでも協力します」

 村の未来は村長であるアトラさんが決めなければならない。戦いを選ぶなら僕もアトラさん達に協力して戦闘に参加するし、逃げる事を選ぶなら戦闘にならない様に安全地帯まで皆を送る


「これはすでに儂一人で決められる問題では無いな。村長ではあるが、皆の意見を聞かん訳にもいくまい。それを聞いてからでも決めても構わんだろう?」

「それはもちろんです。村ごと引っ越ししたいとかでも良いですよ」

「冗談を言っている場合ではない。早く皆の下に行くぞ」

「ぐえっ」

 アトラさんに顎で掬いあげられて背中に乗せられる。そのままヘックスさんの家まで連行された



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― 新着の感想 ―
[一言] やはり村ハチは安心感あるな~
[一言] >「おいおい、見ない間に随分とまぁ……とんでもない事になってるじゃないか。えぇ?」 >そういえばアトラさんは称号とか覚えている技とかお見通しなんだっけ。そりゃあ見たらビックリもするか…… …
[一言]  うーん、まだ予定だけど空島に大冥界門と教会とアストライトが出来るわけか、これにはバルミュラ様も苦笑い(アビス様とニャラ様は抱腹絶倒してる)
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