教会として
「あら、ハチさん。来てたんですね?」
「ようこそ…ハチさん」
「あ、ミリアさんとメリアさん。お久しぶりです。モニクの仕事の邪魔をして申し訳ありません。話も今終わったんでこれ以上お邪魔にならない様に帰りますね」
ミリアさんとメリアさんがやって来た。モニクの掃除とかを結構邪魔している気がするので帰ろう
「いえいえ、邪魔とは思ってませんよ。お茶の1杯くらい出させてください」
「イアが…良い茶葉を…用意してくれます」
「茶葉を、用意、しますよ?」
すらすら喋る悪魔のモニクと教会の付喪神的なミリアさん。たどたどしい喋り方のドリアードのイアさんと幽霊聖女のメリアさん。こういう組み合わせもあるのか……
「じゃあ、1杯だけ貰います」
そこに男の僕がシスター服を着る事で異色のシスター5が完成だ。まぁそれをしたことで何が変わるって事も無いけど……
「皆で飲みましょう」
あれ?そういえば幽体が2人居るけどそれは大丈夫なのかな?
「わぁお……ドリアードって凄い」
半透明の葉。何と言うか幽体の葉っぱみたいな物を見せてくれて、それを茶葉にしたお茶みたいな物を出していた。木で出来た何かオシャレなティーカップもミリアさんとメリアさんが掴めている時点でただの木のティーカップでは無い。霊体でも触れられる物の時点で特別だ。ドリアードのイアさんが居る事で最初はモニクの食料が確保出来るから良いと思っていたけど、どうやらミリアさんメリアさんの2人もその恩恵を得られる様になったみたいだ
「これも…ハチさんの…お陰です」
「シスターイアが居るから教会は今まで以上に丈夫で壊れにくくなり、シスターモニクが掃除をしっかりしてくれるので清潔が保たれています。ここまで綺麗に、そして立派な教会であればもう誰にもオンボロ教会とは言わせません」
多分誰もオンボロ教会とは言ってないと思う
「でも…少し…残念です」
「何が残念なんでしょう。おっ、お茶美味い」
飲まないのも勿体無いから一口飲んでみたら苦くなく、口の中がミントのようなスッキリ感に包まれる。けどスースーはせず、茶葉の甘みがほんのり感じられる。この茶葉ちょっと欲しいかも
「ふふっ…せっかくこれだけ…優秀な人材が居るのに…中々人が来ないので…」
「あー……皆的には人がたくさん来てくれた方が嬉しいですか?」
どうしてもここは場所が場所だから人が来ないという弊害がある。確かに実践経験を積まないとモニクが成長出来ないな……
「今の感じが落ち着いているから良いとは思うけど……」
ミリアさんは教会の付喪神的な存在だけど、今の状態なら正直な所、ただの家で集まっているのと何も変わらないのかもしれない。そうなるとちょっと複雑な気分かな?
「経験が無いに等しいのでシスターとしてどのくらい出来るのかやってみたいとは思いますね」
モニクは意欲的だ。まぁやれば出来ると僕が示したから頑張りたいんだろう
「よく、分からないから、皆次第?」
まぁイアさんはそうだろうな……
「そろそろ…教会として…役目を果たす…時なのかも…しれません」
メリアさんはやっぱり教会に人が来るのには肯定的みたいだな。まだ経験は無いにしても優秀な人材は揃ってるからシスターとしてやらせてあげたいのかもしれない。ただ重大な問題が1つある
「とりあえず人が来てくれると良いけど、ここじゃ人がまず来ないですよね……お引越しするにしてもミリアさんとメリアさんが……あっ、イアさんもダメか」
付喪神、幽霊、聖樹のドリアード……3人ともここを動けない理由がある。動けるのは悪魔だけ……この状態で教会から引っ越しさせるなんて事は無理だ
「うーん、教会に人を案内したくても今はちょっと難しいよな……」
流石に見ず知らずの人を教会に案内するのは気が引けるし、多分僕は今、色んな人から追われている様な状態だ。その状態で人を連れて行くというのはあまりやりたくない
「あ、そういえばあの話って本当なのかな?」
もういっその事、教会ごと引っ越し出来ないかと思った時に1人。建物でも街でも運んでやると言ったセーレさんの言葉を思い出した。本当にそんな事が可能なのであれば……この教会をもう少し発見しやすい場所に引っ越しさせる事が出来るんじゃないか?
「あの、提案なんだけどさ?もし、教会ごと引っ越し出来るとしたらその時に悪魔の力を借りるって教会的にはどうなのか気になるんだけど、メリアさん。こういう場合に悪魔の力を借りるのはアリ?ナシ?」
教会ごと引っ越しをするなら悪魔の力を借りるのはどうなのか聞いておきたい
「それは…難しいお話…ですね…」
やっぱりモニクみたいな存在じゃない普通の悪魔は相当に警戒されているみたいだな。まぁ自分達の家であり仕事場を誰とも知らない悪魔に預けるのは確かにかなりリスクが高い。教会という存在そのものに恨みでもあったら引っ越しする途中で教会を破壊される可能性すらあると考えると見ず知らずの悪魔に頼るのは中々出来ない事だな……
「師匠?それって悪魔を呼び出して教会を運ばせるって事ですか?」
「一応そのつもりだったんだけど……」
「それならしっかりその悪魔と契約を結んでおけば相手は契約を破れないので安全に引っ越し出来るかと思います!」
悪魔の豆知識をモニクが教えてくれた。悪魔が信用ならないなら契約で縛ってしまえという事か。流石悪魔知識に関してはここの誰よりも持っている悪魔だ




