ハチ君PV パート2
「パート2はどうなってるんだ?」
まさかのパート2に驚きながら早速再生してみる
「君で最後かな?あはは!」
「このっ!道連れだ!【ウォータースフィア】!」
「!?」
「ゴボッ!?ゴバッ……」
【身代わり】を使って水の球から離脱したシーン
「【ブレイブスラッシュ】!」
「グワァ……ヤラレタァ」
吹き飛ばされて影に沈みながら親指を立てるクロクマ
「あぁ、そんな!」
腹にざっくりと刺さった剣と複雑な表情をしている天使。そして地割れに落下する軍人……だけどちゃっかり地割れの壁に張り付いて生き残っている所まで映されている
「復讐は既に終わり、もう思い残す事はありません。未来は貴方達に託します【聖域展開】」
「私はしっかり、遠くで見守っていますから……」
姿隠しの一滴で姿が完全透明になっているハズだけど半透明で何処に居るか分かる様になっている。これが編集の力か……
『あ、施設の爆破お願いします』
『了解。やってくるぜ』
『仕方ないわね』
『これでほぼ決まりですね』
『今です!』
そしてしっかりメッセージ内容も公開されている。映像がワイバーンの背から飛び降りる皆に移り、拠点を爆破していくシーン……完全にこのPVはネタバラシ用だな?
「では最終日にまた会いましょう」
「こんなバカにされて!」
「なっ!?」
「私を倒したいのなら城の奥で待っていますよ?ではさようなら。勇者諸君」
白ローブで城の中から出てくる【イリュジオ】の僕。勿論攻撃が当たる訳が無い
「ぷくくっ!勇者諸君って!ぷふっ!」
「ちょっと!?キリエさん笑わないで下さいよ!?」
戻ったところでキリエさんに笑われる所もしっかりPVで使われている
そこから1日経つまで城の全体像を映しながら早回しにされるが、その映像の中に一瞬だけ天使さんの姿が映っていた。その映像が終わると突入していく勇者軍と共にカメラが城の中に入っていく。他の戦闘シーンが軽く流されて奥の僕の所まで進む。ここは魔王軍PVと逆っぽいな?
「ゲヘちゃんヨシ!魔王感ヨシ!アップもヨシ!とにかくこれで全部ヨシ!」
ここを映されると威厳も何もあった物では無い。勇者達が来るまで体操とかして体をほぐしていて、そろそろ勇者達が来るという場面になって玉座にだらけて座る状態になり、勇者達を出迎える
「あ、やっと来ましたか。あまりにも遅いから来ないのかと待ちくたびれてしまいましたよ?」
挑発をして戦闘を開始。多人数を相手に【アビスフォーム】を使いながら戦闘する場面はやっぱり人によっては怖いだろうなぁ
「いきなり危なっかしい攻撃してきますね?」
おっとこのシーンは……
「なっ!?いつの間に!?」
「うぐっ……」
「えーっと、確か貴方は……レイカさんでしたか?少々口が悪い事は覚えていますよ」
レイカさんを拘束して盾にしながら会話するだな。悪いレイカさん。ここは絶対PVに使われると思ってたよ
「こうしておけばより淑女らしいですよ?さて、勇者の方々はこの状況をどうするのか。見せていただきましょうか」
「ひゅー外道魔王様」
キリエさんの煽りもしっかり入ってる
「くっ、クソ野郎が……」
「……一応姫として扱ってるんですがねぇ?」
「えっ?」
「どうせなら囚われの身として何か言ってもらえますか?」
「いや、その……急に姫とか……た、助けてー!」
「「「何だアレ……」」」
この変わり身である
「おい!いつものきったねぇ口調はどうした!?」
「そんなしおらしくしてどうしたんだ!?いつもの汚い口調は何処に!?」
「レイカさん、そんな綺麗な状態に……」
そしてこの言われよう……
「おめぇらぶっ殺すわよ!」
「「「そうそれ!」」」
そうそれ!って言われるのが悲しい所だなぁ
「どうやら姫として扱われていない様なので、あなたの事は解放します。仕切り直しですね。次は首がくっ付いた状態で拘束されるとは思わない事です」
手を離して仕切り直したけど、まぁ本戦闘前の余興だったな?
「では改めて始めましょうか。今度はこちらから仕掛けますよ?」
そこから戦闘シーン……というより虐殺シーンが始まった。ランタンを使って誘導してゲヘちゃんパンチや僕の触手でスパッと行ったり……そしてガチ宮さんを無駄死にさせたり、【深淵の一撃】による雨の全体攻撃でドンドン赤ポリゴンになっていく勇者軍やバッサリ上半身と下半身に分かれるジェイドさんなど、断面は見えない様に編集されて勇者軍がやられていくシーンが流れる。うん、悪魔だなんだと言われても仕方が無いね?
「よし、勝った」
あっさりした勝利宣言。ここから先は勇者軍としてはショックだよなぁ……ここは公開しないと思ってた
「指揮官!次はいったい何をするおつもりで?」
「最後の演出ですよ」
「どんな演出ですか?」
「勇者軍の勝利って奴の演出ですよ」
このPVが勇者軍にバレたら僕はもの凄い恨まれるんじゃないだろうか?
「最後まで楽しませてこそのエンターテインメント。僕達のショーで途中退出はさせませんよ」
うぉぉぉ……これ公開されるのめっちゃ恥ずかしい
「あんなので終わり?そんな事誰も納得出来ませんよねぇ?」
「私がこの世界を救済するのか、貴方達が救うのか。どちらにしてもこれで終わりです」
どうしてこんなに恥ずかしい奴連続で出すんだよぉ!あの時はノリノリだったけど今にしてみればこれ滅茶苦茶恥ずかしい……
「勇者共よ!見ているだけか!?立ち上がる者は居ないのか!誰も立ち上がらなければ貴様ら全員には死をくれてやろう」
「貴方達は、まだ負けてない」
恥ずかしさでPVを直視するのも辛くなってきた辺りでバルミュラ様が登場だ
「あっ!あそこ!」
「なんか……飛んでる?」
「女神様……か?」
やっぱりこのタイミングまでバルミュラ様を隠し続ける事が出来たから自然に女神様として受け入れさせる事が出来たな。もし、敵の偵察を見逃してバルミュラ様の存在が先にバレていたらこの作戦も取れなかったし、本当にこんな綱渡りみたいな作戦よくやれたものだ
「味な真似を!」
「残り時間はわずか!敵は強大!だが我々にも最後のチャンスがやってきた!全員で協力してラスボスを討伐する!」
「約束通り、流石バルミュラ様」
敵とのやり取りの後、小さく言った言葉もしっかり拾ってる
「たかが空を飛べたくらいで勝てるとでも思っているのかァ!」
「勇者なんでしょう?だったら救ってみてくださいよぉ!世界って奴をさぁ!?」
恥ずかしさのハッピーセットみたいな編集の仕方やめてください……
そこから勇者軍の【リンケージビーム】を発射するくだりになり……
「あー、面白かっ……」
僕とゲヘちゃんが撃たれるシーン。だけど僕は【光子化】によって光の粒になって城に撤退している途中で、カメラが地面スレスレから空の砂時計と僕を映して【パフォムエフェクター】によって砂時計を隠す所が映されている。僕のやった事は殆どPVによってバラされてるな……
「なんでエンドロールまで付いてるんだ……」
僕のPVだけエンドロールが付いていた。ほとんど僕の名前しかないエンドロールに勇者軍の料理と僕が作った料理の比較映像とか、泥団子を作っている所など、バルミュラ様を看病しているシーンも映っていた
「なんか僕のだけ力入り過ぎじゃない?」
確かにPVを作らせてほしいと言われたけどここまでしっかり作り込んでくるとは思わなかったなぁ……
「で、これがもう公開されてしまったと……」
これは島から出たらマジで面倒事になりそうだぞ?