表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
507/1999

お使い終了

「その力……一度、解除して、くれませんか?」

「あ、そうでしたね。これで良いですか?」

【狂気圧】を解除してルクレシアさんの拘束を弱める


「いったいさっきのはどういう意味なんですか?」

「どうって……?」

「元居た所に帰るって……」

「言葉通りだよ。僕は元々ここに居るべき人間じゃ無いからね。元居た場所に帰る為にこんな事をやってるんだ」

 ルクレシアさんの拘束を完全に解き、図書館を出る。外に出て、写本を空に掲げれば……


「これで書き直しだね」

 図書館の外で写本を掲げたら、写本に向かって空から黒い触手が伸びてきた。伸びてきたその触手の先にはペンが握られていた所を見るにあの触手はニャラ様の触手だな?


「貴方は本当に……何者なんですか?あの後貴方が使った力について本の内容を片っ端から思い出してようやく1つ思い当たる物を見つけました」

 なんだろう?その思い当たる物がそんなに思い出せないレベルの物だったんだろうか?


「恐怖の魔眼。見られた者は恐怖に陥ってしまうという……魔人が持つという特殊な眼の力。貴方は本当に何者なんですか?」

「何か勘違いしてるみたいだけど、別にあれは魔眼の力とかじゃ無いよ?」

 どんな人が使うのかと思ったらまさかの人じゃ無かった……そのせいで僕が人間かどうか分からないみたいな事を言っていたのか


「まぁ普通の人かと言われたらもう違うとか言われるかもしれないけど、こっちはこっちで色々頑張ったお陰で色んな事が出来る様になったんだよ」

 ベルトパワーとかもう一度見せてもよかったけど、今は本の書き直し中。下手に動くと書き間違えたとか言われそうだ


「だとしても異常です。恐怖を付与する魔法は結構大変なんですよ?」

「魔法じゃなくてスキルだしなぁ……」

 魔法で恐怖のデバフを付けるのは結構難しいのか


「まぁ、もうこの学園には来ないだろうし、怖がらせちゃったのも謝ります。何かあるなら聞きますよ」

 ニャラ様に依頼された事はこれで終わりだろう。強制されるクエストが長いのは中々無いだろうし、早く終わらせたことで何か変化が起きるかもしれない


「もう来ない……それは休学という訳では無く、退学するって事なのですか?」

「んー、そう言われると断言はできないかも?ただ元の場所に戻った後でここに来る手段が分からなければもう2度とここには来ないね」

 行きたい行きたくないの問題ではなく、行けるかどうか分からない。この一番大きい問題を解決しないとこの学園にまた来る事は不可能だろう。そもそも、ここに来たからと言って僕が攻撃魔法を使える訳では無いので、来る理由が無いのだけど……


「でも!」

「元々出会う事も無かったはずの相手だし、僕の事は忘れてください……って言っても瞬間記憶で覚えちゃってるんでしたっけ?」

「そうです!貴方みたいな人は特に忘れられません!」

「じゃあそういう人間が居たって覚えておいてください。ルクレシアさんが覚えていたらその内ふらっとこの学園にまた来る事が出来るかもしれません」

 この学園にまた来たいか、来たくないかで答えるのならまた来たい。本もそうだけどまだしっかり探索出来ていない所が多すぎる。それを考えたらまたここには本格的探索の為にも来たい


「どうやら書き直しも終わったみたいですし、この本はルクレシアさんに返します。これから魔戦会が始まってまた禁書を狙う不届き者が出てくるかもしれないので気を付けてください」

「本当に……書き直しに来ただけなんですか?中を読んだりはしないんですか?」

「だから書き直しに来ただけって最初から言ってるんですけどねぇ……別にこれは読みたいとは思わないので中身はどうでも良いです」

 ニャラ様が書き直したばかりの読んだらSAN値減りそうな本とか読みたくないよ……


「あっそうだ。これを、えーっと……何か男の先生に渡してください」

 そういえばあの信奉者先生の名前全く聞いてなかった。手紙残しておいてくれみたいな事を言ってたからとりあえず『役目終わったんで帰ります』とだけ書いた紙をルクレシアさんに渡す


「え?どの先生に渡せば良いんですか!?」

「そこは……フィーリングで?あ、もう時間みたいですね。さよーならー」

 空から伸びていたペンを持った触手が僕を捕らえてそのまま空に連れて行かれる。この体が破裂しそうになるくらいの締め付け方は……やっぱりニャラ様だなぁ


「えぇぇ!?」

 もの凄く驚いているルクレシアさん。こういう驚き顔を見てニャラ様も楽しんでるんだろうなぁ?


「結局ここはどういう扱いの場所なんだろう?」

 触手で空に連れ去られている間にも考えてみる。この魔法学園はイベントフィールドなのか、それともアルテア大陸の何処かなのか、はたまた大陸外の何処かなのか……イベントフィールドだともう一度来るのはほぼ不可能。あとアルテア大陸とは別の大陸にある場合も大陸から離れられる程の移動能力は持ち合わせていないから不可能。でも予想としてはまだ移動する事が可能な距離にあの学園はある気がする。僕があえて出会わなかった同室になる予定だったはずのユリエール・フォン・ファステリアス。ファステリアスというのが引っかかった。多分ファステリアス王国の関係者だと思う。だからこそファステリアスの人間が行ける場所なら僕でもまた行けるんじゃないかな?


「よーし!絶対また来てやるぞ。マジナリア魔法学園!」

 まぁカッコつけた所で触手で簀巻きにされて空に運ばれてる最中なんですけどね?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ニャルラトホテプの略称は普通ニャル様だけどそれじゃ無くてじゃなくてニャラ様なんやなー……謎
[一言] 学園は魔法至上主義。 中でも彼女は知識至上主義。 今回のことでちょっとは本以外にも目を向けるといいねえ。
[一言] 再訪の為には同室になるのが近道だったようだね。 まあ、その場合は長い間拘束されていただろうね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ