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突然変異種

「ただいまー」

「おうハチ!丁度良い所に」

「ぽよっ!」

 村に戻るとドナークさんとちのりんが居た。何してるのかな?


「フロッカウの肉食べるか?」

 少し大きめの草に包まれたお肉を渡してきたドナークさん


「血抜きはしてあるし、味付けは塩と胡椒だぞ」

「ドナークさんがお肉を渡してくるだって……!?」

「おいどういう意味だそりゃ!?」

 だってこの前の兎肉ステーキ独り占めにしてたじゃん……


「ぽよっ!ぽよぽよっ!」

 ちのりんが近寄って来たからとりあえず撫でておく。血抜きは多分ちのりんがやったと思うからね


「だってこの前めっちゃ兎肉のステーキ独り占めしてたし……」

「うっ……」

 その時の記憶が甦っているのか若干嫌な顔をするドナークさん。あの時はデリカシー無い事言っちゃったから僕も良くなかった


「とにかく!これはハチが取って来たんだから喰え!」

 包みを受け取って内容を見てみる


『フロッカウステーキ とても噛み応えがあって長く味わえるステーキ 空腹度20%回復』


「ありがとう。じゃあちょっとここで食べさせてもらうね?」

 木の実は食べてきたけど流石に空腹度が全回復するまで食べた訳じゃ無いのでこのお肉は素直にありがたい


「あーむっ、もぐもぐ……」

 弾力が凄い。打撃耐性があったからこれだけの噛み応えがあるのかなぁ?味はカエル肉だからと侮っていたけどお肉の味は完全に牛だ。これ結構好きかもしれない……


「これ美味しいね?弾力があるから食べきるのに結構顎にくるけど……まさか?」

「ふーふふー!」

 必死に吹けてない口笛を吹いて誤魔化しているドナークさん。顎が疲れるまで食べていたのかな?


「あ、ドナークさん。温かそうなの獲ってきました」

「おっ!見せてくれ!」

 話題を変える為に取って来た獲物の話をする。ドナークさんも助かったとばかりに話に食い付く


「これなんですけど……」

 そう言って背中に触れて泡沫バッグを出し、口を開く。ボードが出てきてあのシロクマの名前が分かる


『アルビノグラットベアの死体』


 へぇ、そんな名前だったのか。とりあえずこれを渡そう


「はい」

「うおっ!?デカッ!?」

 ドスンと音を立てて地面に横たわるアルビノグラットベアの死体。ホントよくこんなデカいの倒せたなぁ……


「なんだコイツ?見た事無い顔だな?」

「あぁそれ僕が鼻を陥没させちゃったみたいで……アルビノグラットベアって名前みたいです」

「グラットベアのアルビノ!?」

「ぽよっ!?」

 驚いているドナークさんとちのりん


「そんなレアな奴があの山に居たのか……ハチ。これをバッグに戻して私の家まで運んでくれないか?流石にコイツは私でも運べないぞ……」

「ぽよっ!」

 そんな時に僕たちの間に居たちのりんが声を上げる。アルビノグラットベアの下に入り込み、その体をゆっくりと持ち上げる。オーガと戦った時に最後にぶん投げてもらったけどこれだけ重そうなアルビノ……シロクマを運ぶってやっぱちのりんの筋力すごいな?


「おぉ!さっすが!」

「ぽよぽっぽよぽよぽよ?」

「はいはい、分かってるって」

 何となくだけど「血はちゃんと分けてよ?」って言ってる気がした。それが手伝ったお礼って事かな?


 ちのりんがシロクマを持ち上げてドナークさんの家に向かっているのを後ろから付いて行く形で進む。その間にグラットベアについて聞く


「まずはグラットベアってどういう奴なんですか?」

「グラットベアは基本雑食で何でも喰っちまう。それで良く食った奴は体がデカくなる。そういえば戦っている時に何か口から出して攻撃してこなかったか?」

「あぁ……氷柱をめっちゃ飛ばしてきましたね」

 すっごい弾幕だった


「グラットベアは基本険しい環境の所に居るんだが、喰った物で出してくる攻撃が変わるんだ。火山だと火球とか出してきたと思うぞ?」

 中々凄い熊だった。環境適応力が高いのなら寒さにも強そうだ


「アルビノって……やっぱり珍しいんですか?」

「あぁ、滅多に出会える相手じゃない。突然変異した奴は攻撃が激化したり、体力が異様に高かったりと他の個体とは別物だよ。まぁアルビノの様な色が抜けただけなら私達程強くはならないがな!」

「あっそういえばここに居る皆も普通の個体とは違うんだっけ?」

 通常の種とは違う突然変異種がこの村に住んでいる。種族名からして普通の種じゃないだろうなぁって思ってたけどもう普通にスルーしちゃってた


「そうだ。エキドナは炎を操る種だったが、私は水が操れる突然変異種のエキドナ・アクエリアだ」

 他の皆も何か普通と違う所があるんだろう


「まぁそういう人が集まったのがこの村なんだろうね。ところでアルビノだと防具に良くないとかある?」

「何言ってるんだ?アルビノなんてレアな物使って作るんだから良い物を作れるに決まってるだろ」

「じゃあドナークさんが良い物作ってくれるって期待しちゃっても良いのかな?」

「あぁ、任せとけ!」

 情報収集と雑談などもしながらドナークさんの家に辿り着いた


「僕、今から寝ちゃうんだけど何かやっておいた方が良い事とかある?」

「ん?じゃあここで寝て行ってくれ。採寸とか寝てる間にしちまうから。出来るだけ早く作ってやるつもりだけどまぁ気長に待っててくれ」

「分かった。じゃあこの椅子使わせてもらうね」

 椅子に座り、ログアウトする。今日のプレイはここまでだけど、ドナークさんがどんな物作るのか楽しみだなぁ



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