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第二イベント終結

「こんな所でやられるかぁ!」

 ゲヘちゃんの両手を前に構えてビームを受け止める様にする。間違いなく受け止め切れるものでは無い


「ゲヘちゃん。ごめんね?こんな役回りをさせてしまって」

「ハチサン、オキニナサラズニ」

「僕も覚悟は出来てる。ゲヘちゃん。最後の頼みだ」

「ナンデショウ」

「僕と一緒に死んでくれるかな?」

「……イイトモ!」

 こんな事は最後にしたい。やっぱり仲間に死んでくれって言うのはかなり心が痛い


「「ウォォォォォォ!」」

 両手にビームが直撃する。簡単にゲヘちゃんの手が溶けていく……やはり威力がとんでもないな?


「あー、面白かっ……」

 光に呑み込まれ、ゲヘちゃんの上半身と背後にあった城の上側がビームによって吹き飛ばされた




「った……やったぞ!」

「よっしゃぁ!勝ったぞぉ!」

「あんな訳わからん化け物相手に何とかなるとか……やっぱ正義は勝つって奴かぁ?」

「皆で勝ち取った勝利って奴だな!」

「協力して強敵を倒す……こりゃあPVもカッコイイ物になるぜ?」

 ハチ君が搭乗したゲヘちゃんを倒した事で今までにないくらい盛り上がっている勇者軍


「……よくやってくれた。勇者達よ」

 そしてその場に現れる神々しい光を放つ女性が一人。現れた


「これで世界は平和になる。平和の為に死力を尽くして戦ってくれた事に……感謝する」

 所々言葉が詰まっているが、光を放つ美しい女性が現れたとなれば、思う事は1つ


「やっぱり女神様か?」

 ラスボスを倒したと思っているこのタイミングでの神々しい女性の登場にほとんどの人はそう思うだろう


「あの砂時計も無くなってるし、完全に俺達の勝ちだな!」

 空を見上げても砂時計が無くなっているので、完全に勝利した……と思っているんだろう。実際は【光子化】したハチ君が形状を崩して移動しながら【パフォムエフェクター】を使って空と同じ色合いにして砂時計を覆い隠しているだけだが……


「君達はよく頑張った。おめでとう……世界の管理者としてあの存在を止める事は出来なかったが、君達の頑張りでなんとか今回のピンチを脱する事が出来た」

「いやいや、勇者軍として当然の事をしたまでです」

「魔王の1人や2人くらい軽い軽い!」

「なんだよ、女神様とか居るならもうちょい早く出してくれよなぁ?」

 拙いながらも何とかハチとの約束である女神風の演技をするバルミュラは正直勇者軍の人達は全然気に入らないが、『何にも知らない相手と全て知っている自分』という立場の違いで多少の無礼も特に何も思わなかった。むしろこういう状態をハチ達は楽しんでいたんだと思い、口から小さく笑みが零れる


「君達にも礼をしなければならないが、私も早く戻らなければならない。礼に関しては後ででも構わないか?」

「はい、構いませんよ!」

「うぉぉぉイベント報酬何かなぁ!」

「報酬も気になるけどPVよ!どんな出来になるかも楽しみだなぁ……」

 勇者軍は魔王が討伐出来たと完全に油断している。ここで全員首を刎ねる事も出来るが、ハチとの約束の為に見逃して、一度城に帰る事にする。因みに既に世界征服の魔法はいつでも発動出来る状態になっている


「では改めて勇者諸君。世界の平和の為に立ち上がってくれて感謝するぞ」

 管理者になった事で自由に空を飛ぶなんて事は余裕だ。体中に光の粒の映像を付けられて空に登って行くのは中々綺麗に見えるだろう。すべてはハチの計画だが


「争いもこれで終わりだ」

右手を天に突き上げて、指を鳴らす。それと同時にワープで城に戻ればしっかりと役目を果たせる




「本当にこれで終わりだな」

「ええ、我々の勝利です」

急いで城に戻ってバルミュラ様の無事も確認出来た。本当にこれで魔王軍の勝利だ


『イベントエリア全域がセーフティエリアに変更されました。イベント終了です』

 世界の平和……つまり戦える場所を争いを起こせないセーフティエリアに塗り替えて強制的に戦闘出来なくさせる……それが世界の管理者としての能力なのか。オーブさんとか、ウカタマみたいに世界に干渉(プラクティスゾーン、作物に関する時間操作)が出来るレベルのNPCにバルミュラ様は格上げされたという事なのだろう。もしかしてセーフティエリアに関する超重要なNPCが今生まれたんじゃ無いのか?





「これで我々の完全勝利だ」

「「「「「よっしゃぁ!」」」」」

 圧倒的人数差をひっくり返す為に張られた数々の罠や智謀。敵の懐に入り全てを破壊する行動力、そして味方をも騙す演技。そんな一人の指揮官の存在が無ければここまで上手く行かなかっただろう


「ハチ、前に出るのだ」

「はい、なんでしょう?」

「ハチのお陰だ。ここまで上手く行ったのは君が居たからだ。何か欲しい物があれば遠慮なく言って欲しい。用意出来る物なら全て用意しよう」

 少し入れ込んでしまっても仕方のない事だ


「私一人のみが褒章を受けるのは間違っています。ここに居る全ての者。異界の戦士、眷属、そしてバルミュラ様自身。全員で勝ち取った勝利です。ですので、そういった褒美を頂けるのでしたら私は貰えなくても構わないので皆に褒章を」

 まだ演技をしているのか、それとも素なのか。どちらにしても仲間想いであるのは間違いない。本当にハチがこちら側に入ってくれた事に感謝しなければ



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― 新着の感想 ―
ゲヘちゃん流石に生き返って欲しいな
読み返してみるとお膳立てしまくってちょいちょいバレない程度に手抜いて勇者軍勝たせてるのでなんか勇者軍が可哀想に思えちゃった笑
はあ、何回読んでもいいなぁ
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