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延長戦

「ところでその姿はいったい?」

「僕の切り札ですよ。大勢の人の前で見せたのはこれが初めてです」

「美しい……」

 その反応は初めてかも


「まぁ僕も男なんで、ドクターに美しいって言われても困っちゃうんですけどね?」

「あはは、でも、これが本当に最後の戦いなんですね?」

「はい、最後ですね。戦いかどうかと聞かれたら少し違う気がしますが」

「戦いですらないんですね……」

やる事は戦闘じゃなくてただの演出だからね


「ゲヘちゃん」

「ナンデショウ?」

「おっと!?」

 ヌッとゲヘちゃんの頭が影の中から現れる。ドクターが急に出てきたゲヘちゃんにぶつかりそうになったけど、まぁ敵も居ないし別に良い


「ゲヘちゃん。いよいよこれが最後だよ。僕がゲヘちゃんに乗って一緒に戦うから最後は一緒にやられて欲しいんだ。ごめん……こんなお願いをしちゃって」

 撃って良いのは撃たれる覚悟のある奴だけよろしく最後にやられる計画を立てる。ゲヘちゃんが犠牲になってしまう事がこの計画の悪い点だ。ならせめて僕も一緒にいかねば無責任だ


「オキニナサラズニ、コレデオヤクニタテルナラ」

「ゲヘちゃん……うん、最後まで絶対に離れないから」

「ソレナラ、コウイウノハドウデショウカ?」

「これは……」

 ゲヘちゃんが提案した物が赤い瞳の光で地面に映し出される。1人をゲヘちゃんの胸部の部分に収納できるようになっているって……これコクピットでは?


「これ!これで行こうゲヘちゃん!出来れば相手の見ている目の前でやろう!」

 相手の目の前でゲヘちゃんに乗り込めばもう絶対に相手は見逃せない。最後のボス戦は巨大ボスが相手だという自然な流れに持ち込める


「後は運営が何とかしてくれると信じよう」

 お膳立ては考えた。あとはもう全て流れに身を任せよう。最後の決戦(演出)を始めよう




「くそっ!【怖気】が付いて敵の城に近付けねぇ……」

「こっちもだ」

「気持ちで完全に負けちまった……」

 勇者が敗北して、自分達の城の方にリスポーンし、前線に持ち運ばれた教会側で復活したプレイヤー達はほとんど全員絶望していた。残り時間は短いのに勇者は自陣の城まで戻されて、自分達は【怖気】で敵の城に進軍出来ない。攻められない歯痒さと、もうあんな所に行かずに済む安堵が入り混じる何とも重苦しい雰囲気。だが、そんな雰囲気を破壊する情報が入ってきた


「敵の魔王が城から出てきた!」

「「「「「何!?」」」」」

 勝利条件だけを考えたのなら絶対に城の中に居た方が安全なのにも関わらず、敵の魔王が外に出てきた。例の二つの塔……改め、黒い巨人の掌に立っている


「あんなので終わり?そんな事誰も納得出来ませんよねぇ?」

 あの真っ黒な化け物になった敵の魔王。事前情報も何も無しであんな形態変化するボスとの戦闘は正直想定していなかった。なのに1発勝負で負けてもうこれ以上何も出来ないでイベント終了かと思ったのに魔王側からの最後のチャンスと言わんばかりのこの状況……活かさないなんてそんな勿体無い事は出来ない


「私がこの世界を救済するのか、貴方達が救うのか。どちらにしてもこれで終わりです」

 魔王がそう言い残すと、巨人の掌の上に立っていた魔王を収納するように巨人の胸部が開き、そこに魔王が乗り込んで赤いガラスの様な物が展開された


「巨人に乗り込んだ!?」

「あれロボットかよ!?」

「これが真のラスボスか!?」

 人間対化け物からの人間対巨大ロボット……このままではどうやっても勝てる未来が見えない。だけど、何か突破する方法は無いのか?


「まだだ、もっと力を!」

 魔王の乗り込んだ巨人から声が聞こえる。ただでさえ大きいのに、地面から岩とかを吸収して体が更に大きくなっていく。ランドマークのタワーよりデカいぞ!?


「勇者共よ!見ているだけか!?立ち上がる者は居ないのか!誰も立ち上がらなければ貴様ら全員には死をくれてやろう」

 そうは言っても今までで一番巨大な敵。一方こちらは施設バフも無ければ勇者もやられてしまって何も無い。こんな状況で何をどうしたら好転すると言うんだ……


「貴方達は、まだ負けてない」

 急に戦場に響く声。その声の発生元を探る


「あっ!あそこ!」

「なんか……飛んでる?」

「女神様……か?」

 そこには神々しい光を放つ女性が空中に浮いていた


「最後まで、諦めないで!必ず道は続いているから!」

「貴様何を!」

 祈る様なポーズをした後、空中でその体を光の粒に変えて、消えた。あの人はいったい……


「うおっ!?」

「なんだ!?」

「翼が生えた!?」

 空中で光になった女性を見ていたら急に背中に羽根が生えていた。それに体に力が漲る


「何かやれそうな気がしてきたぜ!」

「これがイベントラストバトルか!」

「空を飛んで戦えって事か!」

 翼を得た勇者軍が地上から飛び立ち、空中にその戦場を移す。後方支援をしていた人達も翼を得たのか前線に飛んで来ていた


「味な真似を!」

「残り時間はわずか!敵は強大!だが我々にも最後のチャンスがやってきた!全員で協力してラスボスを討伐する!」

 ジェイドさんを先頭に、翼を得た勇者軍が最後の攻勢に出る




「約束通り、流石バルミュラ様」

 上手くいった時にバルミュラ様が約束した通りに敵の強化をしてくれた


「とりあえず【パフォムエフェクター】でバルミュラ様のコピーの服を少し弄って神々しくして……あとはバルミュラ様に頼んでもっと敵にバフを掛けてもらおう。何かとびっきり凄い奴でも掛けてくれると良いな?」

勇者軍へのバフ。それもハチ君が用意したものだとは勇者軍の誰も思っていなかった


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― 新着の感想 ―
もしかしたらその内ロールプレイが一つの人格みたいになるかもしれない。
[良い点] マジか!? この男! ガチで世界を騙しに来てやがる! 力尽くですらなく八方丸く収めに来やがった!! そこに痺れる憧れるわ!! こんなん!
[一言] 森でアビスフォームを見た人 →気絶 ドクター →「美しい……」 もしや、ドクターも狂人?
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