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掴めぬ影

「ど、どうすんの?あれどうすんの!?」

「どうするって……あんな所じゃ俺の攻撃届かねぇよ!?」

「ア、アーあー……うん。喋りやすくなった。それでは一方的に殴られる痛さと怖さを教えてあげましょうか」

 天井に陣取り、【淵伝】を使って一方的に攻撃する。銃弾の類で攻撃されようとも、これだけ距離があればスローモーションに見える弾は充分に回避可能だ。スローモーション中でも体がついて来ないという事も無い


「はははっ!はははっ!あぁ思わず踊ってしまいました。皆さんは私を踊らせる事に成功しましたね?」

 天井でクルクルとターンをするだけだが、一応踊った……という事にしておいて欲しい


「何か無いのか!?アイツを落とす何かは!?」

「卑怯だぞ!降りてこーい!」

 おっとそうだった。流石にこのままだとマズいな。ボス戦で攻略に必要な物が用意されていないというのはちょっと良くない。勇者も何か頭悪そうな事言ってるし……そうだ!アレを破壊したら降りる様にしよう


「皆さんの位置が手に取るようにわかるのにこんな有利なポジションを手放す訳が無いでしょう?」

「上からじゃ俺達の位置が丸見え……そうだ!あのランタンを破壊しろ!あとは光の魔法も消すんだ!」

 軽くヒントを与えたら、光が無くなったら状況が変わると考えてくれた


「おっと、流石に暗いと分かり難いですねぇ?よっと」

 天井から跳び降りて、【ダブルジャンプ】を使用して軽く床に着地する。暗くなると降りてくるシステムにして、ゲヘちゃんも暗闇で見失って攻撃しないようにしておこう


「さて、何処に行きましたかぁ?」

 ランタンを4つ転送して、4方向に放り投げる。暗闇の中で光るランタンの灯りの中に勇者軍の人が数人見えた


「そこ」

 勇者軍の人が見えた所に指を差し、ゲヘちゃんに攻撃指示をする。ついでにランタンも一緒に破壊するようにしておけば、ボス戦らしさが出るかな?


「「「ぐはぁ!?」」」

 攻撃範囲が広いゲヘちゃんのパンチはかなり強い。だけど、そろそろゲヘちゃんは一旦影に戻そう。相手の攻撃チャンスを作らないと……


「おっと、流石にこれ以上は厳しいですね」

 ゲヘちゃんにアイコンタクトをして、影に戻ってもらう。一度ゲヘちゃんという脅威を無くす事で勇者軍に希望を持たせる


「あのデカいのが消えたぞ!時間制限が来たんじゃないのか?」

「これチャンスタイムじゃね?」

「行け行けー!」

 暗闇でも薄っすらゲヘちゃんの赤い目はグポーンと光っていたのである程度の場所は分かっていただろう。それが無くなったのだからチャンスと踏んでこっちに攻勢を掛けるだろう


「まぁ上からだと暗くなってしまうと見え難かっただけなんですがね?」

 別に【ゲッコー】の効果で昼と同じように見えている僕にそんな制限なんて無い。暗闇で見えない人には悪いけど触手でさっさと片付ける為に背後から首に一撃入れる。背後からの攻撃だからか、不意打ち効果でもあるようで悲鳴を上げる事も無く、赤ポリゴンになっていった。暗闇だから赤ポリゴンになってしまうとキルされた事に気が付かれてしまうな……暗殺者系の人だとこういうポリゴンが出なくなるスキルとかあったりするのかな?


「隠れてないで出てきてくださいよ?全員纏めて送ってあげますから」

 敵の居場所は既に分かってるが、やっぱりこういうのをやって魔王的雰囲気を醸し出していこう


「結局これを使わないといけないよな!【デッド・ウィズ・ミー】!」

 暗闇から紫の炎が現れる。ガチ宮さんのあの技か……となると、絶対ジェイドさんが他の人の為にバリアを張るはず……天使さんがくれた加護は無くなってしまったけど、まだ僕には死なない為の手札が残っている。あの【デッド・ウィズ・ミー】をただ受けるだけじゃ勿体無いな?


「皆こっちだ!【プロテクトドーム】!」

 声も聞こえたし、そっちに向かってランタンを投げる。遠距離攻撃の要領で投げつけたけど、バリアにぶつかってランタンがジェイドさんの近くに浮いた状態になる。もしさっきの呼びかけが分かってない人が居たとしてもこれでジェイドさんの場所が分かるだろう


「あっちだ!」

「ガチ宮さんが爆発する前に急げ!」

「あのデカい奴も居なくなったし、急いでバリアに入るんだ!」

 ランタンに照らされたジェイドさんの元に生き残っていた勇者軍が集まっていく。そして【デッド・ウィズ・ミー】を発動しているガチ宮さんに遂に見つかった


「見つけたぜ!魔王さんよぉ!俺と一緒に死んでくれやァ!」

「おやおや、中々面白そうな事を言いますね?」

 ガチ宮さんから逃げる様に跳ねながらジェイドさんの張ったバリアの方に進む。今掴まれて、自爆されるとちょーっと困るので絶対に捕まらない様に気を付ける


「くそっ!魔王のクセに逃げんなっ!」

「そこまで言われたら仕方ないですねぇ?」

 ジェイドさんの殆ど目の前だが、立ち止まってガチ宮さんと対峙する


「死にやがれ化け物!」

「ふっ……」

 掴みかかって自爆しようとしていたガチ宮さんだが、前の自爆の時と何かが違う事に気が付けなかったみたいだ


「バリアとは便利な物ですね?」

「はぁ?」

 急にこんな事を言われても意味が分からないという表情。まぁ気が付いてももう遅いけどね?


「攻撃は通さないのに味方は通すんですから」

 炎を纏って飛び掛かって来たガチ宮さんの体の下を通るように【影移動】を一瞬使う。僕の影に対して【影移動】を使ったので、僕が影の中に入った事で影が無くなる。だから入った瞬間にまた出てくるという一瞬消えたように見える僕を掴み損ねてガチ宮さんが僕の後ろに流れる。背中に戻した触手で追い打ちを掛けてガチ宮さんのHPを少し削って時間的にもそろそろ爆破する頃だろう。攻撃を遮断するバリアだが、味方は遮断出来ない。バリアの中で自爆しちゃいなよ?



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― 新着の感想 ―
ガチ宮「残念だったな!魔王さんよぉ!この技は自分の意志で止めることができるんだぜ!」とか言いそうだな
[一言]  わ ぁ い (´;ω;`)ブワッ
[良い点] うわぁ…
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