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迫る勇者

『ロザリーさん。敵の勇者がかなり強くなってるみたいなんで気を付けてください。あと、他の人達も連携が上手くなってるので、そっちも要注意です』


『改めて言うって事は相当危険なのかい?』


『第一階層は既に突破されました。第二階層もキリエさんが弾切れで戦力ダウンしているので突破されるのも時間の問題です。漏れ出す程度なら第三階層のトーマ君達でも完封出来てましたが、人数が多くなったらアイテム攻撃が阻止されて結構簡単に突破される可能性もあるので、ロザリーさん達が最後の砦です。期待してますね?』


『期待されているのなら応えよう』


『やり方は任せます。ただ、時間さえ稼げればそれで良いので、無理に勇者を倒そうとしなくても良いです』

 下手に勇者に特攻を仕掛けて即脱落が一番避けたい事だ。勇者からの攻撃を回避しながら他の人を倒すのが難しいと思うし、時間が稼げれば良いので最悪、回避だけを続けるでも良い。焦って攻撃してきた所をロザリーさんの浮遊剣で仕留めても良いし、アイリスさんの魔札とかで攻撃するのもありだろう


『あと、もし死んだとしても「遺志を継ぐ権利」っていう新しい権利で僕がステータスバフを貰う事も出来るので、時間稼ぎだけに専念してくれるとこっちの勝てる確率は高くなります』

 使う使わないは別として、ロザリーさん達が敵を倒そうとして無理をしない様にコントロールするにはこういう権利を持っていると伝えた方が暴走しないだろう


『限界まで時間を稼いで、死んだらハチ君のステータスを上昇させるという事か。了解だ』

 ロザリーさんの浮遊剣は銃や弓と違って弾では無く、剣が壊れるまで使う事が出来るだろうし、確かウェポンコンダクターは武器装備制限みたいなのが無いみたいな事を言っていたから、浮遊剣だけじゃなくて浮遊槍とか、浮遊斧とかも出来るかもしれない。武器を供給すればあとはロザリーさんの集中力が続く限り攻撃し続ける事も出来るだろう


「流石に弾が無くなっちゃったらアレ以上戦うのは無理ねぇ?」

「私もやられちゃったー!あの勇者強いねー?」

 キリエさんとキリアさんが幽体になって玉座の間に戻ってきた。2人ともやられてしまったみたいだ


「しっかり時間稼ぎ出来てたんで充分ですよ。ゆっくり休んでください」

 ここで労いの言葉の一つでも掛けなかったらキリエさんとか怒りそうだと思ったから労いの言葉を掛けたけど……


「随分と上から目線じゃない?」

「上から目線じゃないですよ……キリエさんの事を労ってたつもりなんですけど……言い方悪かったですかね?ごめんなさい……」

 ちょっと言い方が上から目線と言えば上から目線だったかもしれない


「あぁ、やっぱりハチを虐めるの楽しい……」

「え?今なんて?」

「なんでもなーい」

 今とんでもない事言っていた気がするけど……まぁ聞かなかった事にした方がどっちにとっても良いかもしれない


『トーマ君。そろそろそっちに勇者軍が行くから気を付けてね?』


『はい!頑張ります!』

 トーマ君は素直だなぁ……キリエさんとは大違いだ


「今、何か悪い事考えてなかったぁ?」

「いえ、何も?トーマ君頑張れーって思ってただけですよ」

 勘が良すぎでは?なんか怖いんだけど




「やっぱり厳しいかぁ……でも時間はしっかり稼いでたからそこまで気を落とさないで?」

「ごめんなさい……止められませんでした」

 トーマ君に第三階層を任せたけど、どちらかと言うと後衛のトーマ君に勇者と戦わせるっていうのは流石に酷だったかもしれない。でもアイテムのお陰で結構善戦はしていた。ベッタベタの粘着液を地面にバラまいたり、ビー玉サイズの爆弾を使って攻撃していた。ヨウちゃんとエン君も一緒に火の玉と炎のブレスで攻撃していたが、敵の数が多くて処理スピードが完全に敵が入ってくるスピードに比べると下回っていた。トーマ君も中々頑張ってはいたけども、流石に勇者の攻撃を何とか防いだりするのは出来ていなかったし……改めてトーマ君には酷い事をしたなぁ


「ごめんね……今度一緒に戦闘の訓練でもやる?」

「是非!やらせてください!」

 流石にこのままでは良くないと思ったので、一緒に戦闘訓練でもどうかと誘ったら思った以上の食い付き


「自分ももっと前線でも戦える様になりたいですから!」

「じゃあイベントが終わった後にでも訓練しようか」

 今回の対勇者戦でトーマ君はもっと前線でも戦える様になりたい!と思えるのは中々出来ない事だろう。普通だったら勇者に負けてやっぱ前線向いてないから後衛に専念します!とか言うと思ったけど、諦めないで前線に出れるようになりたいって言うのであれば僕も多少はそれのお手伝いくらいはしてあげたい


「流石に無理でしたね……あの勇者は止めるのは私には無理でした」

「ドクターもお疲れ様です。よくやった方だと思いますよ?」

 勇者を止める為にわざわざ顔をアクセサリーで隠して、最上階でやられてこっちに初回デスで飛んで来たドクターだが、トーマ君と同じように攻撃アイテムを使用している間にやられてしまったらしい


「勇者やばそうだなぁ……」

 勇者がここに来るのも時間の問題。だけど最後にロザリーさん達が壁となり行く手を阻む。まさしく最後の砦だ



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― 新着の感想 ―
[一言] 次々とやられて行く様は、勇なまの最終ステージを思い出す。
[一言] よし、ボスらしくご飯食べながら待ってよう(ペ◯ソナ感)
[一言] 一回限りのイベントだから粗が見えにくいけど 常設イベや定例イベになるといくら頑張っても結局運営のさじ加減一つかって萎えられる危険な状態でもあるよね もし定例化するならどちらかの陣営は全てNP…
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