最強の権利?
『皆が頑張ってくれてるお陰でかなり時間が稼げてます。残り時間も良い感じで少なくなってきているので引き続きお願いします』
遂に始まったボスラッシュ。トーマ君には3階層目のボスをやってもらってるけど、中々トーマ君の所が突破されない。前の2階層から漏れ出た人がトーマ君と顔を隠したドクターなどの居る攻撃アイテムユーザーの部隊によって入った瞬間に何かしらのアイテムを投げつけられて倒されていく。投げるアイテムが残っている限りあの場所を突破するのは相当厳しいかな?
『あ、ちょ』
「ん?」
ジェイドさん達は「俺に任せて先に行け」でロマン感じちゃったハスバさんの所を先に進ませてもらっていたけど、キリエさん達はそんなロマンを言う前に眉間を撃ち抜く非情さを持っているから先には簡単に進ませてもらえなかった。ダメージを貰いながらも何とか先に進んでもその先に居るのはトーマ君達だ。爆弾やら毒やらを使うのでバリアを張ったとしても放物線に投げられた物を見逃してバリアが消えた瞬間に爆発などでまた最初から……となっていたが、遂に勇者がジェイドさんと一緒に攻めてきた
「わりぃ 俺死んだ!」
ハスバさんが幽体になってこっちにやってきた。どっかの海賊王でも目指してそうな感じだけど……映像を見てみたら他の人も次々勇者とジェイドさん達の連携にやられている。あれ?勇者ちょっと変わったかな?それに伴ってと言うか他の人達もガード、近接攻撃、遠距離攻撃、回復、補助……全体的に施設バフを貰っていた時よりも動きの質が良くなっている気がする。やっぱり追い込まれると成長するって奴なんかなぁ?まぁハスバさん達が大分体力や集中力を消耗しているっていうのもあるけど、連携の練度がかなり上がってきているから綻びを突かれて、遂にハスバさん達の第一階層が完全に突破された
「あれま、遂に勇者が来たか。残り時間は……まぁ何とかなるかな?ハスバさん達もお疲れ様でした」
勇者が遂に動き始めたけど、ハスバさんのキルしない時間稼ぎのお陰でしっかり時間も稼げているからもうここでやられてしまっても仕事はきっちりやったからお疲れ様でしたと言うべきだろう
「あれ?また新しい権利が……え?」
新しい権利としてやってきたそれ。「遺志を継ぐ権利」見ただけだと意味が分からないが、これはデスした味方が復活する時間を長くする代わりに対象の1人にステータスバフを得るという物。もしかしてだけどこんな物使わないと最終決戦仕様の勇者とやり合えない可能性が出てきたぞ?
「ハスバさん?なんか新しい権利で「遺志を継ぐ権利」って物が来たんですけど、デスした人の復活までの時間を伸ばす事で1人だけにバフが与える事が出来るって……どう思います?」
「つまり我々がデスする事でハチ君を強化出来ると?」
「間違っちゃいないと思いますが、これ使わないと勇者に勝てない可能性があるって相当ヤバくないですか?」
味方を犠牲にして強くなるっていうのは好きじゃないけど使わないと勝てないのであれば少し考えなければならない。ただこれ、今の自分が扱える量を超える強化とかされるんじゃないかと考えるとやっぱりあんまり使いたくないな……
「ステータスバフが貰えるのなら今幽霊状態の人全員にその権利を行使してバフを掛けた方が良いんじゃないのかい?」
「どのくらいバフが掛かるか分からないというのもありますけど、これでもし1人に付き1%とかだった場合に最大で300%超えるとか考えると自分の体を制御しきれないかもしれないんじゃないかと……バフの掛け過ぎって絶対良くないと思うんですよね。自分が制御出来る範囲のバフじゃないとそれは逆にデバフと変わらないかなって」
天使と鉱山の中で戦った時にも思ったけど、強化のし過ぎは戦闘中の小さい動きが出来なくなって大味な行動しか出来なくなるかもしれないと考えたらこの権利は封印しても良いかなと思っている。今の僕は称号とか装備で実際のステータス数値よりも倍くらい伸びていると考えたら、ある意味僕が扱いきれるバフの許容限界もそこまで多くないかもしれない。オーバーヒールポーションと一緒でやり過ぎは良くない
「言われてみると確かに、数値上300%は確かに凄いけど、いきなり身体能力が3倍も上がるって考えたら扱える自信が無いな……」
「もしやるなら1人ずつ出来るのか気になる所ですね。おっと、キリエさん達もかなり押されてますね……あー、弾切れかぁ」
銃を使うプレイヤーなら必ずぶつかる問題である弾薬の問題。弓ならまだ矢を回収出来ればまた使えるかもしれないけど、弾はそうもいかない。勇者が来たことで【ドッペルゲンガー】と【トリガーハッピータイム】を使用したみたいで弾薬を一気に消費してしまったみたいだ。流石にキリエさんも弾がなくなってしまうと戦力がダウンしてしまうから第二階層も突破されるのも割とすぐかもしれない……これはロザリーさん達も危険かな?