対処
『へぇ?敵も中々やるじゃない』
『ん?もしかして攻撃失敗しました?』
城の上から見た方が確実に全貌が分かるだろうし、聞いてみる。ポン君のブーストは使って確認しなくても良いだろう
『敵の奴ら。距離を取って被害を最小限にしていたわ。これだと思っていたより減らせてないわね』
おぉ、そうやって感電の被害を減らしたのか。流石にそこまで上手くはいかないか
『じゃあ、氷の爆弾でも用意しますか』
水の爆弾による雨を当てた後、雷の爆弾で感電させる事は広がって防がれてしまった。なら次は氷の爆弾でも爆破して凍らせてしまおう
「感電攻撃はそんなに敵を減らせなかったみたいなんで次は凍らせましょう。弾道は低くて良いんでチャージも短めでオッケーです」
射程限界、高高度。こんな条件を付けなければ比較的普通の山なり弾道で、ある程度早めに射出する事が出来る。これで氷の爆弾を敵集団に向けてポイッだ
「爆弾、装填完了!」
「カタパルト、チャージよし!」
「発射準備オッケー!」
テキパキ装填作業をしてくれるから助かる。30秒も掛からなかったんじゃないかな?
「照準は……よし、これでオッケー」
マップを見ると外の敵が居る地点が大まかに表示されている。多分ダイコーンさんとか、ロザリーさんがその辺をやってくれたんだろう。大まかに表示されていても徐々に城に近寄ってくるのが分かるのでそのほんの少しだけ手前に投擲出来るように調整する。今回は敵も警戒しているし、移動速度はそこまで高くないだろう
「さて、それじゃあこっちにも対応出来るのか見せてもらおうかな?発射!」
氷の爆弾を勇者軍に向かって発射。これでも対応出来るのか見せてもらおう
「よし!次が来るまでに近寄るぞ!何としても城まで進むんだ!」
ここでボーっと立っていたら敵の次の攻撃が来てしまう。その前に接近しなければ……やられた味方は全員ポリゴンと化し、自陣に戻されているから救助の為にと立ち止まる人が居なかったのが幸いして、全員で先に進める。ここで立ち止まるのは一番の悪手だ
「何か飛んで来たぞ!」
「あれは……バリアを張れる奴はすぐに張るんだ!周りの奴はバリアに入れ!【プロテクトドーム】!」
飛んで来た物は水色と言うか、薄い青色をしていた。まるで花火玉のようなソレが見えた時に咄嗟にバリアを張れと周りに命令して、自分もバリアを展開していた
「こ、氷が……」
「危なかった……俺達全員びしゃびしゃだ。こんな物喰らってたら全身凍り付いて一発アウトだったぞ」
「ジェイドさん……やっぱりジェイドさんは頼りになる!」
「皆もよく防いでくれた!行くぞぉ!」
的確な指示を出せたからか、周りの人達も少し盛り上がっている。あの水色をした爆弾……なるほど、あの爆発した燃えた石は中に爆弾が入っていたから爆破して燃えた破片が辺りに飛び散って危険な兵器となっていたんだ。あの岩はカモフラージュの為……咄嗟に見た時に色の判断を間違っていたら全員もれなく氷漬けになっていてもおかしくない。あの氷が発生した爆弾も1発でこの広範囲を一気に覆う物では無かったんだろう。自分達とこの周辺は今濡れている。間違いなくこれのせいで威力が増している
「流石にこれ以上は来ないでくれよ……」
更にこの上を行く攻撃があったならもう……本格的に勇者が居なければ突破は不可能になるんじゃないだろうか?今はAGIの施設を修復しながら鍛錬をしているらしい……そんな事よりさっさと魔王城攻略に来て欲しい所だが……やっぱりNPCだから最終日になったら攻め込むとかの設定があるんだろうか?
『敵、また防いだわよ?』
『あら、防がれちゃいましたか。じゃあもうバリスタで攻撃しても問題無い距離まで引き付けますか』
ほうほう?これも防がれちゃったか。じゃあ今はカタパルトの発射準備だけ整えておいて、弾は装填しないでおこう。敵を近くに引き寄せておいて、高弾道で何でもすぐに撃てる状態にしておけば、あとは弾を変えるだけで色んな状況変化に対応出来る。バリスタの射程まで敵を引き付けて、攻撃を始めてからカタパルトで爆弾を射出するだけでも前後から攻める事が出来るし、何ならとっておきの弾だってある
『まぁそれでも良いんじゃない?それで?私達はいつ出るのかしら?』
いつ出ると言うのは敵施設に飛んで行って自爆するのは何時だと聞いているんだろう
『とりあえずこっちがピンチになる。もしくは勇者がこの場に現れた時ですかね?』
『勇者に邪魔されないようにって事ね?』
『はい、そうです。一番どうなるか分からない不確定要素の勇者を相手にしている時が施設破壊の一番のチャンスタイムかなって』
不確定要素を僕の手が届く範囲に居る内に手の届かない範囲で破壊活動するのが、相手がどうしようも出来ない最高のタイミングだと思う。一度しか戦闘はしてないけど、あの勇者がとんでもなく厄介な事は肌で感じた。間違いなく1人ではどうにもできない相手だから戦う為の舞台を整える必要がある。勇者が来るか、防衛が突破されるか。ギリギリを見極めて手札の1つを切るようにしないと最後まで持たないね?




