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感電カタパルト

『誰か我こそはロビンフッドか那須与一、もしくはシモヘイヘだっていう人居ます?』

 せっかくだし聞いてみよう。そういう人がもし居たらちょっとやり方を変えて水の爆弾をカタパルトから射出した後狙撃してもらうクレー射撃的な行動をして雨を降らせた方がPVの事を考えると見せ場の1つとして良いかもしれない


『要求が高過ぎません?』


『PVの事を考えたら敵集団の上で水の爆弾を撃ち抜いて、相手を濡れた状態にしてから雷の爆弾で一網打尽ってカッコ良くないですか?』


『カッコイイ!』


『カコイイ!』


『良いっすねぇ!』


『これは立候補したくなる』

 用意された見せ場。カタパルトから射出される爆弾がどういう放物線を描くのかは予測のラインが見えているのでこのライン上に弾を撃ち続けたら確実に当たるけど、それを一発で当てられたらカッコイイよね?って話だ


『当てれば良いだけなら【ホーミングバレット】で撃ち落とすわよ?』

 それはもうズルじゃん?まぁ当てて起爆するのが目的だからズルでも何でも良いんだけどね?


『じゃあキリエさんが撃ち落とします?』


『あら?良いのかしら?他に立候補は居ないの?居たら頭撃ち抜いてあげるから』

 居たら譲るとかでは無く、排除の方向で話を進めるキリエさん。こわっ


『ヒエッ……』


『(立候補し)ないです』


『どうぞどうぞ(畏怖)』


『皆さんごめんなさい。敵がここまで来た時に戦果を挙げて見せ場を作ってください。皆さんなら多分何か出来ると思うので……』

 これじゃあ実質キリエさんがトップだなぁ……


『まぁ、ミスはしないから安心なさい。こんな口火を切るような事はプレッシャーに弱い奴には任せられないわ』


『この子悪い子じゃ無いんです。ただちょっと口が悪いだけで……』

 絶対キリエさんにツッコまれるだろうけど、フォローしてもらった恩があるし、こっちもフォローしておこう


『あとで覚悟しておきなさい?』

 何をされてしまうんだろうか?


『オカンや……やっぱり指揮官はオカンや……』


『このホンワカする雰囲気ええなぁ……』


『護りたい。この指揮官』


『多分俺達の方が護られる側なんだよなぁ……』


 色んな会話が飛び交ってるけど、今から敵に攻め込まれるという事を忘れないで欲しい。とりあえず城内……というか城の敷地内であれば味方とメッセージでやり取り出来るのは助かる。僕は城門の前で、キリエさんは城の上で、なんやかんや言っている人達も城の2階部分や、城門内側で待っている人など、城の敷地を出なければどんな所でもやり取りが出来る。これで連携の取りやすさも非常にアップしているのだからやってやろうじゃないか




「これから敵の城に攻め込む。敵が防御の施設を捨てたから現在修復中だが、時間が惜しい。敵のボスと戦う頃になったら修復も完了して防御バフを貰えると思う。だからその時までに可能な所まで進むぞ!」


「「「「「おぉ!」」」」」

 正直突破出来るか怪しいが、ここを突破さえ出来ればこちらが勝つ確率を上げる事が出来る。多少強引でも進むべきだろう


「ん?雨?」

 敵の城に向かって進んでいる最中に雨が降ってきた。視界の妨げになる雨も若干困るが、さっさと先に進もう


「足を取られないように注意して進むんだ」

 急な雨で地面がぬかるんだりはしていないから進軍を止められる事は無いと思うが、一応声掛けはしておこう。急な雨とか勘弁してほしい所だ……急な雨?待て、何かおかしい……なんだこの違和感は?


「……総員警戒!敵の攻撃に備えろ!」

「ど、どうした!?」

「雲も無いのにどうして急に雨が降るんだ!これは、この雨は敵の攻撃だ!」

 いったいどんな攻撃なのか分からない。もしかするとこの雨には毒が含まれているかもしれない。だが、どうする?既にほとんどの人間が雨を浴びてしまった。固まって外からの攻撃に警戒するべきか、今のまま、多少散った状態で居るべきか……迷っていても仕方が無いここは自分の勘を信じろ!


「味方と距離少し開けて攻撃に対して防御出来るように警戒するんだ!」

 集合して防御を固めるか、各々がそれぞれ対処するかの2択。そもそもこの雨が毒であったらそれすらも無意味であるが、あの魔王が食事を提供した時に言っていた言葉を思い出していた


「あぁ、心配しなくても毒は入っていませんし、人間でも食べられる物ですよ?だいたい毒で倒される程度では私を倒す事は出来ませんし、そんな物で倒しても面白くないですよ」


 毒耐性が無ければ倒せないと言っているようにも感じ取れるし、毒を使って倒すのは面白くないという事から使用してこないとも受け取れる。この言葉を信じて雨に毒は無い、この後に何かしらの攻撃が来ると想定して各自で防御しろと命令を出した。そしてそれが功を奏した


「「「「ぐあぁぁぁぁ!」」」」

 城から飛んで来た岩。それが空中で破裂したかと思えばその破裂した周囲に電撃が走った。その近辺にいた勇者軍プレイヤー達は雨に濡れた体にその電撃が走り、ちょっと距離の近かった人に電撃が伝わっていく。もしこれで固まって防御を指示していたらどれだけの被害になっていた事か。電撃を受けた味方には申し訳ないが、広がって防御を選んでいたお陰で最小限の犠牲で済んだ



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― 新着の感想 ―
[良い点] オカンハチのフォローが光る!w [気になる点] 〉雨 このゲームがエロゲなら、今頃勇者軍の服は溶け、媚薬でハァハァしてるんだろうな。 ……とか思ったw [一言] ナイス! 判断! 勇者軍も…
[一言] 敵さんも、なかなかやりますね~。
[一言] >『誰か我こそはロビンフッドか那須与一、もしくはシモヘイヘだっていう人居ます?』 シモヘイヘとか居たら、弾の狙撃どころか魔王城に着くまでに全敵を殲滅っしちゃいそうだなw って……あれ?オカ…
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