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最後の四天王

「ここが……最上階か……」

「人数がかなり減っているが……行けるのか?」

「トラップでかなりの人数を持っていかれたのが痛いが、行くしかない。それにどうやらここはトラップは無い様だし、何故か敵が来ない。要するにここはボスエリアなんだろう。という事はあの扉の先には……」

「最後の四天王か?」

「まぁ魔王が居たとしても先に四天王だよな。行けるかどうか分からないけどやってみるか?」

「もうここまで減っちまったらタダで帰るよりも情報を得る為にも行くしかないだろ……」

 この場所は敵が来ない、トラップも無いある意味セーフティエリアだ。だが、数千人を超えていたはずの部隊は森の火災トラップにコイン地雷、城にセットされた様々なトラップ。魔王軍プレイヤー、眷属達によって100人を切っている。後ろに下がる事は出来ないし、前に進んだら未知のボスが居る……それなら情報を集める為にも進むしかない


「そうだな……行くしかない。扉を開けてすぐ攻撃が来るかもしれないからドアだけ開けてくれ」

 ドアを開けていきなり矢が撃たれないとも限らない。急に攻撃が来たとしても、盾を構えておけば後ろに居る仲間に攻撃が行かないだろう


「行くぞ、3、2、1!」

 ドアを蹴破り、攻撃に備えたけど攻撃は来なかった。代わりに来たのはこちらを嘲る様な声だった




「おやおや?ひょっとして新しい被検体志望ですか?それじゃあこの被検体との戦闘データ収集に協力してもらいましょうかねぇ?」

「あ……う……」

 ドクターには何か適当な試験管とかを弄っている最中を演出してもらい、僕は立っているけど上半身には力が入っていないような状態で待機して、戦闘データ収集云々を言った段階で力を入れて動き出す。ロボットでは無いけど、気持ちとしては命令されたロボットをイメージしてやってみる


「シ、シスター?」

「被検体?」

「なんだ……どういう感じなんだ?」

「あのシスターが操られてるんじゃないか?」

 とりあえず相手がある程度状況を理解するまで動かない。こういう時のお約束だ


「い……や……」

「おっと、意識が戻っては困りますね。もう少し強くしますか」

「ぐ……あぁ……」

 お互いにスキルも魔法も何もやって無いけど、とりあえずうめき声と頭を押さえる演技をする。これで大体の趣旨は伝わったかな?


「これってつまり……」

「一筋縄では行かないみたいだな」

「シスターを盾にするとは卑怯な……」

「あのシスターは巻き込まずに後ろのアイツを倒せって事か」

 おぉ、良かった。ちゃんと趣旨は伝わってるっぽい


「洗脳した人間の戦闘データはまだ取れていませんから存分に戦ってください。今回の目的はデータ収集です。それが終われば洗脳を解除しましょう……まぁ戦闘データを収集している最中に死ななければ良いんですがね?」

 洗脳している相手を使ってデータ収集。シスターを生かすも殺すも勇者軍次第という、相手にどうするかを委ねる事で戦闘をし難くする


「敵……倒す……」

「まさかとは思いますが、勇者軍ともあろう集団がシスターを見殺しにするなんて事はありませんよねぇ?」

 ドクター迫真の追い打ち。これで洗脳された相手を見殺しにするのは非常に難しくなったぞ?


「この……」

「4人目はとんだクズ野郎かよ!」

「とりあえずあのシスターを何とか救わないと!」

 うーん、やっぱりドクターの評価が良くないよなぁこれ?でも立場を利用して見殺しには出来ないような雰囲気にしたのはかなり良い。勇者軍と名乗っておきながら勇者らしからぬ行動をしたら批難されるだろうからやっぱり地位とか名誉とかは戦闘だけを考えたら邪魔なものでしか無いな


「俺達は後ろの奴を倒すからお前達はあのシスターを救い出せ!」

「了解!」

「さぁ、お姫さんを救い出すぞ!」

「おう!」

 チーム分けをして僕とドクターを同時に相手をしようとするみたいだけど、どうするかなぁ?使える手段がかなり限られているからこの人数を相手に何が使えるかを考えないといけないな?


「倒す……」

「うおっ!?なんだこの壁!?」

「バリア系の能力持ちか!」

 倒すとは言ったものの、【精神防壁】を展開して敵がこっちに入ってこれないように防ぐ。とりあえずこの力はまだ見せていないから怪しまれる事は無いだろう。流石に5人分の戦い方を今僕が持ち合わせている能力を分けて使っているのでシスターに残されている攻撃手段はほとんど残っていない。ならどうするか……


「来るな……」

右手の掌を上に向けて小さく呟く。掌を上に向ける合図をしたら応えてくれる2人が居る


「「……」」

「のわっ!?」

「今のレーザーなんだ!?」

【精神防壁】でドクターと僕に近付かれないように動きを制限。そして、最上階であるこの部屋の天井付近にパンドーラを持った【イリュジオ】の僕と、呼び出したチビ黒武とチビ白武を配置して上から槍を交差させたレーザーで攻撃してもらう。攻撃手段が僕にもう残っていないのなら他から借りればいい。あくまで天井付近に居る黒武と白武を攻撃しようとするなら遠距離攻撃をする必要がある。だけど灯りの少ないこの場所で天井付近をちょこまか動く黒武と白武を捉えるのは中々難しいだろう。ドクター、僕、黒武と白武でヘイトを分散。僕がタンク、黒武と白武がDPS、ドクターは……まぁ、今のところ置物かな?



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 四天王で分散してて能力に制限があるけど 魔王「四天王が出来るのに我に出来ない理由は無いだろう」 って四天王のスキルバンバン使うのもいいですよねぇ。 元々、使えるんですけどね(笑)…
[一言] いやぁ…いい空気吸ってんなぁ魔王軍 ネタバラシが楽しみですね?それともせっかくのキャラの尖った四天王運営がどう扱うのかな? そして勇者くん天使以上に空気…なーんかテコ入れしそうですねこの運営…
[一言] 複雑なことやってるな~ このやり方で100人弱もいる勇者軍を倒せるのかな ドクターは置物? どっかには鎬とか言う筋肉ドクターがいましてね。。。
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