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勇者軍入城

「敵が来たんで、皆さん配置についてください。念の為トラップを起動しないように場内マップを見て、気を付けてくださいね?」

 敵を歓迎する為のトラップに僕達が引っかかったら時間稼ぎとかそれどころの話ではない。マップを見てトラップに注意しつつ、迎撃する為に城の中に分散して待機する。防御の施設はダイコーンさんとかロザリーさん達に任せて、主力メンバーが防御の施設に居るから城はがら空きか後方支援系が多いと思ってくれたらそれで良い。その分あっちの皆に向かう敵が減る


「準備良いですか?」

「ええ、いつでも大丈夫です。足は引っ張らないようにしますが……フォローはお願いしますね?」

「もちろん、フォローはしますよ。ですがドクター自身がやられないように出来るだけ後方で立ち回ってくれると四天王として恰好が付くと思います」

 ドクターを主軸にした城の防衛作戦。これで防衛に成功したらドクターが最後の四天王だと思わせる事が出来るだろう


「中々にいやらしいキャラを演じる事になるので色んな人に嫌われそうです」

「本当にごめんなさい。やっぱり辞めたいと言うんでしたらすぐに言ってください。今ならまだ修正が効きますから」

 流石にドクターが不本意で色んな人からハブられるような事になってしまうんだったらこの作戦は無かった事にしないとダメだ。一人が損を被る事になるなんて、作戦を考えた僕以外にやっちゃいけない


「いえいえ、別に他人からの評価はどうでも良いんです。薬を作る時の邪魔されないと考えればそれは良い事です……」

「……もしかしてこの前僕が見ていたから薬を製作する時に失敗したとか?」

 ドクターに初めて薬の作り方を見せてもらった時に分量をミスって失敗していた事を思い出した。見られていると緊張してしまうタイプだったりするのかな?


「指揮官の洞察力も中々鋭いですね?他の事は然程影響はないんですが、調薬している最中に見られると緊張してしまいまして……」

「それまた限定的な……でも戦闘には影響無いんですね?」

「はい、戦闘には影響ないです」

「薬を作ってる最中に見られると?」

「あぁ、ダメですね」

 ダメですか……


「もしイベントに勝てたらそのあがり症?みたいな物の克服を頑張ってみます?」

「特に急いでやるべき事も無いので、やってみても良いですね」

 乗り気なのか、ただ単純に合わせてくれただけなのかは分からないけど、そういう見られている時に上手く作れないのは克服出来るなら克服した方が良いだろう


「さぁ、指揮官。私達も行きましょう」

「そうですね。行きましょう」

 設置したトラップを回避しながら城を登って行く。皆のトラップを見ているけど、中々トラップが意地悪い設置をしている。あからさまなトラップを設置して、それを回避しようとしたところで本命のしっかり隠したトラップによる攻撃で仕留める。という感覚なんだろうな?最初の分かりやすいトラップの方も、近くに居る人が自分達のタイミングで発動出来るようにしてある……これなら分かりやすいトラップの方も無駄にはならないだろう




「来ましたね……ふぅ、いけるいける。大丈夫、指揮官も居る」

「緊張しますか?」

 城のすぐ近くまで来ている勇者軍。ドッカンドッカンと地雷も爆破しているし、いよいよ敵が入ってくるという状況になって若干僕も緊張してきた


「そうですね、この作戦の成否はほとんど私達次第ですから緊張しないというのは流石に無理がありますね」

「失敗したとしてその敗北が自分のせいと責めるのでは無くて、味方と一緒にどうやったら追い返せるか、勝てるのか考えていてくれた方が良いですね?」

 失敗した時の事ばかりを考えずに、成功した時の事も考えながら戦った方が良いと思う。その方が妙な責任感とか罪悪感が無くて、しっかり戦えるはずだからそっちの方がずっと良い


「その考え方は誰かに教わったんですか?」

「まぁ父さんに教わったと言えば教わりましたね。それをやろうと決めたのは僕ですけど」

 父さんのポジティブシンキングを真似している程度だからたまに崩れてしまうけど、良い事を考えて行動すると意外と良い事が続いたりするものだ


「そういう所が人を惹きつけるのかもしれませんね?私も惹かれたその1人ですが……とりあえず緊張は解けました」

「あぁ、良かった。緊張してしまうと体が動き難いですし、出来るだけ普段と同じくらいで落ち着いている状態が体も動かしやすいですからね」

 緊張による筋肉の硬化で体の動きが悪くなるとネットで見たけど、そもそもこのゲームの世界で緊張で体の動きが悪くなるってあるのかどうかが怪しいけど、まぁリラックスしている状態の方が視野も広く保てるだろうからリラックスしている方が良いだろう


「それじゃあ、新しく貰った権限で色々やりますか」

 バルミュラ様に託されたリスポーン地点の設定以外にも後から色々権利が僕に来たのでこれを使って敵を誘導しようか




「行くぞ!あの扉を破壊するぞ!」

「「「「「おぉー!??」」」」」

 魔王城の中に突撃を仕掛けようとしたら大きな扉が開かれた。歓迎しているみたいだ


「……止まるな!まずは中に入るぞ!」

「あぁ!中に雪崩込め!」

 敵の大広間と言うか、正面に4枚のバナーが吊るされている。うち3枚には×印……これはひょっとして


「あー、あー、聞こえているかな勇者軍の皆さん?城へようこそ。どうぞ楽しんで逝ってください」

大広間に入って周りを確認している時にあの魔王の声が城の中に響いた。どうやら何処かから監視されているようだ



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― 新着の感想 ―
[一言] 勇者軍、早速バナーに引っかかった(笑 もうこれで四天王の最後の一人を倒して魔王と戦うという思い込みが刷り込まれてしまった。
[一言] そこそこトラップで弄んだ後に、最後の四天王お披露目! ドクターのマッド系ロープレに期待大。 イベント最終日前日だから、みせるのはちょっとだけよ〜。その脅威と恐怖を刻み込んでから、勇者本陣に(…
[一言] トラップ設置型タワーディフェンス開始!。 無理ゲーマリオのような罠が、幾つも設置されているんだろうな~。
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