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夜襲

「皆、準備は良いか?これから魔王軍の城に夜襲を掛ける。最終日前のこのタイミングで仕掛ければきっと城を攻め落とせると思う。四天王もあと1人だ」

「バリアがある今の内に行けば後ろを気にしないで行ける」

「あの魔王、確か今日の大技はもう使ったんだよな?なら今日中に魔王の所まで辿り着けば大技を使われないんじゃない?」

「夜の12時を越えてしまった段階で1日1回が復活するんじゃないか?」

「ならそれで良い。今回の夜襲が失敗しても、もう一度準備して皆で城を攻略する時にあの大技を使われないなら充分過ぎる」

「要するに今回の夜襲は倒せなくても良いから魔王の所まで辿り着いて大技を使わせる事が目的なんだな?」

「あぁ、魔王の大技を引き出すのと、四天王の最後の1人を倒す。それが出来れば夜襲は完璧に成功したと言っても良い。もしかしたらそのまま魔王を倒せるかもしれない。まぁ失敗したとしても夜襲後に一度しっかり休憩してからもう一度城にアタックして大技が使えない魔王を倒してイベント終了だ」

 夜襲に向かうのは全体の4割程度の大部隊。バリアによって施設防衛に人員をあまり割かなくても良くなったからこそ取れる戦術。これだけの人数が居ればもしかしたら魔王を倒せるかもしれない。今まではバフを得る為に施設を修復する、施設を敵から奪還する為に分散していたが、今はバリアがある。それに敵の主力と思われる部隊は防御の大型施設に集結しているし、敵の裏を掻くには今がチャンスだ。それに残りの人員で更に施設を修復してもらえば敵をバフの効果で圧倒出来るかもしれない


「次は負けねぇ……」

「もうあんな無様は晒さねぇ……」

「お前達……次は絶対勝とう!」

 軍人を相手にした時に殿をしてくれたガチ宮とグランダ。2人も夜襲に参加するので是非とも次は逃げる為の殿では無く、勝利を掴む最後の一撃を喰らわせてほしい


「夜襲組は施設を無視。敵の城まで真っ直ぐ突き進む班、左右から攻め込む班の3班編成で敵の城に攻勢を掛ける」

 3方向からこの人数で攻めれば主力が居ない敵の城に入れるだろう。主力が城の防衛に来たらその隙に施設を取って修復してしまえば良いし、来なかったら城をそのまま落とす勢いで攻める。自身を囮にする方法は前回失敗したが、今回は状況が違うので通用するはずだ。なんなら防御の施設が取れれば死んでもお釣りがくる。防御力が強化されたら人数に物を言わせたパワープレイが可能になるからだ。敵はそれを恐れて防御の施設に主力を置いて防御のバフが入らないようにしているんだろう。やはり相手のプレイヤーも上位陣だからかしっかり考えている。だが、あの凶悪な四天王も3人倒し、残るは1人。対するこちらは施設バフは入っているし、この人数だ。相手には悪いが、四天王を倒した事で結束力も高まってきたからある程度は勇者軍の制御が出来るようになってきた。最初は纏める事さえ出来ていなかったが、強敵を倒す度に勝利の為に団結しているのを感じる。唐突に小麦がなくなり食料問題に直面したが、バリアで施設が守られているので果物や肉の採取を急ピッチで行い、最終日まで食事バフが付けられる程度の料理が作れる量の食料を集める事も出来た。ホフマンなどの料理人には凄まじい負担になってしまうだろうけど、「マトモな飯を喰わせてやるからな!」と嬉しそうに調理をしていたので、案外負担には感じていないのかもしれない


「最終日前に終わらせてやろうぜ!」

「あぁ、ここまで来たんだ。このイベント絶対勝つぞ!」

「「「「「おぉー!!」」」」」

 皆の盛り上がりもかなりの物だ。よし、そろそろ行くか




「敵来なくね?」

「敵主力は防御の施設に、残りは城だとすると下手に散開したところで無駄にやられるだけだと考えてるんだろう。それに相手だってそろそろ攻め込まれると考えて色々準備してあるハズだ。気を付けて進むぞ」

 左右から進む1班と3班。そして森を突っ切る2班。回り込む分、距離が長くなる1、3班と見通しは悪いけど距離は短い2班のタイミングを合わせて同時に3方向から仕掛ける……というのが当初の計画であった


『やっべぇ!トラップに引っかかった!』


 メッセージが飛んで来て数秒後、爆発のような音がした。そして夜闇の中で煌々と燃え盛る炎。森が燃えていた


『被害報告!』


『水魔法でも中々火が消えねぇ!火傷多数!炎に巻かれてデスした奴も居る!』

 森を突っ切っていた2班はトラップを作動させてしまい、炎に巻かれてしまった。水魔法でも炎を消せないとなると、救援も難しいが……


『撤退は出来そうか?』


『一応退路はある!撤退させるのか!?』

 退路が確保出来ているのならもう1つしか道はない


『2班は森から脱出後、すぐに火傷の治療をするんだ。このままでは最後に間に合わない』

 みすみす森で焼け死ぬよりも撤退して怪我した者は治療して中央からの突破は諦めて1、3班と合流出来る者だけ合流して城に行く……あるいは敵に既に発見されているのだから作戦は失敗したから撤退するかその2択を迫られていた




「おっ?夜襲を仕掛けてきたか。まぁ、森の中に入ったのは災難だったね?」

 城から燃えている森を見て誰かが僕の設置したトラップに引っかかったんだろうと余り物のオニオンスープを飲みながら、次に相手はどんな手を打って来るのかを考えながらまったりしていた



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― 新着の感想 ―
[良い点] 高みの見物だぁ!!
[一言] しばらく忙しくてたまって多分一気読みしたらワクワクが止まらないほどヒート
[一言] presented by ハチの「魔王【偽】&四天王【偽】と遊ぼう」のミニゲーム『(イロイロ)嵌ってはいけない魔王城24時』に参加予定の勇者軍一行www 尚、情報戦において既に肩のあたりまで…
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