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洞窟から連れ出して

「これは?」

「武器……というのも怪しい物なんだが、その紋章を体に刻む事で魔力を武器として使う事が出来るぞ?まぁそれは魔の紋章だから人間が使うと悪影響があるかもしれないが……試してみるか?ハチなら意外と何とかなるかもしれないぞ?」

 それどうなの?聞く限りその紋章って魔物用みたいな印象を感じるんだけど……


「えっと、その紋章って本当に人が使えるんですかね?」

「さぁ?人に使った事は無いからわからん」

 ですよねー……実験台1号になってみないかって事かな?


「うーん、やってみるならアトラさんも居てくれた方が安心……というかどうなるか見てて欲しいから村で使ってみたいんですけど……ヴァイア様ってここから出られないんでしょうか?」

 アトラさんとヴァイア様が居ればもし何か起こっても大丈夫だと思うから2人には居てもらいたい


「んーそれならばこの背嚢で私と水を入れて運んでくれるか?」


『泡沫の背嚢 を入手』


 ---------------


 泡沫の背嚢


 レアリティ ユニーク


 耐久度 破壊不可


 許容数5


 入れられる数は少ないが、どんなに大きなものを入れても重さが泡沫のように消える不思議な背嚢


 ---------------


 薄い水色のバッグをヴァイア様に渡されたけどこれにヴァイア様が入れるのかな?


「これに入るんですか?」

「まぁ見ておれ。よっと!」

 ヴァイア様が水の中に入ったと思ったら見上げるくらいの大きさだったヴァイア様がスプリングボア程度の大きさになった


「ちっちゃくなって可愛くなりましたね」

「むふふっ!そうか?あとはその背嚢の口を開けて水を入れてくれれば一緒に行く事が出来るぞ」

 言われた通りに背嚢の口を開けて、地底湖の水を入れる。結構入るなぁ……


「それだけ入れば十分だろう。よし!では行くか!」

 するんっと背嚢の中に入り込み、首だけ外に出すミニヴァイア様。何だろう凄い似合ってる


「じゃあ背負いますね?」

「良いぞ」

 ミニヴァイア様入り背嚢を背負う。ヴァイア様と地底湖の水が入っているはずなのに全然重さを感じない。これは凄いな?


「アトラさんが来るのは夜だから結構時間が掛かっちゃいますけどそれまで待ってもらっても良いですか?」

「構わないぞ?出掛けるのはそうそう出来ないからな!むしろゆっくり出掛けたい!」

 僕の肩にヴァイア様が頭を乗せている。これがリアルの蛇だったら多分鳥肌物だろうけどヴァイア様ならなんか可愛いから特に気持ち悪いとかは感じない。やっぱり言葉が通じると感じ方も全然違うのかな?


「あ、岩塩が無くなってる」

 歩いて洞窟を出ようとすると例の宝箱の前に置いていった岩塩が無くなっていた


「ん?なんだ?あの宝箱は?」

「え?あれってヴァイア様が設置した物じゃ無いんですか?」

「違うぞ?とりあえず開けてみるか?」

「え?でもこの洞窟って物を持ち帰ろうとすると敵が出てきて大変な目に遭うんじゃ?」

 アトラさんが教えてくれた事を思い出してここでアイテムを持ち帰る事はしないと決めていたから宝箱を開けるのもやめておこうと思っていたのに……ヴァイアさんが開けてみるか?って言っちゃうのか


「まぁ私のお宝を持っていったら許さないが……そんな事は無いぞ?」

 アトラさんに騙されたかな?


「そうなんですか……じゃあ開けてみますか」

 肩からヴァイア様も覗いているから急に何か飛び出しても対処は出来るだろう


「いざ、オープン!」

 ヴァイア様も知らない内にあったと言う宝箱。絶対中身()()よね?


「やっと開けてくれたか!待ってたでぇ!」

 宝箱を開けると似非関西弁な口調で話しかけられた。やっぱりミミックだった


「兄さん警戒心強すぎんねん。外観を豪華にしても全然興味示してくれへんし、だけどあのしょっぱいのは嬉しかったで!」

 敵対って感じじゃ無さそうだぞ?


「これかい?」

 まだ持ってるから岩塩を2つ取り出す


「おぉ!それそれ!それくれへんか?」

「まぁ良いけど……どうしてここに?」

 ヴァイア様が知らないって事は勝手にここに入って来たと思うから事情を聞きたい


「こんな綺麗な洞窟やったら宝箱があったら開けたくなるやろなぁと思って入ったけど人は来んわ、来たとしても兄さんだけやし、開けてくれんし、こうなれば兄さんが開けてくれるまで動かへんぞって意地になってたんや!」

 これひょっとして僕が悪い?


「開けちゃったからこれ僕食べられちゃうの?」

「そんな事しようとしてみろ?欠片すら残さんぞ?」

 肩に頭を乗せていたヴァイア様が低い声でミミックを威嚇する


「ま、待て待て……この兄さんにそんな事をする気はもう無いんや。奪われる事はあっても貰う事なんて無かったから感動しとるんや!」

 ミミックが感動してるのかなんか汁が飛び散ってる。泣かないでよ


「兄さん。おらぁ目標を達成したからここを出て行くつもりだ。そこの主さんも勝手に住み着いて悪かったな」

 ミミックがぴょんぴょんと跳ねてダンジョンを出て行こうとする


「待って」

 ミミックを呼び止める


「どうしたんだい兄さん?」

「忘れ物だよ」

 跳ねてダンジョンを出て行こうとするミミックを呼び止め、岩塩を4つ渡す。さっき取り出した2つも受け取る前にダンジョンを出て行こうとするんだから意外とおっちょこちょいだなあのミミック


「こんなに……おらぁ泣きそうや」

 もうビチャビチャなんだよなぁ……


「あと、僕もお世話になってる村が近くにあるんだけど……誰かもう一人くらいは連れて行けそうなんだよねぇ」

「まぁ背嚢に入る事は出来るな?」

 ヴァイア様も僕の言いたい事を理解して背嚢に入れると教えてくれる


「どうかな?」

「おらぁが行ってもええんか!?」

「もちろん。君が良ければだけどね?」

「是非連れて行ってくれ!」

 村に連れて行くのが1人増えた



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