敵主力との戦闘開始
勇者軍を迎え撃つ……まぁ敵主力を釘付けにする為に戦闘だけではなく、他の事でも時間稼ぎをすると考えたらやっぱり食事とかそれなりに時間を稼げると思ったので相手がどのくらい来るのかチェルシーさんに事前に聞いておいて人数分の食事を作り、開けた所に巨大な円卓もプチゴーレム達に作ってもらった。料理も何とか間に合わせて作ったのでバフ値もしっかり作った物より低いけど、一応敵に食べさせるつもりの物なので低くて充分。本当はもう少し低く作りたかったくらいだけど、まぁその分僕の食べる料理の質を上げれば良いだけだ。とりあえずご飯一緒にどうですか作戦で敵の主力を引き付けて時間稼ぎをするという行為は成功した
「い、いただきます……」
「敵に塩、ならぬ敵に飯ってか?ん?そう言えばお前どっかで見たような気がするんだが……」
「あぁ、彼の事ですか?丁度良い姿をしていたので借りているのですよ。だからこの姿に見覚えがあるのかもしれませんねぇ?」
やっべ、グランダさんじゃん……とりあえず適当に言い訳してみたけど、大丈夫だよな?
「なるほど、道理で俺も嫌な記憶が甦る訳だ」
今度はガチ宮さんか。僕には無いけどあっちにはあるだろうなぁ?
「何かこの姿の持ち主に嫌な事でも?」
【違法改造】した野戦生薬で吐かされたり、格ゲーみたいなコンボでボコボコにした事かな?
「それは流石に言えねぇな?にしてもうめぇなこりゃ?」
まぁご飯食べている時にそんな話は出来ないよなぁ
「これうめぇですの!」
えーっと、確かレイカさんだったかな?口が悪いお嬢様キャラだから何となく覚えている
「確かに美味しいですが……」
「敵との食事は緊張しますか?」
「ええ、これからやり合う相手との食事は特に緊張しますよ」
タナカムさんもしっかり食べているけどいつでも腰の剣が抜けるように椅子は円卓から少し離して食事をしている
「素晴らしい。是非とも1対1で戦ってみたいものですが、それは周りの方が許してくれないでしょうね」
まぁ無理だと思うけど一応タイマン勝負に持ち込めるならラッキー程度で煽ってみる
「それは魅力的な提案ですが、私の我儘で周りの人に迷惑を掛ける訳にはいきませんので、謹んでお断りさせていただきます」
大人な断り方をされた。まぁこれは正直断られるだろうと思っていたので何とも思わない
「では食事が終わったら腹ごなしの運動でもしましょうか」
どれくらいこの主力相手に戦えるか分からないけどここで強者ロールプレイを崩す訳にはいかない。何処までも余裕な態度で行くぞ
「「「「……」」」」
僕の一言で敵が全員押し黙る。その美味しいと言っていた食事を全て食べてしまえば戦闘になる……と考えたら食事の手が遅くなる人も居れば早まる人も居る。揺さぶりとして効いてるかな?
「さて、全員料理は堪能していただけたでしょうか?それで、全員で来るのですか?」
「もちろんだ」
「それならこちらも全力を出した方がよろしいですか?」
もう間違いなくヤバいよね。こんな事隠しボスぐらいしか言わないよ?
「舐めてもらっちゃ困るな!お前みたいな奴は俺一人でもやれるぜ!良いから黙って全力を出しな!」
ガチ宮さんは確か……自爆魔法を使ってたっけ?今はお守りを装備して無いし、自爆されると一発で【光子化】が発動してしまうだろうからそれは避けたい。4日目だしやっちゃうか
「威勢が良いですね?嫌いでは無いですが、全力を出すかどうかはまず全力を出さない状態で戦えるかどうか、確かめてみる事から始めてみましょうか」
腕を組んで仁王立ちして、影の中からゲヘちゃんをゆっくり頭から出現させる。一応後ろを振り返って確認するのはダサいので【察気術】で見てみるとゲヘちゃんも腕組み状態で影から出てきていた。分かってるじゃないか……
「「「「「なっ!?」」」」」
おぉ、驚いてるねぇ?というかゲヘちゃんの全身を出したのは今回が初めてだけど、日の当たる所で見ると城よりデカくないか?
「どこからでもどうぞ?」
後ろに超巨大なゲヘちゃんを出しながら言う言葉では無いと思うけど、これで50人を相手にしても戦える
「おや?来ないのですか?ではこちらから行きますよ?」
「ちょ、ちょっとタンマ!?」
ゲヘちゃんの拳を前に出て来ていたガチ宮さんに叩きつけようとしたらタンマと言われたので止める
「さ、作戦会議タイムだ!」
「……まぁ、良いでしょう」
時間稼ぎが出来るんだからそれでも良い。ついでに作戦会議をしてどうやってゲヘちゃんを突破するのか知りたい
「作戦会議は終わりましたか?」
「や、やってやるぞ!」
「では始めますよ?」
「ちょ!?動けなっ!?タンマ!」
作戦会議が結構長かったので眷属としてマッドスライムという見た目が泥みたいで動きの遅い代わりに防御の高いスライムが居たので、そのスライムにガチ宮さんの足にへばり付いてもらって動けなくしたらまたタンマを掛けるガチ宮さん
「またですか?仕方がありませんね……」
「さ、作戦会議だァ!」
作戦会議でまた時間を浪費してくれているので僕としては全然作戦会議をやってもらっても構わない
「もうよろしいですか?」
「おう!今度こそ良いぜ!」
「では行きますよ?」
ワイバーンを影から呼び出し、空に上がる。【ラフライダー】のお陰でワイバーンの背中に立った状態でも問題無い
「あの……もう一回タンマしてもらっても?」
「流石に3回目はありませんね。どうするのか楽しみです」
マッドスライムで動きを拘束し、僕は空に上がって近接攻撃が届かない状態に、そしてゲヘちゃんの巨大パンチをどう捌くのか楽しみだ