危険な兵器
「さて、バリアも解けたし行くとするか」
「大型施設でも小型施設でもお好きな所へどうぞ」
「インパクトが重要なんだろう?なら大型施設を破壊しようじゃないか」
「2人で大型施設破壊ですか。流石に爆弾とか欲しいですね?」
「それならこれを持って行ってください!」
「ん?トーマ君?」
城の前で立っていたら後ろからトーマ君が追いかけて来た
「爆弾なら沢山作ってきました!自分がついて行くと足手まといになると思うので爆弾だけ持って行ってください」
「これは……なんか強化型爆弾って書いてるけど?」
『強化型爆弾 火属性が込められた破壊力抜群の爆弾。爆発すると辺りが火の海になる。消火は困難』
トーマ君から渡された爆弾を見てみると、辺りが火の海になるとか、消火が困難とか恐ろしい事書いてあるんだけど?
「ハチさんが持ってきてくれたあの結晶を使って爆弾を作ってみました!10個あるんで2人でも大型施設を破壊出来ると思います!」
はぇ~、あの結晶を爆弾の素材にするとそんな感じになるんだ……
「最後に、これはとっておきの爆弾ですが……1つしか作れてない最終兵器です」
トーマ君に渡された最終兵器と称された爆弾を見てみる
『ブラックホールボム 濃厚な闇属性が込められた爆弾。爆発すると半径200mを1日間、全てを破壊する時空の彼方に吹き飛ばす』
「これは……昼間に使ったら間違いなく自爆で死ぬ奴だな?」
「ちょっと待ってハチ君?それ多分自分だけは逃げられるけど私は巻き込まれる奴だよね?明らかにブラックホールを発生させる爆弾だよね?流石にブラックホールに吸い込まれるのは勘弁してほしいんだけど?」
「やだなぁ?そんな事しませんよ。これはハスバさんが死ぬときに使ってもらいましょうかね?」
「指揮官万歳!って言って自爆しろと?」
「只では死なぬ、道連れだ。の方がしっくり来るんじゃないですかね?まぁ、これは本当に最終兵器ですよ。半径200mで1日発生し続けるって考えたら砦みたいな大型施設判定のある小さい施設ならこれ1発で破壊が出来るし、1日その施設が修復されないように守る必要も無い。こんなものはそう簡単に使って良い代物じゃ無いですよ。で、トーマ君?これ量産出来る?」
「うわぁ……これは他の人には見せられない顔だ」
クロクマで笑おうとしたら凄い悪い顔になっちゃうか。まぁ、あの爆弾が量産出来たら多分形勢なんて簡単にひっくり返る。敵に奪われた場合は魔王城に持ち込まれたら一発アウトな諸刃の剣だ。例え量産出来たとしても安全を考えて5個以上は作らない方が良いかな?
「量産は難しいですね……闇結晶の量が足りないです。それ1つを作るのにハチさんが取ってきた闇結晶のほとんどを使ってしまったので、量産するのであれば闇結晶を大量に入手してくれると何とか出来るかと……」
「オッケー。集められたら集めておくよ」
闇結晶があれば作れるんだ。それならタイミングがあれば集めるのもやぶさかじゃない。敵が集めていたらそれを奪うのもアリだな?
「自分もこれくらいしか出来ませんが、戦闘頑張ってください!」
「充分な支援だよ。出来れば他の攻撃部隊の人にも威力抑えめで良いから爆弾を1つずつで良いから配れると良いかな?」
部隊全体が一定の施設破壊力を持っていたらより攻撃的な戦法だって出来そうだ
「分かりました!最低限の威力を確保した爆弾なら量産出来そうなので、頑張って他の人と協力して作ります!」
トーマ君なら問題無くやってくれるだろう
「それじゃあ破壊の限りを尽くしてくるよ」
「冗談に聞こえないねぇ?」
ハスバさんの影に入り、走ってもらう。お腹が減ったなら口にサンドを無理矢理詰っ込んで走ってもらうぞ?
「いってらっしゃい!」
「「行ってきまーす」」
トーマ君に見送られ、城から走り去る
「それで、どうするんだい?闇結晶がありそうな鉱山に行くか、それとも施設を破壊しに行くか」
さっきのブラックホールボムの説明を見たからか、闇結晶の重要性がハスバさんの中でも上がったんだろう。施設破壊と闇結晶採取の2択で迷っているみたいだ
「闇結晶は一旦後回しで良いと思います。まぁこの前に破壊した街だと素材とか貯蔵されていたんで、破壊しに行くついでにあればかっさらえば良いんじゃないですかね?」
量産出来れば確かに大勢は決するだろう。でも、素材が足りなくて作れない物を戦力として計算するのは良くないし、この前破壊した街みたいに素材貯蔵庫みたいなところがあれば探して調達するくらいで良いと思う。わざわざ鉱山に行って採掘するより、集まった素材を貰った方が時短になる
「大分思考が蛮族化してるねぇ?」
「妨害と調達が同時に出来た方が楽じゃないですか。で、誰が蛮族ですか?」
「ちょいちょい、勘弁してくれ。ハチ君に後ろを取られたら比喩でなく首が飛ぶ。俺の後ろに立つな」
「場面が違うとカッコ良いんですけどね?威嚇になってないですよ」
あれはダンディでミステリアスなスナイパーが言うからカッコイイのであって、スク水の忍者頭巾(その他諸々)が言ってもそこまでカッコ良くはない
「とりあえず近場の大型施設に向かおうか」
「ハスバさん、期待してますよ?」
「指揮官の為にも一肌脱ぎますかね……」
「そこからまだ脱ぐつもりですか?」
「ご所望ならば」
裸マントに靴と鎧(片腕のみ)とか絵面が地獄そのものなんですが?
「脱いだら敵と味方全員の為を思ってハスバさんを消しますね?」
「ヒエッ」
何となくハスバさんならやりそうと思ってしまったので、一応警告だけはしたけど、こんな調子で大丈夫かな?