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戦場の配達員

「へいお待ち!ご注文のサンドお持ちしました!」

 防衛部隊の人を見つけたので、城から拝借したお盆にインベントリから出した特製スタミナサンドを並べて出す


「うおっ!びっくりした……なんだハチか、んで、これが噂の指揮官サンドか?」

「えっ、何ですかその変な名前は……とりあえず他の部隊メンバーにも配ってあげてください。じゃあ次の部隊に届けに行くのでこれで」

 ダイコーンさんの部隊は確か17人だから17個で良い。端数というか、人数が他と違う部隊は1番に割り振っている。攻撃は1番が8人。防衛は1番が17人。押し付けて悪いかと思ったけど、ロザリーさんなら少数精鋭、ダイコーンさんは集団戦法が使えるようにと微調整をやってみたけど……今日の夜はその辺もしっかり聞いた方が良いかな?


「へいお待ち!」

「来たなぁ!指揮官サンド!」

 なんでその名前で広まってるんですかね?


「あっぶね!へい!お待ち!」

「うわっ!?あっ!来た来た!ロザリーさん!一旦引くよ!後ろの防衛部隊とチェンジ!」

 最前線の攻撃部隊の所に届けに来た途端、他の人を狙った矢が飛んできていたのでキャッチ。そして攻撃部隊の人にサンドを渡し、攻撃部隊の人達に紛れて一緒に一度退こう。後ろからサンドイッチを食べた後であろう防衛部隊がやってきたので戦闘を任せる。偵察にもご飯を持っていかなきゃいけないしね?


「ヒャッハー!行くぞお前ら!」

「グワァァ!」

「ゲコォ!」

「ウキャキャ!」

 猿とか蛙とかアヒルとかモヒカンとか……百鬼夜行かな?


 バイクで先導して、他の人も色んな眷属に乗ってこっちに来ている。眷属に乗る事で移動速度も確保出来るのは良いな?部隊全体の機動力が上がれば救援、撤退、進軍、全部に役に立つ。これは眷属の分の食料とかも用意しないとダメか?だとしたらあっという間に食糧難になる可能性大なんだけど……この辺もしっかり聞いておかないとダメそうだな?


「ここは俺達に任せて先に下がりなぁ!」

「あぁ~それ言いたかった奴ぅ!俺に任せて先に行け!ここから先は誰も通さねぇぜ!?」

 ダイコーンさんの後ろに居た人がちょっと乗り遅れた感じで決め台詞を言っているけど……最初に言っちゃった言葉のせいで台無しだ。次のチャンスがあった時はしっかり決めてくれ


「はっ!でもぉ……アンタらを置いて行けないよ!」

「生きて帰るからさっさと下がんなぁ!」

「トゥンク……」

 なんか芝居が始まった。そんな事してる暇無いんですけど?あと攻撃部隊の女の人もノリ良いな?


「それじゃあ防衛部隊の皆さん。あとは頼みますね?偵察の皆にも配りに行かなきゃいけないんで……夜まで頑張りましょう!あぁもう!話してる最中くらい攻撃が来ないのはお約束じゃないの!?」

 矢を掴んで防ぎながら撤退をしようとしていたのに、芝居をしている2人には矢が飛んでこないのに僕には矢が飛んで来る。なんで?


「何気に凄い事やってるね。指揮官殿?」

「ロザリーさん。被害状況はどうです?」

「一応死亡はまだ0で済んでいる。致命傷を受けたものは居るが、まだ死んでいないから死亡は0だ」

「確かに死ななきゃ何とかなりますしね。とりあえずその致命傷の人は……あの人か」

 明らかに赤ポリゴンが大量に出ている人が1人居た。回復させるか


「はいちょっとごめんなさいね……【ライフシェア】これで死にはしないでしょう。それじゃあ他の偵察達に配達に行くんでこれで!」

 HPの半分程度を致命傷を受けた人に渡し、配達に向かう。HPゲージが見えたけど……やっぱり半分も回復出来ないかぁ……まぁ見た目的に戦士系の人だし、HPは多いのかもなぁ


「え?何この回復魔法……」

 説明する時間は勿体無い。偵察の人にもちゃんと配達せねば




「はい、ご飯持ってきたよー」

「どうも!」


「お待ちどー」

「おぉ、これが……」

紫電ボードを使って他の偵察達にサンドを配る


「へい、お待ち!」

「おぉ!これは素晴らしい!美味そうですね!ところで指揮官?私、敵陣に行ってみたいんですが……その、食料が心配でですね?」

「もっと寄越せって事ですか?」

 チェルシーさんの所に着いたのでサンドを渡したけど、なんか追加要求してきた


「はい、一応1日いっぱいは向こうに潜伏して情報を集めようと思うので、食料不足で動けなくなるのは避けたくてですね?」

「それじゃあ追加で2つあげます。1つで空腹度50%回復するんで、1日分にはなるはずです」

 3つもあれば150%回復出来るんだ。1日潜伏する分には充分な量だろう


「それだけあれば充分です!では、偵察に行って参ります!」

「じゃあここの偵察は僕が代わりますんで心置きなく行ってください」

 ここで敵が内側に回って進攻してこないように見ておこう


「そういえば着替えたんですか?」

「……まぁそんな所です。とりあえず偵察を頑張って生きて帰ってきたらまた何か作ってあげますよ。今日は僕、バリアの中でご飯の準備とか色々やるつもりなんで……これ一応貸しておきます」

 黒くなったローブにツッコまれたけどスルーして、話題を逸らす為にギリーマント2種をチェルシーさんに貸す


「おぉ!これは草と岩のマントですか!これなら隠れるのに使えそうです!」

「それじゃあ敵陣偵察頑張ってください。無理だったらすぐに偵察は諦めて良いですから」

「いや、偵察を諦めた所でバリアで帰れないよハチ君?」

「帰れないなら敵陣の中で寝れば良いんですよ。僕も初日に燃やした街で一旦休憩しましたし」

「そんな事出来るのハチ君だけだよ……」

 まぁ【レスト】を使って圧縮睡眠みたいな事が出来なきゃ厳しいか。でも敵陣の中に入ってしまった方が警戒されないから楽なんだけどな……



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