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351/2001

配達任務

「ホフマンさんが居ればなぁ……」

 最初にここに来た時に周りは見たけど、ホフマンさんは居なかった。勇者軍に居るんだろうなぁ……見つけられたら引き抜き出来るかやってみたい所だ


「まぁホフマンさんも向こうで大量の料理を作れて良いのかもしれないけど……やっぱり一緒に料理したいなぁ」

 勇者軍は凄い人数が居るだろうから料理するのも一苦労だろう。鍋を振るっている姿が簡単に思い浮かぶ


「調味料も結構充実してるし、沢山作れるようにかなり大きい調理器具もあるから一気に大量に作れるのは本当にありがたい……これならパン生地も一気に作れそうだな?」

 帰ってきたら皆の主食になるだろうパンを作らなければならない。その時にチマチマ作るのでは効率が悪いのでこういった大きな調理器具はとてもありがたい


「まずは30セット!」


『特製スタミナサンド 肉と野菜がギッシリ詰まった満足度の高いサンドイッチ 空腹度50%回復 STR+15% INT+15% 2時間』


 ステーキと野菜、それにたっぷりソースをかけたものを焼いたパンで挟む。すぐにインベントリに仕舞えば温かい状態で運べるだろう


「えーっと、今前線で戦ってるのは……6部隊か」

 現状前線で戦闘中は両サイドに展開していた攻撃部隊が2部隊に、防衛が4部隊。中央は偵察5人が見張っている状態なので来たら分かるだろう。90セットくらい作れたら配達に行くか。精鋭揃いとは言え、ご飯も食べずにいつまでも戦闘は出来ない。タイミングが悪ければ補給も出来ないだろう。戦闘が激化する前に出来る事は色々やろう




『偵8から前線で戦闘中の部隊へ、防衛部隊も戦闘に参加中のようなので簡単な物ですが、料理を作ったので配達しに行きます。1人1つですが、空腹度の回復量はそこそこあるので今凌ぐ分には足りると思います』


『出来るだけ早く頼みます!空腹度が25%切ってるからちょっと困ってる所なんだよねぇ……』


『指揮官が料理を作って配達するのか(困惑)』


『飯が来るならありがてぇ!頼むぜ!』


『一応眷属達が頑張ってくれてるから何とか戦線崩壊はして無いけど……増援が来ると流石に厳しいかもしれない』


『中央は指揮官様が色々やってくれたお陰で敵は来ていないよ。両サイドの戦闘を凌ぎ切れば今日は何とかなりそう』


『とりあえずグリッドのA側から配達していくので、I方面で頑張ってくれている方はちょっと待っててください』


「おーい!指揮官!」

「はい、指揮官です。どうしました?」

 調理したサンドもインベントリに仕舞ったし、これから配達に行こうと思った時に呼び止められた


「メッセージ見たんだけど、俺も配達手伝うよ!I方面から配れば良いんだろ?」

 チラッとマップを確認すると、僕とほぼ同じ位置に虫メガネマークがある。この人も偵察か


「ええ、そうですけど……お願い出来ますか?」

「任された……って言いたい所だけど、1つお願いが」

「何でしょう?」

 この状況で何かお願いされても答えられるかは分からないぞ?


「指揮官が作ったって言う料理……俺も食べたいんだけどさ?」

「配達するから食べさせてくれって事ですか?」

「そうそう!」

 そういう事か。ご飯食べたかったのね


「一応皆の分は作りますけど、前線で戦っている人の分を急いで作ったんで……まぁ余裕が無い訳では無いんで1つくらいなら良いですよ。はい」

 サンドを1つ渡す。ほぼ出来たてだから美味しいぞぉ?


「うおっ!美味そう!」

「じゃあこれで、配達お願い出来ますか?」

 一応120個作ったので1部隊に15、6人程度を想定しても6部隊なら一応は余る計算だ。これを半分持って行ってもらえば僕がフィールドを横断しなくて済む


「オッケー!任された!ってこれ空腹度回復50%!?しかもバフ料理じゃん!」

「多分イベントだから料理が強化されてる的な物じゃないですかね?」

 適当な事を言ったけど、多分この魔王城も完全なセーフティエリアでは無いから僕が料理する時に【無頼】や【サバイバル術】が働いて良い感じの料理が作れたんだろう


「なるほどなぁ……なんでも出来るんだな?」

「何でもは出来ませんよ。出来る事だけ」

 とりあえずこう言っておくべきだろう。まぁ色々出来ないと《お金》縛りみたいなプレイは出来ないし、これは生きていくうえで自然に身についた事だ。お金があると便利にはなるけど、苦労は買ってでもしろという言葉があるように、お金を使わずにどうやったら出来るかとか考えるのも良い物だ。こういう時に役に立つし……


「とりあえずI方面は任せてくれ!AGIには結構振ってるから移動速度には自信があるんだ。まぁ指揮官様の意味分からん移動速度程じゃ無いけどさ……特に夜」

 夜の【影移動】に追いつけたら流石にヤバい。それこそ空でも飛ばないと無理だろう


「それじゃあお任せします。連絡もしておくので出来るだけ早く届けてあげてください」

「それでは、偵察3!これよりI方面への配達任務を開始します!」

「偵察8、A方面への配達任務を開始します」

 ノリを合わせて配達を開始する


『偵察3がI方面への配達を買って出てくれたので、そっちも結構早めに配達出来そうです』


『すげぇ美味かったから期待して待ってな!』


『おめぇ!何先に喰ってんだよ!』


『これはさっさと配達してもらわないといけませんねぇ?』


 言わなきゃ良いのに……



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[一言] 食べ物の恨みは・・・怖い怖い
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