連携
『D7の村を確認に行ったが、ビンゴだ。200は越えそうな人数が村に居る』
『それが修復部隊だと仮定して、倒せれば敵の前線を形成する奴らも下げる事が出来そうだな?』
『それじゃあ砦攻略の2部隊と村を破壊する指揮官で今回は戦うのか?文字にすると頭悪すぎる作戦だけど……指揮官様なら村ぶっ潰す位出来そうに思えてきた』
『あの……一応戦力に余裕があれば村にも来てほしいですけど?』
『ま、砦に注力しておけば何とかなるだろう』
『そっちの砦攻略は任せたぞ?こっちも頑張るからよ!』
『ヒャッハー!防衛部隊も居るんだからな?ヤバくなったらすぐに引け。そうしたら防衛部隊が守ってやるからよぉ?』
『ヒャッハー先輩……』
『兄貴と呼ばせてください!』
『カッコ良すぎだろ……』
うん、ダイコーンさんのこの言葉はかなりカッコイイし、安心感もあるだろう。これなら砦攻めの士気も上がるだろう……けどアレ?僕には何もないの?
『あの……村に戦力は?』
『指揮官なら多分大丈夫でしょ?』
『指揮官ならやれるでしょ?』
『むしろ指揮官に更に攻撃部隊とか戦力過剰でしょ?』
『僕の評価おかしくないですか?』
明らかに僕に対して過剰評価な気がする。一応相手は非戦闘員の可能性が高いけど、全く戦闘が出来ない訳じゃ無いと思う。そんな相手約200人を相手に僕1人で戦うので丁度良いって思ってるの皆?
『だってあんな敵陣の奥の街1人で燃やしてるんだから心配するだけ無駄でしょ?』
『あれを見せられて心配する方が無理があるでしょ?』
『指揮官さん、もう誰も貴方の事を心配なんてしないと思うよ?』
『グサッと来る一言だぁ……これはもう村潰すしかない』
『草』
『草』
『草』
味方に背中から刺された気分。まぁこれは僕を信頼しているからこそ、援軍は要らんだろっていう意味として捉えよう
『では、今からD7の村に向かいます。ちょっと時間を空けてから砦に攻撃してもらえればお互いに陽動になると思うので助かります。あ、あと多分なんかデカい物が出るかもしれませんが、気にせず戦ってください。砦には関係ないんで』
『指揮官、またなんかやらかすんですね?』
露骨に警戒されてる。まぁそれならそれで良いんだけどね?
「ちゃっちゃと済ませて他の所も見てみないとなぁ……」
今回はほぼ中央の砦2か所での戦闘。ここで時間を掛け過ぎれば敵の援軍が来るし、修復部隊なんていう恰好の獲物は逃げるだろう。修復部隊に対しては完全に電撃戦で仕留めなくては……
『あ、指揮官?一応何するかは分からないけどとりあえずインパクトある事するん?』
『一応そのつもりです。砦からも見えると思うんでインパクトは充分かと』
『そんなインパクトすげぇのやったら中央を避けて両サイドから敵軍が来るんじゃ?』
『……両サイド任せても良いですかね?』
そうだ。やり過ぎたら避けられて両サイドから敵がこっちの城に向かってくる可能性がある。両サイドにもしっかり布陣をしておく方が良いだろう。真ん中スカスカ端ギッシリという普通だと怒られそうな布陣で敵を迎え撃とう
『任された。やっと俺達も戦闘すんだな?』
『待ちくたびれたぜぇ……やってやろーじゃん!』
『そもそも攻撃部隊がメインで戦うよりも先に指揮官が派手にやり過ぎなんよ。こっちのやる分も残しておいて欲しいレベルなんだが?』
それもそうだな。そうじゃないと部隊分けをした意味がない
『じゃあお願いします。左右に展開する攻撃部隊の皆さんはお客さんが来たら丁重におもてなししてあげてください』
『丁重におもてなし……ね』
『おぉ!こういうのやりたかったんだよ!おもてなし任務任された!』
僕もこういうのやりたかったんだよ。あと何個かやりたい事はあるけど、それはそのタイミングが来たらそれとなーくやってみよう
「とりあえず腕だけかな……ゲヘちゃん?これから村に攻撃するんだけどその時は影から腕だけ出して攻撃してくれる?叩きつけるだけで良いからさ?」
「ゼンシンハ、サラサナイホウガイイ。ソウイウワケデスネ?」
「そうそう、どう?上手く出来そう?」
「ヤッテミセマス!」
まぁゲヘちゃんならなんとかやってくれるだろう
「オッケー!それじゃあ行くよ!」
D7の村に向かっていざ出発!
「って言ってみたは良い物の……これ相手にするのかぁ」
200人って報告だったけど、これもっと居ないか?まぁやるだけやってみるか
そうして戦闘を始めようとした時に遠くから爆発音がした。チラッと見てみたら砦で爆発が起きている。戦闘が始まったか、じゃあ僕も行動を起こさないと
「よし、やるよ!ゲヘちゃん!」
「ハイ!」
んー……これならあの時ピエロの服貰っておけば良かったかなぁ?
「やぁやぁ、皆さんお元気ですか?」
「なんだ?」
「敵か!?」
村の人達に姿を晒すか迷ったけど、ここはもう悪い奴ムーブで印象付けて、僕の事を広めてもらえればいつかやってもらった白ローブ囮作戦とかも出来るんじゃないかな?泥団子とか白ローブとか、こっちにとって有利な情報を押し付けて行こう
「これからショーを開催します。奮ってご参加ください。いや、参加させます」
「おいおい、何言ってんだコイツ?」
「流石にこの人数差なら俺達でもやれんじゃね?」
圧倒的人数差にほぼ非戦闘員と思われる人達も勝てると踏んで僕を囲もうとしてくる
「イッツショーターイム!」
いやぁこういう狂人的ポジションならマジでピエロ服が似合うと思う。イベントが終わったらまたあのサーカス団を探してみようかな?
僕の言葉に合わせて足元の影が伸び、少し離れた所に煤けた金属の巨大な塔が建ちあがる
「な、なんだぁ!?」
「塔!?」
「ウデ」
「腕!?」
それは塔などでは無く、ゲヘナ・マキアの腕。ゲヘちゃんの腕ってこんなにデカかったっけ?
「それでは皆さんお楽しみください」
「「「「「うわぁぁぁぁ!」」」」」
塔のような大きさのゲヘちゃんの腕が村に向かって振り下ろされる。大きいからゆっくりに見えるけど実際には中々スピードもあるから避けるのも一苦労だろう。完全に他人事である
「逃げろぉぉ!」
「村は放棄するんだ!」
「撤退だぁ!」
「おやおや?もうお帰りですか?まだまだこれからですが、帰るのでしたら送ってさしあげます」
ダメ押しとばかりにゲヘちゃんのもう片方の腕を影から出させる
「おいおいおい……」
「嘘だろ!?」
「マジかよ……」
帰りたいのであれば掴んで投げて送り帰してあげよう




