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20秒の見せ場

「おっしゃお前ら!タイマンで片付けろ!」

「アハッ!ねぇねぇ?あの一番イキが良いの私が貰っても良い?」

「良いんじゃない?ん……」


『一応見せ場と安全を考慮して20秒後に支援始めます』


「20秒でハチから支援が来るから一人で殺りたいならさっさと殺った方が良いわよ?」

「はーい!」

 元気良く返事をし、両手に持ったフランキスカを構えて突撃するキリアさん。そしてそれに合わせて他の人も動き始める。皆初戦が撮られているかもしれないと思うとカッコよくしたいので隊列もバッチリ決まってるし、何よりさっき後ろからキリアさんに「私達がやりましょうか?」とか言ってた人も言い終わった後にやってやったぜと言わんばかりに一瞬ドヤ顔をしていた。要するに「ボスが出るまでもありません。ここは私が」的なノリをやりたかったんだろう。ああいうの良いなぁ?


 両軍が砦の敷地に入ってからぶつかる今の今まで、僕は見つかっていないので戦闘支援も楽だろう。攻撃部隊の人達も連携が取れてるし、ここは動きの阻害だけで充分かな?


「さて、戦闘開始か」

 砦の一番上だとちょっと距離があるので、降りて相手の背後に移動。以前は這ってたけど今じゃあ壁に立つ事だって出来るから両手もフリーだし、走る事だって出来ちゃう。危なそうなら20秒を待たずに支援に行こう。卑怯?こういう戦闘においてそんな正々堂々戦う訳が無い。全体の人数がとんでもなく違うんだ。出来る限り損耗を抑えて戦いに勝つのが一番重要だ


「これ、僕の支援要らないんじゃないかな?」

 危険になったら支援しようと思ったけど、キリエさんが的確に遠距離攻撃しようとする奴の攻撃を潰し、フランキスカを投げて攻撃した後に人を捕まえてぶん投げるキリアさん。そしてその2人を主軸に囲まれないようにカバーする人達。上から見てるだけでも分かるが、動きが違う。こっちは統率が取れてるけど向こうは個人が好き勝手に動いているって感じだ。これなら確実にこの戦闘は勝てるな


『出来るだけ手の内は見せない程度で行けますか?』


「どうしたの?その程度?」

「んだとこのヤロォ!ぐふっ!?」

 膝に銃弾を喰らい、強制的に跪かされる男。弓矢じゃないから衛兵にはならなくて済むかもね


「弾が勿体無いからあとよろしく」

「了解しました」

 調教……いやいや、統率が取れてるからこその態度か。あの感じだと手の内を晒さないというのは既に決めていたっぽいな


「ここからは俺がお相手しよう」

「あっ、残念だけど時間切れね」

「えっ」

 20秒経ってしまったので支援入ります


「なっ!なんだコレ!?」

「クッソ動けねぇ!」

 強度マシマシ、粘性高めの魔糸を勇者軍の人達に浴びせる。よっぽどのパワー極振りでもない限り、武器を使わないと切れないと思うけど、前掃腿、後掃腿で体勢を崩したところで背中から魔糸を浴びせられたら地面に貼り付け完了だ


「クソ!撤退だ!」

「あっ、お帰りには充分注意してください」

「はぁ?何を言って……ぐわっ!」

「そこ、もう通れないんで」

 先程の強度、粘性にプラス極細。背後に移動していた時に退路を魔糸で塞いでおいた。あとは煮るなり焼くなり攻撃部隊にお任せだ


「では」

 支援も終わったので軽くお辞儀をして砦から移動しようか考える。修復されないように大型施設の残骸で防衛するのもアリだよなぁ


「アハッ!ねぇねぇ!このイベント終わったらまたバトルしようよ!」

「ひえっ」

 糸で動けなくなった奴の首にフランキスカを叩き落とし、敵をポリゴンに変えながらまたバトルしようとか言ってくるキリアさん。まぁ色々能力も前から更に追加されただろうし、バトルしたらまた違うかもしれないけど、出来れば軽くお話しする程度の仲で居たい。仲良死(なかよし)までは行かなくて良い


「……まぁ考えておくよ。でも流石にそれでイベントに集中出来ないとかはやめてね?そうしたら問答無用でバトルはしないから」

「はーい!じゃあこれからどんどん敵を倒していくよ!」

「ちゃんとキリエさんの指示にも従うんだよ?」

「もちろん!お姉ちゃんの言う事は聞くよ!」

 こう会話している最中も魔糸に捕らえられた敵を一人ずつポリゴンに変えていくキリアさん。これキリエさんが居なかったら絶対制御出来ないよ


「バトルの時は私も一緒ね?」

「……考えておきます」

 今からイベント終わりが怖いなぁ……


「俺の見せ場ェ……」

 1人うな垂れているのは僕が支援に入る直前に「ここからは俺がお相手しましょう」とか言ってた人。すまない……僕もちょっと見せ場が欲しかったんだ


「7日もあるんだからまた次がありますよ。僕もいつでも支援出来るかは分からないので、その時が来たら頑張ってください。あ、皆さんこれどうぞ。即席で作った物なんで大したものじゃありませんが、ジャーキーです」

【違法改造】していない猪ジャーキーを攻撃部隊の人に配る。一応戦闘したし、すぐに空腹度回復に使える物は攻撃部隊に渡すべきだろう


「お、おう……サンキューな」

 うな垂れていた人もジャーキーを貰って立ち直る。やはり食べ物は全てを解決する……


「それじゃあ僕はまた偵察に行くので攻撃部隊の人達も頑張ってください。それじゃ!」

 敵が全部ポリゴンになったところで魔糸を消去して、先に進んでみる。まだ日も高いから出来る限り施設には近寄らないようにして、次は鉱山みたいな所でも行ってみるかな?



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― 新着の感想 ―
[一言] 恥ずかしいやつだねw
[一言] >「それじゃあ僕はまた偵察に行くので攻撃部隊の人達も頑張ってください。それじゃ!」 と言った後に影の中に「トプンッ」と沈むのカッコいい件 もしくは言ったとに建物の影に入って消える カッコいい…
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