表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
333/1999

突出

「あら、お帰り」

「お姉ちゃんただいま!」

「よし、それじゃあ僕は偵察に戻ります。今の所一番近いのはキリエさんの班なんで、もし敵が出た場合はよろしくお願いします」

「えぇ、任されたわ。早く戦いたいからちゃっちゃと見つけちゃって?」

 戦闘狂が滲み出ている気がする。姉の方はまだ自制してるだけで内面は2人ともバトルジャンキーだよなぁ


「それでは探してきます」

 敵を見つけるまでは偵察、見つけてからは部隊に報告して戦闘の補助か後ろから削るかな?




「これ絶対指揮官って言わないよな?」

 最前線で偵察。それに妨害とか改めて思えば指揮官がやる事じゃないと思う。まぁ、やるけど


「とりあえず頑張って探すか」

 問題児1名を送り届けたのでこれからは偵察に専念出来る。僕の他にもチェルシーさんやアイリスさんも偵察部隊だし、負けない様にしっかり索敵だ。森はしっかり道とか覚えておけば森に敵を引き込んでから倒す時にも楽になる。多数を相手にするなら障害物は多ければ多い方が良い。こういう場所は出来る限り探しておきたい


「森は……薬草とかも生えてるんだな。こういうのも集めておくか」

 薬草は集めておいて損はない。攻撃と防衛の人達の為にも集めておいた方が良いだろう。食べ物没収ってまさかの回復アイテムとかも没収だったので結構辛い。まぁでも何より辛いのは違法改造ジャーキーを没収された事。あれが無いとベルトパワーを気軽に使えないのでちょっと困る。でも調味料セットを没収されなかったのはやっぱり現地で食材入手して調理しろって事かな?


「おぉ!猪居るじゃーん!」

 森の中には生き物もちゃんと居る。ここで狩りをして食料確保とかも出来るな……皆には申し訳ないけどこの1頭だけは僕の分として頂こう。スライムゼリーは食料じゃないから没収もされなかったし、猪ジャーキーを作って【違法改造】ジャーキーを入手するのは僕にとっても結構優先順位が高いかもしれない


「まずはやってみるか」

【影移動】で猪の背後に移動しよう……と思ったけどちょっと試してみなきゃいけない事がある。これが成功すれば僕はかなりの奇襲力を得る事が出来る


「【レスト】」

「フギュゥ……」

「やった!」

【影移動】で影の中に居る状態でも魔法を使う事が出来た。とりあえず発動距離は通常と同じくらいか若干短い程度かな?なら充分実用的だ。あともう一つ調べなきゃ……


「はっ!」

「ブギュッ!」

 影の中からサマーソルトキックで猪の頭を蹴り上げる。うーん、何か水中で蹴ってる感覚だ……地面を蹴った気がしないから良い一撃が入ったとは言えない。影の中からの攻撃はダメそうだな……


「ならっ!」

 一度影の中に戻り、若干助走をつけて影から飛び出して猪に対しローリングソバット。これなら飛び出した勢いがそのまま使えるので威力がある程度保証される


「ブッギョア……」

 これならオッケーか。まぁでも飛び出して攻撃するより、【影移動】で敵の背後を取って地面をしっかり踏みしめた攻撃の方が威力は高いかもしれない。もしかすると【影移動】を組み込んだ攻撃は威力が落ちるのかな?


「よし、これはもう少し離れた所で解体しよう」

 自陣近くで猪の死体を解体している姿は見られたくない。まぁ敵陣でも見られたくは無いけど……もうちょい先の森で解体していれば敵の接近にも気が付けるかな?


「一旦泡沫バッグに仕舞って先に進むか」

 死体を仕舞い、森を出て地図を確認する。この先にある近い森は……


『偵察部隊の方へ、F5の森へ偵察に行きます』


『え?もうそんな所まで行くんですか?』


『移動早くない?』


『とんでもない移動スピードしてんな?』


『早過ぎィ!』


「えっ?」

 そんなに速かったかな?まぁ流石に森に着くまでは紫電ボードで移動したりしたけど……まぁ偵察って考えればもう少し時間を掛けた方が良いかな?




 F5の森に辿り着いたけど……今の所敵対存在のオーラは感じないかな?これなら猪解体もすぐに出来そうだ

「えっと、多分ここがロースでここがモモ、バラに……これがヒレかな?しっかり使わせていただきます」

 猪からお肉を頂き、木のプレートの上で短冊状に切っていく。今回はソミュール液は無いので塩と醤油で味を付けたらスライムゼリーで水分を一気に抜いて簡易ジャーキーを完成させる。そして【違法改造】を使い、クッソマズい空腹度減少無効のジャーキーを作る。一応普通のも食べたいから改造ジャーキーは10個用意した。即座に使える分が10個あればそれなりに戦えるだろう


「こっちも一応使えそうだな」

 猪の皮が残っているからこれを被って猪のフリとかも出来なくは無さそうだな。ししがみの所へー……じゃないじゃない。野生の猪に紛れて相手を騙せたりするかな?


「一応皆の場所確認しておくか」


『全体へ、位置情報を頼みます』


『指揮官、指揮官がマップに追加していた移動出来るマークですが、指揮官が許可すると許可した人が動かす事が出来るみたいです。なので許可ください』


 マジか、それならほぼリアルタイムで位置情報が分かるじゃん……メッセージ使える人全員に許可を出しておこう


『なぁ?なんで指揮官だけこんな突出してるん?』


『なんで僕だけ孤立してるん?』


 大体のマークはグリッドの2か3のライン。僕だけ5のラインまで進んでる……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 違法改造ジャーキーで思い出したけどあのメーターって味、満腹回復度、追加効果の3種類だからやろうと思えば何故かいくらでも食べられる超極上のジャーキーが出来るんだなーと思いながら、別にジャーキー…
[気になる点] どっかにあったかもしれないけど魔王城がA1で勇者城がH8とかかな? もしくはD1とD8? 恐らく他の人より2倍くらいの速さで移動してるハチくん……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ