表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
331/2018

ギャップ

「よーし、決まったな。それじゃあメッセージ役の人は集まっとくか」

「あの指揮官様ばかりに任せるのも可哀想だしな?」

「ま、ここは大人な私達がやらないといけませんね?」

 攻撃部隊の部隊長はロザリーさん、防衛部隊の部隊長はダイコーンさん、偵察系部隊(?)の部隊長(?)はチェルシーさん。という事になったみたいでメッセージを受ける人を選び終わった


「では、この30名に伝える力を授ける」

 バルミュラ様にメッセージ機能を回復させてもらう。これでとりあえずはオッケーだ


「部隊長がやられた時は他の人が連絡をするという事で……それじゃあ皆さん!頑張って行きましょう!」

「「「「おぉー!」」」」




 各部隊に別れ、城を後にする人達。僕は一旦残り、隣の眷属が居るとかいう部屋に入る。結構魔物が居るな?


「あぁ~、どうして僕なんだよぉ!一応勝つ為に頑張るけどさぁ……」

 床に倒れて、弱音を吐いた。やっぱりロールプレイのお陰で人前で結構話せるようになったと思う。恥ずかしがらないで堂々とする事で案外何とかなるかもしれないけど、今回のは精神的にかなり疲れた……


「グア?」

「あぁ、聞いてくれる?皆して僕に指揮官やれって……」

 その部屋に居た魔物達に軽く愚痴を聞いてもらった。愚痴を言った所で魔物達にはどうしようもないけど僕としては気が楽になる。人相手より魔物相手の方が会話しやすいってどうなの?


「はぁ……皆愚痴聞いてもらって悪いね?とりあえず僕もここでいつまでもサボってる訳にもいかないから、もう行くよ。ありがとうね?」

「グアグア」

 愚痴ってスッキリ。もう決まった事だから出来るだけ他の人にこういう所は見せないようにしよう


「さて、それじゃあ行きま……」

「「「「「ムフフフフ」」」」」

 扉の方に目を向けたら結構な人数が僕の事を見ていた。いや、ちょっと待て?よく見たら扉の隙間からチラッとデカい画面が見えたぞ?


 僕が扉に向かって走ってきた事で逃げ出す人達をよそ目に隙間から見えた大画面を確認する。後ろを見る。うん、同じ絨毯が見えますねぇ?


「あの……もしかしてとは思いますが、これはバルミュラ様が?」

「うむ、指輪無しで我が眷属達と会話が出来るとは恐れ入った」

「いやぁ、愚痴が可愛らしかったですねぇ?」

「うぉぉぉぉぉ……」

 頭を押さえて膝を着く。バルミュラ様はただ、指輪無しで部屋に入った僕が気になったからやっただけなんだろう。でも他の人は違う。指揮官の情けない恰好をガッツリ見られた。これはヤバい……士気に関わる


「私達も指揮官殿がストレスで潰れてしまわないように頑張ろうか。よし、改めて行くぞ!」

「こっちもまだ守る場所はここだけだから食料調達に行くぞ。籠城戦を考慮すっと、食いもんは必須だからな」

「良いものも見れたし、情報収集に行きますか」

 ウキウキでまた階段を上がっていく人達。そしてちょくちょく聞こえてくる声


「俺があの立場だったらキツイしなぁ……」

「かわいい……」

「あのギャップはアリかも」

「流石に大画面で公開されるのは可哀想だな」

「チェルシーさんが皆戻れって言うから何事かと思ったら良いもの見させてもらったな」

 恥ずかしさで顔から火が出そう……


「すまないな。だが、結果として結束力は上がったはずだ。献身に感謝する」

「……この身の恥で結束が高まるのなら安い物です。そろそろ行かなければ他の人に示しが付かないので」

「待て、指輪無しで眷属と話せるのであればこやつを連れて行くと良い。1体しか居ないが、充分役に立つはずだ」

 バルミュラ様が手を叩くと眷属が居た部屋から何かがやってくるオーラを感じる。音はしないがなんだ?


「ほう?来るのが分かるのか。これは頼もしい指揮官だ」

「おぉ?影?」

 僕の足元の影に吸い付いて僕の影と一緒になった影の魔物?


「それは影のスピリット。クセはあるが、光の無い所ならどこにでも行ける。影の中に入る事も出来るぞ?」

 ほほぉー、それは良い。しかもこの感じだと僕の影に勝手に入ってる感じだからスピリットに対しての攻撃とか気にしなくても良い感じかな?


「夜ならば空を飛ぶワイバーンよりも早く動けるだろう」

「ワイバーンがどのくらいの速さで飛ぶかは分かりませんが、素晴らしい眷属を与えてくださり感謝します。それでは改めて行って参ります」

 バルミュラ様にお辞儀をしてから階段を上がろうとしたけど、この階段、ちょっと暗いから早速影スピリット君の力が使えるんじゃないかな?


「スピリットさん、僕に力を貸してくれるかい?」

 階段手前でスピリットに語り掛けてみる。これで力を貸してくれると良いけど……


『イベント限定スキル 【影移動】 を入手』


『【影移動】 イベント限定スキル(イベント中に限り、使用可能) 影や暗闇に潜み、移動する事が出来る。明るい場所では使用出来ず、使用中に光に照らされた場合、強制的に影から出される』


 力を貸すってそんな直接的なのか……もっとこう、スピリットさんが僕を運ぶとかそういうのだと思ってた


「それでは」

 最後にもう一度だけバルミュラ様にお辞儀をしてから【影移動】を使用してみる。何となく、水に入る感覚と似てるなぁ……でも抵抗が無いからベルトパワーを使ってる時と同じかそれ以上の速度で進めるかも



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 魔王+チェルシーコンボで精神大ダメージ
[気になる点] 影から深淵……トラウマですね
[一言] こんなん後で思い出して枕に向かって叫ぶ奴やんw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ