七日戦争開始!
皆様、お待たせいたしました、お待たせし過ぎたかもしれません。やっとイベント始まります
『皆様冒険を楽しんでいますでしょうか?現実時間で10分後からイベントを開催します。既に告知されている通り、ログインされていて、参加陣営を選ばれている方は最初に参加陣営の本拠点に転移します。今一度しっかり参加陣営を選択しているかご確認ください』
ワールドアナウンスとでも言うべきか、空から声が聞こえてくる感覚。ここで選び忘れてイベント参加出来ないって言うのが一番悲しい。だって別フィールドというか体感時間さえ変わる場所に飛ぶんだから後から参加……は無理だろう。今の内に僕もしっかりトイレとか済ませておこう。現実で1時間といっても念には念をだ
『お待たせしました。ただいまよりイベント『七日戦争』を開始します』
「よーし、頑張るかぁ。おぉ来た来た!」
体が徐々にポリゴンになり、空に浮かび上がり、ブラックホールみたいな渦巻に吸われていく。色んな所からもポリゴンが渦巻に吸われて行くのが見える。あれ全部旅人かぁ……
「うぉぉすげぇ……」
「いよいよ始まったぁ!」
「やってやるぞぉ!」
旅人と思わしき人はここの城の中に居る数で全員かな?意外と人数居るかもしれない
城の中に転移してきたのか赤い絨毯が引かれた広い部屋。そして玉座に座っているのは……
「よく来た。我が呼び声に応えし戦士達よ!」
「おぉ、あの人が魔王様かぁ」
そこまで人間の女性と変わらない感じがする。確かに頭にはねじれた角が生えていたりはするけど……まぁ人っぽい方が親しみというか話がしやすいからかな?とにかく魔王様……僕達の防衛対象が玉座に座っていた
「我は魔王バルミュラ。頼む!世界を平定する為の七日間。我と我の眷属と共に戦ってくれないか?」
頭を下げる魔王バルミュラ様。低姿勢女魔王様か……好きな人はかなり好きそう
「眷属と共に戦うとはどうすれば良いのか教えてくれ。魔物と意思疎通が出来るのか?」
おっロザリーさんが代表として聞いてくれるんだ
「必要な者にはこの指輪を進呈しよう。これを使えば眷属達とも会話する事が出来る。眷属を必要としないのなら無理に使う必要は無い」
どうやら魔物と協力するならその指輪を使えば会話出来る様になるって感じか……アクセサリー枠を一つ潰してとサモナーやテイマー以外でも魔物と一緒に戦闘が出来る様になるのか
「その眷属とはパーティに含まれるのか?」
まぁそこ重要だよね?
「君達のパーティには含まれない。簡単に表すと指輪を装備した者が指揮官。眷属は兵だ。それこそキチンと運用出来るなら100体くらいを率いて戦う事も出来るだろう」
指揮官と兵か……キチンと運用出来る気がしないから100体運用は無理だな
「どんな眷属が居るんですか?」
あれはトーマ君だ。トーマ君なら意外と100体運用とかやってのけそうだな?
「眷属はその扉の奥に居る。眷属と共に戦う者はその扉の先に進むと良い。ワイバーン等が居るが、力量を示さないと指示に従ってはくれないかもな」
「「「ワイバーン!?」」」
ワイバーン……小ぶりな竜が指示を聞いてくれるかもしれないと思えば軽く周囲が沸く。竜が使えたとしても対人戦なら絶対目立って一番に攻撃されると思うんだけど……まぁそこはロマンになるのかな?僕としては改造バイク程のロマンは感じないかなぁ……
「俺その指輪欲しい!」
「俺も!」
「ワイバーンを配下に出来る可能性があるならやる!」
「他にも何か居るかも!」
指示された扉の方に向かって進む人達。装備アクセサリー枠を使うのは勿体無いと考え、残る人達。まぁここは装備状況によっては人それぞれだろう。僕は絶対に今の装備アクセサリーの方が良いので指輪は要らないかな?
「まぁ配下は良いが、装備枠を使うのはな……」
「パーティ以外に指示出すの慣れてないし、とりあえずはこのままで良いかな」
ごもっともな意見だ。新しい戦場で試しもしない初めての力を使うのはあんまり好きじゃない。慣れた技、慣れた連携、積み重ねた力。目新しい力も確かに良いけど今まで使ってきた物が無駄になった訳じゃ無い。あえて取らないのも選択の1つだ
「我も平和の為に世界征服の魔法を発動する為にこの城を動けない。が、支援はする。戦力、食料、寝床。必要であれば要求してくれ。この世界に呼び寄せた時に装備の類は持ち込ませる事は出来たが、消耗品や、食料は持ち込ませる事は出来なかった。そのくらいの支援しか出来ないが許してくれ」
めちゃめちゃホワイトじゃん……もし同じ条件で勇者軍側の旅人にするならそれこそとんでもない物資や土地が必要になるんじゃないか?イベントに戦争と銘打ってるのに果たしてそんな余裕があるのか……となると向こうはここまで至れり尽くせりじゃない可能性はあるから初日は物資集めとかしてるのかも
「もちろん資源は無限では無いからいつまでもという訳にはいかないが……」
「色々気になる事はありますが、とりあえず地図か何かありますか?」
どう動くにしても地形情報があるのと無いのとでは大違いだ
「地図か、では……これでどうだ?」
『イベントマップが配布されました』
魔王様が腕を横に払うと魔王軍全員にイベントマップが配布されたみたいだ。メニューから見れるみたい。紙じゃ無くて良かった
「ありがとうございます。魔王バルミュラ様」
「バルミュラで良い」
「では、バルミュラ様と。外の確認もしたいのですが、何処から出られるんでしょうか?」
目いっぱいのお仕え感を出し、外に出る場所を聞く
「その扉を越えた先の階段を上がればその内出口に着く。そこから外に出ると良い」
「はっ、では軽い偵察に行って参ります」
「あっ!私も行きます!」
「ヒャッハー!俺も行こう!」
「では私も行こう」
「私も行こう」
アイリスさん、ダイコーンさん、ロザリーさん、ハスバさんが僕についてくるみたいだ。全員僕のフレンドだな
「アハッ!私も行く!」
「あら、それなら私も行こうかしら?」
おっ、久々のキリキリ姉妹だ。これなら万が一外に敵が居たとしても心強いな