再編成
「準備出来たか?こんにゃく」
「ベア(オッケーです。行きましょう)」
とりあえずダイコーンさんの召喚獣モードとして声の聞こえてきた方に向かう事にしよう
「下がって!」
「硬すぎです……」
「トラフォトータスの亜種!?」
「喉にも槍が通らない!?」
先に戦闘している人達が居る。うわっ、全身が赤いトラフォトータスだ……間違いなく他と違う。それにここちょっと広いぞ?
「あれ!?あなたは……?一旦仕切り直しするんで手伝ってくれませんか!」
戦闘の手伝いか……今はパーティ状態だから弱体化しても人数が居るからどうだろう、何とかなるかな?
「一旦引きます!」
「「「はい!」」」
おぉ、リーダーらしいね。ちゃんと引く判断をしてる
「ここならアイツは来れなさそう!こっちに避難しよ!」
「皆こっち!」
狭い通路を見つけた人がリーダーの人に逃げ道を提示し、即座に戦っていたパーティの人がその道に逃げて行った。作戦会議するなら僕達も一緒にあの道に行かなきゃいけないじゃん……
「とりあえず、あっちに行くか……」
「ダイコーンさん、ロールロール……あ、ベア」
「ヒャッハー!しょうがねぇな!死にたくなきゃ協力するしかねぇだろぉ?」
「ベアベア(オッケーです)」
僕達の居る場所と別の場所に逃げこんだパーティと合流する為に広場を通ってそっちの通路に向かおう
「ヌァァァァ!」
わおっ、2本も砲身が出てきた!
「ベア(おっと)」
発砲された2発のトラフォタイトを両手で掴み、ダイコーンさんを守る。【バレットキャッチャー】のお陰で手で取れたらその瞬間に勢いが消えるのでかなり楽になった。いやぁ良いスキルをゲット出来たぞ
「ベアベア(今の内に行きましょう)」
「あぁ」
一応今までのトラフォトータスは最速でも10秒に1発くらいのペースだったので、この赤いのが倍の5秒に1発、いや2発か。そういう可能性を考えればさっさと移動するのが良いだろう
「ほっ」
「ワン」
「ーーー」
「あ、やべっ……ベアァ!」
ダイコーンさん達を先に通路に入れたのは良いけどシロクマコスチュームだと通路の入り口でちょっとつっかえてしまった。急いで中に入らないと背中に一撃もらってしまうのでめっちゃ焦りつつも、通路の壁に爪を立てながら無理矢理中に入った。ちょっと声を出してしまったけど……バレては無いだろう
「ヒャッハー!どうしたぁ?死に損なったみたいだなぁ?まぁ俺達が居るからにはそう簡単には死なせはしないがなぁ?」
「ベッベッベ、ベアベア(へっへっへ、守りますよ)」
ダイコーンさんに合わせにいったけど……これ黙ってダイコーンさんに任せてた方が良かった奴だな?
「やっぱりダイコーンさん!調査に来てたんですね!」
「おっ、おう……さぁそれで、何があったんだ?」
なんとかロールが崩れないように頑張ってるけど、女性パーティ相手で若干やり難そうだ
「あのトラフォトータスは今まで出てきたトラフォトータスよりも遥かに堅いです。現状だと私達の攻撃だと一番防御力が低い喉を狙ってもダメージを与える事が出来ませんでした……」
「炎魔法も弾かれました」
「一撃もかなり痛いので一発貰う度に回復しないと危険です」
「打撃武器を持つべきだったかな……でも今からハンマーとかはちょっとなぁ」
まぁパッと見た感じ、打撃武器を持っているのはヒーラーっぽい人とリーダーのナイトっぽい人がメイスを装備してる。残り2人は赤いローブを着て炎魔法が効かなかったって言ってた魔法使いみたいな人と槍装備の人。正直僕も洞窟とか坑道探索に適切な武器とか分からないし、こういう危機が来るかなんて入ってみなきゃ分からないよねぇ……
「ベア、ベアベアベアベアベア(まぁ、またアイツと戦わなきゃいけないのは確定ですね)」
通路の奥を指差しながら現状の確認。狭い通路だからおかしいなとは思ったけど、ここは通路じゃない。先を見たら行き止まり……完全にただの岩の隙間ですね
「ヒャッハー!もう逃げ道はねぇぜ?こんにゃく、はんぺん、しらたき。準備は良いかぁ?」
「ワン!(はい!)」
「ーーー(了解です)」
「ベア(はい)」
準備は出来てる。どうせここに居ても逃げられないならあの4人が逃げられる時間くらいは稼いでやろうじゃないか
「あ、ちょっと!」
「逃げたけりゃ勝手に逃げると良いさ。それなら俺達がアイツとやり合えるからなぁ!逃げるんだったらちゃんとした通路まで駆け抜けるんだなぁ?」
「私達も戦い……サポートします!」
「邪魔にならない程度に頑張りますから!」
「ヘイト分散くらいなら……」
「ヘイト分散ってあんまり良くないんじゃ?とりあえず負けたままじゃ嫌なんで手伝う位はさせて下さい」
潔いなぁ?勝てないからサポートに回ってなんとかアイツを倒そうって事か。この頼み方だと報酬は大体こっちが貰えそうだな?
「ヒャッハー!良いだろう。後ろはまかせるぜぇ?」
前に陣取られても正直に言ってしまうと邪魔になってしまうので僕達が前衛、4人パーティが後衛であの赤いトラフォトータスと戦ってやろうじゃないか。最近はスローモーションの持久力も上がってきたし、全弾防ぎ切ってやる!