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初クエスト?

「や、やぁ……」

「ぽよっ!」

 姫の所から出ると目の前に居たちのりんが何かちょいちょいタックルしてくる。痛いよ?


「ぽよぽよっ!ぽっぽよ!」

 何か手をこっちに向けてくる様に感じる……ひょっとして何か頂戴って言ってる?


「ブラッドスライムって何食べるんだろう?やっぱり血?そんなもの持ってる訳……あっ!」

 1つだけ持ってた!


「ねぇちのりん?これ要る?」

 そう言って森狼の血をちのりんに見せる。これアイテムとして取り出したの初めてだけど小瓶に入ってるんだ……


「ぽっ?ぽよよ!ぽよぽよ!」

 すっごい頷いてる……やっぱり血が好物なんだ……


「はい、ちのりんにあげる。薬研とかこの前の素材とかあれのお陰でオーガと戦う事が出来たからね」

 あの時ボルウ虫の殻とか無ければ絶対オーガとはやり合う事は出来なかったから感謝の印として進呈しよう


「ぽっ!こきゅこきゅ、ぽよぉー!」

 グッとサムズアップをして小瓶を開けて血を飲むちのりん。最後の「ぽよぉー!」は風呂上りの一杯を飲んだ後に出た一声みたいな感じにしか聞こえなかった


「それ1つしか無かったけど……美味しかった?」

「ぽよー!」

 多分美味しいって言ってると思う。ぽよんぽよんと僕の周りをちのりんが飛び跳ねる


「ぽよっ!」

 飲み終わった小瓶を返してくれるちのりん。ちゃんとしてるなぁ……


『ブラッドアミュレット を入手』


 ---------------


 ブラッドアミュレット


 レアリティ エピック


 STR +50

 AGI +50


 耐久度 破壊不可


 特殊能力 HP自動回復(小)

 ブラッドスライムの溢れ出る生命力の一部を小瓶に封入した物。生きているブラッドスライムからしか取れないのでブラッドスライムを討伐しても入手する事が出来ない。レアなお守り


 ---------------


 なんか皆お礼の物くれるけどそこまでしなくても良いのに……しっかり貰うけどさ?

「ありがとうちのりん。そんなつもりじゃなかったんだけど大事に使わせてもらうね?」

「ぽよっ!」


 ちのりんの頭(?)を撫でて、アトラさんを探すことにする。もう夜だから居るはずだ。何処に居るかなぁ?

「おーい!ハチー」

「あっ!アトラさーん!」

 向こうから僕の事を見つけてくれた。村の中を歩き回らなくて済んだよ……


「ハチ!どうだったよ?」

「ん?」

「洞窟に行ってきただろ?面白かったか?」

「まぁ何も取って来ては無いですけどヴァイアさん……あっ、ヴァイア様と仲良くなれたので面白かったですね」

「は?本当に何も取ってこなかったのか?あの魔石洞窟を?」

「取るって言っても鉱石は鶴嘴とか持ってなかったですから……それに道の真ん中に置いてあった宝箱とか凄い怪しいし、ヴァイア様の居た地底湖の底の奥にあった綺麗な玉は取ったら何か危ない気がしたし……その奥にあった大剣は単純に力が足りなくて抜けなかったんで……」

 アトラさんに説明したけど警戒し過ぎだったかな?


「カッカッカ!ハチよ。あの洞窟は欲張りな者に罰を与える洞窟だったのだ。何か取れば敵が出てきて先に進む事を拒む……そんな洞窟だ。大剣を見たと言ったが……それはきっと洞窟の終点だな。もし持ち帰ろうとしていたら死ぬ程大変な目に遭っていただろうな?」

 そんな危険な場所を楽しい所と言いながらオススメしたのか……


「そうだったんですか……ってあれ?それって、もし大剣抜けたら僕死んでたんじゃ……」

「その場合ヴァイアが止めていたかもしれんな?アイツと仲良くなったんだろう?いつも1人で洞窟の中に居るからな。まぁハチの事を話し相手にするのが良いかと思ってハチを向かわせてみたが……」

 アトラさんなりにヴァイア様を心配して僕を送ったって事かな?


「アトラさんの考えを全て読む事は出来ないですけど僕はアトラさんの思い通りに動けていましたかね?」

「あぁ、正直予想以上だ。まさかアイツがスキルを教えたりするとは思ってもみなかったな……やはりハチは面白いな!」

 僕が喋らなくてもアトラさんには僕のスキルや称号が見えているからこその反応。こんなアトラさんならあのアイテムの情報が何か分かるんじゃないかな?


「あの、アトラさん。ちょっと見てもらいたい物があるんですけどいいですか?」

「ん?なんだ?」

「これなんですけど……」

 そう言ってアトラさんに無垢なる人形の左腕を見せる


「ん!?これをどこで!?」

「紫電鳥の巣に行った時に餌をあげたお礼で貰いました。何処かで拾ったみたいですけど、食べられないから巣に仕舞ってたみたいですよ?」

 アトラさんが取り出した人形の左手を見て興味深く見ている。やっぱり何か分かるのかな?


「それは旅人がこの世界に来るより前の物だ。こんな所に左腕があったとは……よし!ちょっと待ってろ」

 アトラさんが僕を置いて何処かに歩いていく。あまりにも早かったのでポツンと立って待っているしか出来なかった


「ハチ。この前の魔石のお礼だこれを受け取れ」


 アトラさんの有無を言わせぬ感じで差し出された()()を受け取る


『無垢なる人形の右腕 を入手』

 無垢なる人形の両手が揃ったけどこれはどうしたら良いんだろう?


「ハチ、きっとこの辺りに残りの人形のパーツがあるはずだ。それを集めてコイツを修理してやってくれないか?」

「人形の修理……」

 僕にとってこれはアルター初の依頼(クエスト)なんじゃないだろうか?だとしたらこれは……


「アトラさん。僕やるよその人形修理!」


『レガシークエスト 神時代の遺物修復 が開始されました』


 何か始まったぞ?



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