表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
314/1986

家族旅行

「温泉?今から?」

「ええ、会社から休みも貰えたし、まだ夏休みでしょ?だから影人の体の為にも温泉旅行に行きましょ!」

「そうだな、リハビリとか頑張ってる影人にあの時何もしてあげられなかったからな。今から家族旅行に行こう。な?」

 なるほど、要するに湯治的なノリで温泉に行って家族旅行も兼ねちゃおうって事か


「ドドンと4泊5日よ!」

「4泊!?そんなに!?」

「温泉巡りも存分に出来るぞ?」

 親切心でわざわざ長期の温泉宿泊プランを練ったんだろう


「分かった!今から準備してくる!」

 スーツケースに着替えとか詰め込んで準備しよう。僕の為に時間と宿を取ってくれたんだし、ゲームがあるから行けないなんて僕には言えない。幸い、イベント前までには戻ってこれるからイベントに参加出来ないって事は無さそうだな……今更だけど僕、かなりのめり込んでるなぁ?少しはゲームから離れるのもありかもしれない。現実で体を動かして、温泉に入ってゆっくりする……良いじゃないか。こういうのもアリだ


「本当はもっとレベルを上げたかったけど……予定変更だね」

 流石にスーツケースにヘッドギアを入れて持っていく訳にもいかない。嵩張るのもそうだけど旅行先で使うのは僕の為に旅行を計画してくれた父さんと母さんに悪い。置いて行こう


「一応しっかり拭いてから行こうかな」

 4、5日は使わないし、埃もついちゃうだろうから先にしっかり綺麗にしておこう。これだって歴とした僕の相棒だ。これが無きゃ僕の体だって動かなかったからなぁ……相棒にもちょっとした休暇だ




「オッケー!準備出来たよ」

「こっちも車の準備が出来たから行こうか。雲雀さんも準備良いかい?」

「ええ、どうせ持ってきたスーツケースをそのまま持っていくだけだから」

 母さんが海外から持ってきたスーツケースには今更お土産を持って来る程でもないので、スーツケースは旅行仕様になっていて、そのまま旅行に行ける状態なんだろう。父さんは少し入れ替えをしていたと思うけど、出てきた服が「やきとり」の文字と絵が描かれてるTシャツとか「白菜」って文字は書いてるけど絵がレタスの服が出てきた。うん、ああいうの良いよねー。でも流石にホテルとか旅館に着ていく自信が無い辺り、弁えてるんだろう。僕も正直準備する時にそういうTシャツを入れるか迷ったけど、結局入れなかった


「それじゃあ行こうか。タクシーで」

 海外に住んでる両親に、未成年。車が無くても困らないのでタクシーで移動だ。いつの間に呼んでたんだろう?それとも家に帰って来た時のタクシーに待っててもらったのかな?


「旅行なんて久しぶりだなぁ……」

「えぇ、私達も仕事で帰って来れなかったし、旅行は久々ね?」

「これもある意味僕がああなったお陰かな?」

 僕がリハビリする事になったお陰で両親は休みを取る事が出来た。それを利用して家族3人で温泉旅行に行けるって考えればリハビリを頑張った甲斐がある


「……んん、まぁそうだな。でも良いぞ、そのプラス思考は。どんな事でも何かしら良い事はある」

 プラス思考だと肯定してくれた。まぁ、あそこまで大きな怪我だと流石にちょっと言いたい事もありそうだったけど


「そうね、流石に全部許容は出来ないけどこうして家族旅行出来るのは良い事ね」

 タクシーの中で軽くワイワイしながら温泉宿へと向かった




「ありがとうございましたー」

「うっ、くぅ~~!」

 タクシーから降りて体を伸ばす。背筋が伸びて気持ちが良い


「影人、疲れたか?」

「ちょっと疲れたかな?まぁずっと車に乗ってたから背筋を伸ばしたくなってた所。それにこれから温泉なら逆に疲れた方が良いでしょ?」

 寧ろ温泉に入る為に疲れていた方が良いレベルだ


「さぁ、行くわよ~温泉♪温泉♪」

「温泉♪温泉♪」

 母さんに続いて旅館に向かう。温泉は普通に楽しみだなぁ……


「急ぐと転んじゃうから気を付けないとダメだぞー」

「「はーい」」

 まるで子供な2人。でも温泉旅行で浮かれるなって言う方が無理だ。久々の家族旅行だし




「浴衣、似合ってるよ。雲雀さん」

「あなたもよ、一矢さん」

「「ふふふ」」

 そういうのは他所でやってくれ……って言うのは野暮かな?まぁ2人の空間の邪魔をしないようにしておこう


「わはは」

 部屋に用意されていた御煎餅をバリバリと音を立てながらテレビを見て笑う。邪魔をしないとは言ってない


「「あっ」」

「さて、温泉に行こうかなぁ、2人はゆっくりしていなよ」

 ここで僕は退場しよう。ゲームは出来ないし、温泉を目いっぱい楽しもう


「え、影人……拗ねるなよ。悪かったって」

「ちょ、ちょっと影人ぉ……」

 2人共僕の精神攻撃によって妙な雰囲気を破壊する事に成功した。出来ればせっかくの家族旅行なんだから僕は忘れないで欲しい


「よし、影人。一緒に温泉入りに行こう!」

 父さんが僕と風呂に入るというちゃんとした理由が出来たので僕に自然とついて来る事が出来た。まぁそうなれば母さんもついて来る訳で……


「お風呂入ったらそのままご飯にしましょう!ね?」

 お、そうだった。移動中にここの旅館の事を調べたら晩御飯が結構美味しいと評判だった


「うん、ここの晩御飯は美味しいみたいだし、楽しみだよ。さっきみたいなのは僕が寝た後にでもしてくれれば文句は無いよ」

 僕だって思春期だ。両親のそういう場面を見てしまうのはちょっと……嫌だ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ