hush up
「本当にごめんなさい……あの門を出れば現世なので……」
「いえいえ、ちゃんと現世まで連れて来てくれたんで感謝してますよ。ありがとうございました。他の死神さんにもよろしく言っておいてください」
「はいぃ……」
現世に戻れる門まで連れて来てもらえたから文句はない。それじゃあ出るか
「あ、そっか……コレ使わないと視えないか」
門から出ると辺りは入った時と同じ光景が広がり、門は見えない状態になっている。狭間の通行手形が無かったら門が見えないか。ここなら誰も居ないし、今使っちゃうかな?
『Lv41にレベルアップしました 魔法【ハシャフ】を習得』
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ハチ 補助術士Lv41 天衣無縫の器Lv4
HP 550→560
MP 955→970
STR 34→35
DEF 33→34
INT 60→61
MIND 142→144
AGI 110→112
DEX 130→132
成長ポイント 10
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「ハシャフ?何だろう?」
ちょっと名前から想像が出来ない魔法が来たぞ?
『ハシャフ 消費MP100 発動された対象は声や音を出せなくなり、会話が出来なくなる。相手によって効果時間が異なる。同量のMPを払う事で効果を消す事も出来る』
「んー……これは良くも悪くもありそうな魔法だなぁ、要するに消音させる効果だよね?」
掛けた対象が声や音を出せなくなる……これ変なタイミングで掛けちゃうと逆に困る奴だな
「魔法主体の相手だったら効果あるかな?あぁでも物理主体の相手だったら音を消すだけ不利になるかなぁ」
詠唱してデカい魔法を使う相手とかだったらこれを使う事で詠唱を止めたり出来るかもしれない。だけど物理主体の相手だったら音が消える事で接近とか分かり難くなるかもしれない。僕はオーラ感知で分かるけど
「とりあえず一度街に戻る前に試してみるか」
明らかに使い方が分かるモノとも言い難いのでこういう物はまず試してみるに限る
「オーブさん。試したい魔法入手したんで試させてください」
「ハチ様はよく練習しますね?」
「前にも言ったと思うけどやっぱり実際に使ってみないと効果が分からないから何回でも練習出来るここは本当に助かるんだよ。それにオーブさんにも会えるし……あの時事故に遭っていなかったら、東郷さんに声を掛けてもらっていなかったら、リハビリが辛いなら嫌だと言っていたら……僕はそもそもこのゲームをやってなかったかもしれないからね。リハビリ友達にいつでも会えるけど口実が無いとなんかプレイの邪魔してると思っちゃうのが居るからさ?こうして試したい物が出来たら試しに来てるんだよ」
困っちゃうよなぁ?こっちはこれからも先に進めるように練習の為に来てるのに、邪魔だと思われるのはなぁ?
「……全く仕方がありませんねぇ?リハビリの時のように優しくやれば良いんですか?」
「別に特別な事をしなくても良いよ。いつも通りにお願いしますよー」
「……本当に、困った人です。で、今回は何をするんですか?」
オーブさんとの会話は楽しいなぁ
「新しくハシャフって言う魔法を入手したからそれの性能を試してみたいんだけど、マネキンさんだとちょっと意味がないというか、試せないかなぁって」
「ハシャフ……なるほど、沈黙系効果を持つ魔法ですね?」
「一応説明を見るとそうみたいなんだけど、相手が魔法を使ってくる相手とかだと詠唱を止めたり出来るのかなぁと思ってね。あ、でも物理主体の相手ともやっておきたいからマネキンさんも一応出てほしいかも」
どっちも確認すべき事だと思うからマネキンさんにも役目はあるか
「なるほど、ではマネキンもバージョンアップする必要が出てきたようですね」
「マネキンさん、魔法も撃てる様になるの?」
「今回は詠唱するタイプとの戦闘を考慮した準備が必要ですからね。ちょっとした改良です」
オーブさんがそう言うとマネキンさんが床から現れた。おっと、今回のマネキンさんは口部分がくるみ割り人形みたいに稼働するようになっている
「よろしくお願いします」
「うおっ!流暢!?」
あの口ならもう少し聞き取り難い感じかと思ったら普通にめっちゃ聞き取りやすい挨拶でビックリだ
「魔法攻撃を発動します。準備はよろしいですか?」
「あ、はい大丈夫です」
まずは普通に魔法発動をするところを見て、それからハシャフを掛けたらどうなるかをみてみよう
「では炎魔法を発動します【ファイアボール】」
「おっと、まぁそりゃ何も指示してないし僕に向けて撃つよね【ハシャフ】」
マネキンに対して【ハシャフ】を使用してみた
「……」
何度も杖をこっちに向けて口もカクカク動いているけど声も動く音も何も聞こえない。【ハシャフ】の効果はキチンと発動しているな
「魔法は声を止めると発動出来ないのかな?」
「全てではありませんが、大体の物はそれで止められるでしょう。もっともパッシブスキルや声を必要としないものだと止められないかと思いますが……例えば」
オーブさんが後ろから話しかけてきたと思ったらマネキンさんの足元から色んな武器が現れてマネキンさんがそれに触れると剣や槍が宙に浮く。そしてその武器達が僕に向かって……これ、ロザリーさんの浮く剣と一緒では?
「なるっほど、こういっうのは防げないっのね!」
「飛んで来る武器をしっかり捌きながら防げないと言うのもおかしな話ですけどね?」
オーブさんの言うとおり、僕に向かってくる武器を受け流して当たらない様に回避していた
「本当によく動くようになりましたね?」
「オーブさんのお陰だよ。ふぅ、マネキンさんも協力ありがとう。さ、次の実験に行ってみよう」
感謝の言葉も伝えたけど、照れくさくなったので隠すように次の実験に移行する




