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魅せる試合

「バカにしているのか貴様ァ!」

「ロールプレイだ……今は悪役(ヒール)になるんだ僕……」

 こういう時は僕が悪役っぽい方が盛り上がるだろう。なんて言ったって相手はスーパールーキーらしいし、それの鼻っ柱をへし折る的な動きの方が受けが良いだろう


「そろそろこっちから行くぞぉ!」

 コーナーから跳び上がり、空中で2回転程してから相手の頭を狙った踵落とし。相手は腕をクロスさせてガードする


「中々良い蹴りだが、それでは私は倒せない!」

「うおっ!?」

 僕の踵を右手一本で掴み、そのまま振り回す。パワーやば過ぎだろこれ……


「ぐっ……」

 片手ジャイアントスイングとかいうパワーだけで振り回されている中、いつ手を離されるか、その瞬間にだけ集中していた。三半規管は【ゲッコー】によって強化されているから振り回されても目を回さずに何とかなっているが、手を離されれば後は吹き飛ぶだけ。僕を地面に対して叩きつけるのか、そのまま回転の勢いを活かしたまま場外にぶん投げられるのか、コーナーとかに投げつけられるのか……投げられる瞬間にどう抵抗するかを考えないと致命傷を受ける


「死ねぇ!」

「よし!」

 この時僕にとって幸運だったのはコーナーに投げられた事。コーナーにぶつけるという意思の元投げられたので若干体を曲げる事で直撃コースを回避。そしてコーナーに手を伸ばし、触れると勢いを活かしたまま180度ターンして投げた体勢のゴーストヴァルキリエさんにドロップキックをかます


「そりゃ!」

「ぐはっ!」

 自分で速度を高め、投げつけた物が自分に返ってきた事でそれなりに良いダメージが入っただろう


「「「「「うぉぉぉぉ!!」」」」」

「「「すっげー!」」」

「「「まだ行けるぞ!!頑張れー!」」」

 良い感じに盛り上がってるな。でも相手のファンも居るのか……


「味な真似をしてくれる……」

「ご注文とあらば味変も承っております」

 リングロープに弾き飛ばされたゴーストヴァルキリエさんにボウアンドスクレープ(紳士のお辞儀)をしながらジョークを言ってみる。正直通じるか分からないけど


「では見せてもらおうか!」

「ええ!」

 今度は両手でマシンガンみたいな連続パンチ。これも喰らったらヤバそうだな……


「このこのこのぉ!」

「いや、これ、捌き切るの、ヤバいって!」

 両手、両足、頭も使って相手のパンチをずらす。正直頭でパンチを受け流すのはめちゃめちゃ怖い。スローモーションで顔に迫るパンチを真正面から受けない様にずらし、接触した瞬間に首を回転させて大ダメージにならない様に流す。手足で受け流すよりもよっぽどキツイ。というか、なんか僕の体浮いてるわ。さっきの死神さんのアレのせいか?パンチを受け流してたらそれの勢いで体が浮くってなんだよ……いや、これは好都合か


「【インパク】……ぐはぁ!」

 こっそり自分に向けて【インパク】を使用して、上に吹き飛ぶ。くっそ、一発躱し損ねた……HPをガッツリ持っていかれたな。リングに落ちるが、しっかり受け身を取る。だが、とりあえずこのままダウンしていよう


「「「「ワン!ツー!スリー!」」」」

「「「ダウン取ったー!」」」

 現実ならこういう行為は絶対良くない行為だろうけど、盛り上げる為にはこれくらい許してくれ。カウントが始まり、観客達も一緒にカウントをする。向こうにも見せ場はいるだろう


「「「「フォー!ファイブ!シックス!」」」」

「……まだやれるぞ!」

「「「おぉぉぉ!立ったぞ!」」」

 立ち上がりファイティングポーズ。これでお互い見せ場は作ったからここからは普通にやり合う


「痛ったぁ……おっと?HPは自動回復しないのか。なるほどね」

 このリング上だとHP自動回復機能が停止しているみたいだ。要するにもう僕攻撃喰らえないじゃん


「じゃあもう容赦してらんないな。今度はこっちから行かせてもらう!」

 前傾姿勢で相手に素早く近寄る。これで僕を止める為に相手は蹴りで僕の行動を止めようとする……


「中々速いな?だが!」

「だが、何だって?」

「なっ!?」

 簡単に釣れた。僕の顔を狙ったミドルキックを放たれたが、元々それを引き出す為にやった前傾姿勢。そのまま地面に伏せて、蹴りを空振らせる。そして倒れた勢いを使って逆立ちし、相手の頭を足で挟んで後方にぶん投げる。プロレスのフランケンシュタイナーだ


「くそっ!まだだ!」

「こっちもまだだよ」

 フランケンシュタイナーでロープに飛ばされたゴーストヴァルキリエさんに更に追い打ち。逆さまになっていた状態から立ち上がろうとしていた所に丁度膝立ち状態だったからその膝を踏み台に頭に膝蹴りをかます。今度はシャイニングウィザードだ


「がはっ!」

「まだまだ!」

 うつぶせに倒れるゴーストヴァルキリエさんの足をクロスさせ、右手で持ち、左手を首に、そして背中に僕の両膝を乗せ、そのまま後ろに転がり、両手を引くと……


「ほら!どうだ!」

「がはっ!ごほごほっ……ぐふっ、ぎ……」

 弓矢固め(ボーアンドアローバックブリーカー)の完成である。いやぁ、武器を持たれていたら勝つのは無理だったなぁ……


「「「「なんだあの技ぁ!!」」」」

「「「すげぇ!この角度たまんねぇ!!」」」

 一部の位置の観客からはゴーストヴァルキリエさんの隠すべき場所が見えてしまっているようで大盛り上がりだ。僕からは見えないけど、盛り上げには一役買ってるよね?


「ぐっ!この……」

「うぷっ!」

 バサバサと翼を動かされて弓矢固めを解いてしまった。するとリングにぶっ刺していた大剣を手に取り、こっちに敵意と殺意をむき出しの状態なった


「こ、殺す!絶対に殺してやる!」

 僕、マジで幽霊の仲間入りをしてしまうんじゃ……



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― 新着の感想 ―
ボクシングかと思ったらプロレスになってたのね プロレス見ないし興味無いから 何やってるかサッパリで解らないわ。 でも 面白いと思ったです。  プロレスは興味無いけれどね~(笑)。
[良い点] 恥ずかし固め?とかしてたらどうなったんだろ [気になる点] プロレス詳しくないんで分からないけどフランケンシュタイナーって投げるのではなく地面に叩きつけるのでは?
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