表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
298/2060

冥界ファイトクラブ

「うわぁぁぁ、あれ?随分落ち着いた空間……」

 死神さんに冥界に引き込まれたらそこは和室だった。ちゃぶ台とミカンもある……なんだろうこの空間


「ほれ、茶じゃ」

「あ、ありがとうございます」

 出されたお茶に注目していたら死神さんが棚の方行って何か操作している。あ、テレビか……えっ、テレビあるんだここ


『ボディ!ボディ!ボディ!カンガール得意の3連ボディーブローだぁ!だが、ナーガも負けていないぞ!強力なテイルスマッシュがカンガールの頭を捉えたぁ!』

 モノクロな画像でなんかリングみたいな所で戦っている2体。何だかボクシングみたいだな?尻尾使ってるけど


「今日もやっとるのぅ」

「これ、何です?」

「ん?これか?まぁ冥界に連れてきてから暇してる奴も居るからな、そんな奴の為に暇つぶしとしてこういったじゃれ合う場所を用意してやったり、娯楽を用意してやっとるんじゃ。これもワシらの仕事じゃぞ?」

 死神って案外ブラックな職場だったり?


「何だったら見てくるか?行きたければ連れて行ってやるぞ?」

「じゃあお茶を飲み終わったらで良かったら行かせてください。せっかく出していただいた物ですから……おぉ、結構なお手前で」

 抹茶じゃ無くて緑茶だけど……美味しいから多分良いでしょ


「ほっほっほ、ただの急須で淹れただけじゃぞ?」

 御世辞だとしても若干嬉しそうな死神さん


「お茶、ご馳走様でした」

「よし、それじゃあ行くかの」

 死神さんに腕を掴まれてまた何処かに引っ張られる。引っ張られる最中に分かったけど、ここは家の和室では無く、辺りが歪んだ空間の中に和室だけがある状態で上から見るとポツンと和室だけあるその空間はとてもシュールだった




『さぁさぁ!この冥界ファイトクラブ!次なる挑戦者を待ってるぜ!』


「結構凄い所ですね……これも死神さんが作ったんですか?」

「ワシとは別の死神が作った物だが、血の気が多い霊にはかなり人気な施設になったな。あの実況をやってる奴も霊だしのう」

 冥界ファイトクラブという明らかに血の気が多い人御用達みたいな場所。凄いなこれ?キラッキラのライトとかで派手な外見。中に入ってみれば熱狂している幽霊達で満員の客席。ど真ん中に四角いリングがあり、そこでさっきテレビで映っていた幽霊同士が戦っている


「「はぁぁ!」」

 ドンッ!と良い音が鳴り響く。お互いクリーンヒットしたか、同時に倒れる。どっちが先に立つかの勝負か


「ワン!ツー!スリー!」

 レフェリーのカウントがドンドン進んで行く。さぁどっちが勝つのか?


「セブン!エイト!ナイn……」

 10カウント行く前に確かカンガール?とか言われていた方が立ち上がり、ファイティングポーズを取る


「テン!ウィナー、カンガール!」

「「「「「ワァァァァァ!!」」」」」

 観客も大盛り上がりだ。正直これは確かに盛り上がるのも分かる


「チャレンジャーは募集しとるし、せっかくなら1戦くらいやってみたらどうじゃ?」

「えっ?僕がですか?」

 ここって幽霊達の為の場所なのでは?


「せっかくの生身の客人だ。珍しさで盛り上がらない事は無いじゃろ?」

 まぁ、珍しさでは絶対引けを取らないと思う


「じゃあ1戦だけやってみます……上手く盛り上がると良いんですか」

「盛り上げてくれればワシらも楽が出来るからのう、それに霊達が盛り上がってくれれば現世で迷っている奴も冥界にやって来やすくなるし……そうじゃ!上手く盛り上げてくれたら礼に良い物をやろう」

「謎の仮面Xとして頑張ります!」

 僕はお茶のお礼として戦おうと思ったけど、別にお礼があるというのならやるしかない。でも流石にここで浄化勝ちは面白くない……というか出来ないよな?一応オーブ・ローブに着替えるか


「よしよし、それじゃあ早速やってみようかのう。おぉい!チャレンジャーじゃ、しかも生身のじゃぞ!」


『おぉっと!死神様がなんと生身のチャレンジャーを連れてきたぞぉ!これは楽しみだぁ!』


「「「「「ウォォォォォ!!」」」」」

 本当に死後の世界かと思うほどの熱気。凄いな?スポットライトもこっちに向いてくる。何となく仮面はXっぽい形にして謎の仮面Xだ!……って言おうと思ったけど仮面のXの下部分鎖骨に刺さって邪魔だったので、形状を元に戻して、ただの黒い仮面に戻した。Xはダメだな……形状を出っ張った形にすると首の動きの邪魔になってしまう。見た目はカッコイイのかもしれないけど、これは無い。とりあえずリングの前まで行くか


「うぉぉ!生身の奴が来るなんてすげぇ!」

「面白れぇ戦い期待してるぞぉ!」

「楽しませてくれよぉ!」

 幽霊達も大盛り上がりだ。これしょぼい戦いとかしたら絶対駄目な奴だよなぁ……


『何々……生身のスーパーチャレンジャー!たった一戦のドリームマッチの為にやってきた謎の仮面エーーックス!』

 まぁ仮面の形状がXじゃなくても正体が分からないからXで良いよね?


『そしてぇ!対する対戦者はぁ!この冥界ファイトクラブ一番の暴れん坊(ランペイジ)!現在負け無しのスーパールーキー!果たして生身の彼は猛攻に耐えられずにこっち側に来てしまうのかぁ?ゴーースト!ヴァルキリエ!』


 呼ばれて出てきたのは鎧を纏った天使?みたいなのがリングに現れた……けど思いっきり大剣みたいな武器持ってるのは何でですかね?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 天使なのに死んだ上に冥界入りなのか(困惑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ