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冥界からの手

「喧嘩祭りだからって街に入ったらいきなり殴ってくるのはどうかと思うけどなぁ……」

 街のやり方に文句を言うつもりでは無いが、流石に同意無しで喧嘩に巻き込まれるのは困る。まぁ「今から喧嘩に巻き込みますがよろしいですか?」って言われてから右ストレートで殴られても困るけど……


「あ、これひょっとして祭りは場所限定されてたのか」

 街の中央部から出れば、賑やかだけど喧嘩なんて全く無い。単純に祭り会場に指定されていた場所が泉のある場所だからワープしたら2秒で喧嘩に……的な事になったんだろう。やっぱこの街怖いな?


「とりあえず今回はこの近辺で探してみようかな?」

 サーディライ近辺で冥府への門があるか探してみよう。見つかるかなぁ?


「おぉ、これそういう見つけ方もあるんだ」

 何となく狭間の通行手形を目の前にかざすと西の空に紫色の光の柱が立っているのが見えた。門があそこにあるんじゃないかな?


「あっちの方に行ってみるかぁ」

 通行手形を通さないと視えない光が関係していない事は流石に無いと思う。あの光に向かって進んでみようか




「これは……あの光の所に向かうのが大変そうだな……」

 何時ぞやの打撃が効かなくて苦労したでっかいカエルが居た所のような沼地。ここを越えた先に紫の光の柱が立っている。普通だと超えるのに相当時間が掛かるだろうなぁ……


「まぁ沼地は簡単に突破出来るから直ぐにあの光の所に行けるかな?」

 紫電ボードを使えば足場が悪くても簡単に進めるので、沼地を滑走して光の所に進む。途中で出てくる敵は一旦全スルーだ。今はあの光の柱の元に行こう


「ふぅー!」

 泥の上だけど紫電ボードのお陰で速く移動出来る。これで沼地の遅い奴らには僕を捕らえる事は出来ないだろう。まぁ【欺瞞】の効果で先制攻撃される事がほぼ無いし、この辺の敵をスルーする事も楽だ


「どのくらいのサイズの門かな……おぉデカい!これなら僕でも通れそうだ」

 街にある門程大きくは無いけどそれなりにデカい門。これなら僕でも通ろうと思えば通れそうだな……まずは周りに出てくる亡霊達を送って……


「あれ?なんかかなり少ない?」

 大きな門があるならそれこそ大量の亡霊が出てくると思ったけど、ビックリするくらい少なかった。もしかして出てくる亡霊の量は門の大きさに反比例するのか、それとも場所によってランダムなのか……


「まぁ浄化だけしておこうかな」

 多分この両手で数えられる程度の数の亡霊を浄化しても【霊の恩返し】の効果が上がる事は無いと思う。だけど、これは行くべき場所に行けない亡霊達を導けるのは今この場では僕だけだと考えればやらない訳にはいかない


「逝くべき所へ、安らかに」

 シスター服に着替えて、周りを飛んでいた亡霊達を浄化する


「おぉ?なんじゃあ?勝手に入ってくるぞぉ?」

 門の方から声が聞こえてくるのでそちらを狭間の通行手形を使って見てみると……


「もしかして死神……だったりします?」

 黒い布を纏った骸骨が大きな鎌を肩に乗せ、こちらを見ている。これで死神じゃ無いって言われたらじゃあ誰が死神なんだと言わんばかりの死神スタイルだ


「ほう?視えとるって事は手形を持っとるんじゃな?まぁ死神と言えば死神じゃな。数いる中の1体と言うべきじゃが」

「死神って沢山居るんですね……」

 ゲームでモンスターとして出てくる死神とかは1体だけじゃなくて複数体出てくることも有るか……そういう事なのかな?


「日に生き物が何体死んどると思う?1体じゃ対処しきれんから沢山居るんじゃよ。それでも対処しきれんから送ってやれん奴だって出てくる……こっちも中々しんどくて残ってしまった奴が悪意に染まってしまうのを止められんくてなぁ……」

 要するに【霊の恩返し】は死神の仕事のお零れをやって、霊が送ってもらった事を個人的に感謝して僕に力を貸してくれてるって感じだったのか。もしかしてあの犬小屋っぽい門は犬みたいな姿の死神が居たのかもしれない。出会えなかったのはお仕事中だったのかな?あぁ、でも死神さん達が常に仕事を完全にこなしていたら幽霊とか亡霊って存在が無くなってしまうのか


「そうですよね……生きる為に倒す事もあれば強くなるために倒す。ただの憂さ晴らしで倒す人も居れば、誰かを守る為に倒す人も居る……あっ人だけじゃないか。それが毎日色んな所で起こっていれば1体で全てをカバー出来る訳無いですよね……」

 誰だってこの世界で生きる為には何かしらを倒さねばならない。だから死神はいつでも忙しいんだろう


「こんな老体でも毎日やらねば現世で沢山の迷子が出来てしまうからのう?」

 なるほどなぁ……普通にゲームをプレイしていたら絶対そんな事考えなかったなぁ


「お仕事お疲れ様です」

「なぁに、お主もちょっとした手伝いをしてくれたからな。茶でも飲むか?そのくらいの時間はあるぞ?」

「良いんですか?」

「通行手形を持った奴は生前良い行いをした者の所に自然と出てくる。それを自分で使うも、誰かに渡すも持ち主次第じゃが、無理矢理その通行手形を手にしたら砕けてしまうんじゃよ。じゃが、お主が持っているソレは砕けておらんから、キチンと託された物なんじゃろう」

 ありがとう。メリアさん


「元聖女様のメリアさんから頂いた通行手形です。あ、でも聖女様はまだやるべき事があるからそっちには連れて行かないでください」

 通行手形を持っていないから強制的に連れて行かれるとかだと困るし、一応言っておこう


「ぬ?メリアから貰った……ほう?お主、あの聖女からソレを託されたのか。ほっほっほ、心配せんでも勝手に連れて行ったりはせんよ。彼女は特別じゃからな!ほれ、茶じゃ、茶にするぞ!」

 死神さんに腕を掴まれ、冥界への門に引き込まれる。いやこれ怖っわ!



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― 新着の感想 ―
[一言] 一命さま、冥界へご案内~。
[一言] 傍目には死神に冥界の門に引き摺り込まれてるってことになってるなぁ。システムとか法則じゃなくて、人力で冥界に送ってるのほんと大変そうで頭が下がるね。
[一言] よもつへぐいは大丈夫なのかなぁ?
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