買い物デート?
片手武器、両手武器、遠距離武器を装備していない時に威力アップって事は剣や刀、大剣とか大槌、弓に銃では威力が上がらないけど装備しているのが紋章なら関係無い。良いぞ、天衣無縫の器は僕にとって素晴らしい成長をしてくれている。やっぱりSPはステータスに使わないで今後もずっと器に使っていこう。多分これは僕しか持ってないだろうし、自分の特色出していく感じで行くか。ステータスには振って無いけど、%アップ、スキルと魔法、装備の力で何とか他の人にも喰らい付いていくスタイルだな。多分トップ層の人は僕が器に使っていたSPをステータスに振って、長所を伸ばして装備で短所を補うか、装備も使って長所を更に伸ばすかをしているハズだ。そこに食い付いていけなければ今回のイベントで勝つ事は出来ないんじゃないかな?
「うん、やっぱり楽しいな」
始めた時は自分がただ楽しむ為に色々やってたけど、今は楽しんで勝ちたいから色々やってる。アレだな、キリエさんとキリアさん達と戦った辺りで僕の中でこう、勝ちたいという欲が出てきた。今回のイベントは自分だけじゃない。同じ側に入った皆の迷惑にならない為でもあるが、やっぱり負けたくない、勝ちたいって気持ちがとても湧いているからどうやってこれから勝つ為に必要な物とか、力を手に入れるか考えなきゃな……
ログアウトして翌日、菖蒲さんと買い物に行く約束をしていたので、身支度をしてバスに揺られて目的地に向かう
「影人君ー!」
「あ、菖蒲さん。すいません、待たせちゃいましたか?」
「ううん、今来た所」
バスで移動すると菖蒲さんが既に待っていた。絶対待ってた人が言う「今来た所」これはいけない。早急に何かフォローを入れなければ……
「何処に行きたいですか?荷物持ちなら喜んでやります」
「もしかして待たせたから悪いと思ってます?ふふっ、本当に今来た所ですから」
「あれ?もしかして顔に出てた?」
「うん、どうしようって顔に出てたよ」
やばいな……もう少し表情を抑える様にしないと……
「とりあえず服を見たいから一緒に行ってくれる?」
「はい」
ゲーム内で少し話しているから現実で菖蒲さんと会っても話しやすくなった。これもまたリハビリ……いや、単純に会話が出来る様になっただけだなこれ
「これとかどうです?」
「へぇ……こういう服も有るんですね?服の知識は少ないですけど、菖蒲さんに似合ってますね」
服のブランド名とか、どういう種類の服かは詳しく分からないけど似合っているのは間違いない。ノー御世辞で褒める
「似合ってますか?じゃあこれ買います!次はこれ何てどうです?」
「んー、それも似合ってますけどこっちの少し大人っぽい落ち着いた色の服なんかも僕は好みですね」
全部肯定した方が良いかもしれないけど、それだとちゃんと見ているのか?と言われても困るので僕の意思表示もしておく。まずは試しに着た服を見て、それから僕の近くにあった似合いそうな服を渡してこれなんかも似合いそうですよって……あれ?これ店員側みたいになっているのでは?
「影人君意外と服のセンスあるんじゃないかな?」
「どうなんでしょう?あるんですかね?」
「影人君が着ていたあのTシャツとか結構着てみたいし……」
ひょっとしてあのわさびTシャツとかの事を言っているのか?似合わない事は無いと思うけど……多分菖蒲さんの様な人が着たらダメだと思う
「まぁあの服より今着ている服の方が断然似合っていると思いますよ。僕はそっちの方が好きですね」
話の流れを変えよう。菖蒲さんが服を買ってさっさと要件が終わってくれなけばいつ僕に言葉の刃が向いて来るか分からない
「そ、そうですね!これも良いですね!買います!」
「一応買い過ぎには気を付けてくださいね?まだ他にも何か買うつもりなら大変な事になっちゃいますから……」
お金持ちかもしれないけど、なんでも買っちゃうとすぐに財布の中身が無くなってしまう。節約しろとは言わないけど、そこは気を付けた方が良いと思う
「だから気を付けた方が良いって言ったんですけどね?」
「ごめんなさい……」
案の定色々な物を買い過ぎて金欠になった菖蒲さん。注意したのになぁ
「ここは僕が出しますから好きな物頼んでください。流石にそれくらいは出せますから」
お昼は『洋食の深川』前に食べさせてもらったあのお店に行った。あそこならハズレは無いし、価格も控えめだからお財布にも優しい
「本当にごめんなさい……」
「まぁ買い過ぎてやっぱり返品しますって言い辛いですよね……もしかして茨さんの買い過ぎを菖蒲さんが抑制して、菖蒲さんが買い過ぎるのを茨さんが抑制してたりするのかな?」
互いに買い過ぎにならないようにしてたりして
「それはあるかも……お姉ちゃんが私の為に買う!って暴走するからそれを止めてたけど、私も今回嬉しくてつい買い過ぎちゃったからお姉ちゃんの事言えないや……」
「今後気を付ければ良いんですよ。ある意味その服を見て思い出す思い出の品……的な?」
あっ、これがっつりマイナスイメージ発言だったかも……失敗したかなぁ
「はい!これは思い出の品です!」
かなり危うい発言だったと思うけど菖蒲さんはスルーしてくれたんだろう。お昼ご飯奢りますが効いたかな?




