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29/1998

巨鳥からのプレゼント

「空を飛ぶのも楽しいなぁ」

 巨鳥の背に乗り、崖から大木までのフライトは中々面白かった。翼をはためかせ、一旦浮き上がってから一直線に大木に向かうのではなく、少し右回りに迂回して巨鳥は飛んだ


「翼の無い旅人でも空を飛んでいる気分だろう?」

「はい!自由に飛ぶってやっぱり楽しいですか?」

「んー……旅人にしたらきっと地面を歩いて自由に歩けるのが楽しいか?と聞かれている気分だが……まぁ楽しいぞ?」

 そう言われると……日常の一部の行動を楽しいか?って聞かれても困っちゃうな……


「なんかごめんなさい。でも自分に無い物なんで憧れますね」

 でもやっぱり平面的な動きと立体的な動きなら立体的に動いてみたい


「世界のどこかには空を飛ぶ魔法もあるらしいが……私には必要無いからどこにあるかは分からない」

「空を飛ぶ魔法があるんですね。へぇ……」

 何処にあるか分からなくても空を飛ぶ事が出来る魔法がある。という事が知れただけでも収穫だ


「そろそろ着くぞ?」

「はい、いつでもどうぞ!」

 巨鳥が着地するので衝撃に備えて掴まる。だけど流石巨鳥さん。こっちに衝撃を感じさせない軟着陸で巣に着地した。10点!


『称号 【ラフライダー】を入手』


 おっと?何だ?

『【ラフライダー】 陸上、水中、空中を移動する各モンスターに乗り、尚且つ途中で振り落とされずに目的地まで移動する事が出来た場合入手 野生児ですか? 自分より大きいモンスターに振り落とされずに騎乗が可能になる』


 なにこれ?色んなモンスターでロデオしろって言ってるの?と言うかそんなにモンスターに乗ってたっけ……あっ(アトラさん、ヴァイア様、巨鳥)乗ってますねぇ……


 とりあえず称号の事は一旦置いておいて、巣に到着したけど目の前には卵しかない。あれ?

「ご飯だぞー!」


「ごはん!」

 巨鳥の声に反応した卵が上下に割れたと思うと殻の隙間から薄紫色のふわっふわの毛玉に黄色い嘴と黒いくりくりした瞳が見えた。うわっ可愛い!


「はぇ……かわいい」

 と思っていたのも束の間。豚の死体を見つけるとその腹に黄色い嘴で穴でも掘るのかと言わんばかりにガンガン突き立てる。赤いポリゴンも飛び散ってこれがリアルな演出だったら超怖い所だ


「ひぇ……こわい」

「良い喰いっぷりだ!」

 巨鳥は褒めて伸ばすタイプかな?とりあえず僕が食べられない様に少し距離を取ろうかな?


「こっちは?」

 あっという間に豚を食べ終わったデカい小鳥ちゃん。矛盾してるけどそうとしか言えないその小鳥ちゃんが僕の方を向いてそんな事を呟く。巣から飛び降りる準備をしなきゃ……


「バカ!今食べたご飯を取ってくれたのはこの人だぞ!」

 巨鳥が小鳥の頭の殻を嘴でつつき、止める。そ、そうだぞ?僕が取って来たんだぞ?


「ご飯、取ってくれた?ありがとう!」

 殻を脱いで真ん丸なふわふわした毛玉ボディで頭を擦りつけてくる小鳥ちゃん。やっぱ可愛いなぁ


「大きくなるんだぞー」

 ふわっふわな羽毛をなでなで……これ止まらなくなるなぁ


「うん!大きくなる!」

 その瞬間。小鳥ちゃんが発光する。眩しくて手を顔の前に持ってきて光を防いでいると光が収まった


「大きくなった!」

 小鳥は2周り程大きくなり、体毛が白く変化した。いや、もう小鳥じゃないや


「なんと!進化するとは!そういえば旅人さん。お名前は?」

「ハチって言います」

「ハチのお陰で息子が進化する事が出来ました!ありがとうございます!」

「ハチー!ありがとー!」

 こんな事になるとは思ってなかった。というか白くなるとそれはそれでかっこよくなったなぁ


「気にしないで。とりあえず僕は暗くなる前に村に帰るから」

「ちょっと待って!これあげる!」

 そう言って白くなった巨鳥の息子は巣を弄り、何かを引っ張り出した


「母さんが持ってきたけど良く分からないものだったから取っておいた!だからこれあげる!」

 そう言って肌色をした物体……ぱっと見た感じ人の()()を貰った


「え゛っ゛」


『無垢なる人形の左腕 を入手』


 アイテム獲得の知らせが無ければ人形の左腕だとは気が付かなかった。人形のクオリティが高すぎるよ……

「ありがとう。貰うね?」


「そうだ!私からはコレを差し上げます!」

 巨鳥は羽根を1枚毟り、渡してきた。体がデカいから羽根も凄い大きい


『紫電鳥の浮遊羽根 を入手』


 待って?巨鳥さん電撃とか出すタイプだったの?感電しないように電気を抑えてくれていたのかな?背中に乗るのも結構危なかったのかもしれない……


「それに魔力を流せば少し地面から浮くことが出来ます。飛ぶ……のは出来なくても浮くくらいなら出来るはずです」

 何か息子さんが進化してから口調変わってません?


「ありがとうございます。これ以上は流石に夜になっちゃうのでこの辺で……さようなら!」

「バイバーイ!」

 羽でバイバイしてくる紫電鳥の息子……白くなったから白電鳥?白電鳥に手を振りながら大木を飛び降りた


 大木を降りている間に貰ったアイテムの詳細を見てみる


『無垢なる人形の左腕 遥か昔に作られた操り人形のパーツ。人形は破壊されてしまったが、謎の力により修復されつつある』


 何か呪いの人形っぽくない?でも集めないと何か可哀想って気分になるなぁ……


---------------


紫電鳥の浮遊羽根


レアリティ エピック


特殊マウントアイテム

紫電鳥の羽の中でも貴重な物で、MPを消費する事で浮き上がり、地形に沿って進む事が出来る。体重移動とMPを消費する事で移動力が強化される


---------------


 これはもしかしてホバーボード的な物ですか!?確認する為に早速取り出す


「おぉ!乗れそう!」

 スノーボードみたいなサイズの紫色の羽根に乗り上がり、MPを使ってみる。足が少しピリピリするけど羽根とガッチリくっ付いている感じで本当にスノーボードみたいだ。それから羽根……紫電ボードが浮き上がり向いている方向に進み始める。体を傾ければその方向に曲がり、前後の体重移動で加速減速が出来る。これ楽しいぞ!



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― 新着の感想 ―
電流流れるとゆう事はダイエットと移動が同時にできるのか!!
[気になる点] アイテムの説明書式は統一してほしいなー
[一言] 個人的にとても好きな作品です。
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