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出来たて

「「……」」

「箱出来たの……デカくない?」

 僕が書いた設計図通りに作ってくれた豆腐箱。水抜き穴とか結構ちゃんと出来てるけど……サイズがデカい。座布団レベルのサイズの箱だ


「「……」」

「あ、いやっ大丈夫!これで良いよ!」

 黒武と白武が少ししょんぼりした雰囲気を感じたのでそのままオッケーを出す。実際そのくらい大きくてもこの豆乳の量ならそれでも何とかなるだろう。重石を多くすれば多分何とかなるだろうし


「後は箱の中に布を張ってその中に豆腐の素を入れてしっかり固めれば完成かな」

 木枠もしっかり出来てるし、蓋もちゃんと出来ている。サイズ感だけがデカいので作り直す必要も無いだろう


「にがりを投入したのであとは待つだけですか?」

「そうだね。ちょっとだけかき混ぜてから待てば大丈夫だと思う」

 人海戦術……と言って良いか怪しいレベルの人数だけど、海水を蒸発させて作ったにがりを使って、反応をさせて固まってくれるのを待とう




「結構固まってるぞ!」

「よし、それじゃあ漉し布でやってみますか」

 他にデカい布は見当たらないので漉し布でなんとかやってみるとしよう


「2人に作ってもらった豆腐箱を使ってやりますか」

 流石に不安そうな顔をしている人も居るけど、油揚げパワーなのか黒武と白武を受け入れられている感じだと思う。そもそも稲を荒らしていた奴らよりも人っぽい姿だから案外別物として見られているのかもしれない


「よし、ウカタマお仕事だ」

「何をすれば良いんだ?」

「この豆腐の素を箱に詰めて、上に乗ってジッとしてるっていうお仕事」

 さっき混ぜる作業はやってたけど、置物になってたウカタマには丁度良いだろう。ウカタマが重すぎると硬い豆腐になっちゃうけど、多分大丈夫かな


「ある程度柔らかい豆腐にするなら軽く乗って、硬めの豆腐が良いならどっしり乗って良いよ。まぁでもそれなりに水気を抜くのは必要だから匙加減はそっちで頑張ってね」

「適当だな……だが分かった。やってみよう」

 豆腐箱の蓋の大きさ座布団サイズだったから乗るには丁度良いし、見た目が面白いから良いかなって思って言ってみたけど、結構丁度良い感じだった


「おぉ、結構良いかも。そのまま待機してね」

「中々時間が掛かるのだな……でもその分出来た時が楽しみだ!」

 時間が掛かるけど多分本当に作る時よりずっと短い時間で出来るだろう




「そろそろ良いんじゃ無いかな?」

「もう降りても良いか?流石に暇だ」

 ずっと座ってただけだから暇だったんだろう。とりあえずそれなりの時間を放置したからそろそろ固まってるはずだ


「作ったのが崩れちゃうからゆっくり降りてね」

「もちろんだ。やっと、やっとこれで稲荷寿司が……」

 まぁ、まだなんですけどね?


 ウカタマがそっと箱から降りた後、蓋を外し、布をめくってみるとそこには綺麗な豆腐が出来ていた

「「「「「「「「おぉー」」」」」」」」

 そこに居た全員が息を漏らす。箱にみっちり詰まったデカい豆腐。これはゲームならではの光景かもしれない


「このままだとにがりの成分がまだ残ってるから一旦水に漬けてにがりを抜いて、豆腐が完成!ここからお待ちかねの油揚げを作る作業だよ」

 焦らしまくってるけどまずは豆腐からにがりを抜いて、やっと油揚げ作りに取り掛かる事が出来る


「うーん、デカいの一言に限るね?とりあえず1枚作ってみるか。ちょっと失礼して……【アビスフォーム】」

 この場で変身してしまうと豆腐諸共吹き飛んでしまうので一度離れた所で【アビスフォーム】を使い、水に漬けた豆腐を1cm程度の薄さで触手の斬撃で切る。座布団くらい大きい豆腐を一発で切る包丁は持ち合わせていないので触手で皮を剥く様に豆腐を板状に1枚カットした


「これをこうして……」

 そのまま触手で豆腐板を16分割して、今度はしっかりと水を抜く為にさっきのウカタマよりもっと重い重量を掛けても良いかも


「水気を抜かなきゃ……そうだ。スライムゼリーを使えば簡単に水気を抜けるか」

 ここで登場、いつもお世話になっているスライムゼリーのエントリーだ!水分をしっかり抜いてくれるからこれで油揚げの成功率がグンと上がるはずだ。水分が少ない方が油揚げにしやすくなるらしいからこれが正解かもしれない


「それは……なんだ?」

「スライムゼリーって物なんですけど……見た事無いですか?」

「スライムはこの辺りには居ないですね」

 ふむ、スライムが居ないなら今度スライムゼリーを大量に仕入れてくる(討伐)の考えるか……


「これを油でじっくり揚げるんで火加減は低温と高温の2種類をお願いします」

「はい!これで完成するんですね!」

 低温の油で揚げる事で油揚げが伸び、高温で中の気泡が膨らんで美味しい油揚げになるのだ


「ほい!揚げたての油揚げだよー」

 ラップで包んでレンチンすると更にふわっとした食感になるらしいけど……レンジが無いからそれは一旦置いておいて、今は目がキラッキラしているこの狐人集団達に油揚げを配る事の方が重要だろう。皆尻尾振ってるし、沢山作らないとここに居る全員を満足させる事は出来ないだろうなぁ……



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― 新着の感想 ―
[良い点] 初任務に張り切る白黒。しゅんとするのが可愛い(*´ω`*)
[良い点] あっぶらあげ!あっぶらあげ♪あ、よいしょ!!
[一言] >レンジが無いからそれは一旦置いておいて アビスフォームで触手からマイクロ波を集中照射する技を覚える可能性(ナイナイ
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