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戦闘報告

「ただいまー」

「むっ?ハチか。良くぞ帰って……その後ろの奴は?」

「何かついてきちゃった。多分操られてた感じだから今は大丈夫だと思います」

 いきなり敵対していた奴を国の中枢(ウカタマの場所)に連れて行くのはどうかと思うけど、この2体は僕の言う事は聞いてくれるみたいで暴れる様子も無く、ただ後ろを一緒に歩いてくるだけだ。2体とも槍は持っているけど、それを振るうという事はしない。なんか従者っぽいな?


「何をしているんだか……だが、問題を解決してくれて感謝するぞ。これで今まで奪われていた土地を取り返す事が出来た」

 奪われていた土地。食べられてしまった稲は返って来ないだろうけど、ウカタマの力で種を植えたらすぐに成長して元通りにする事とかも出来るかな?


「なんか僕の命令は聞いてくれるみたいなんですけど、まぁ困るというか……」

 実質1人旅状態で今まで活動していたから自分の分の食料を入手すれば良いけど、一気に2人増えると食料問題とかが結構深刻な問題になってしまう。出来ればこの御稲の国で罪滅ぼし的な感じで働きながらご飯を食べさせてもらうとか出来ればありがたいんだけど……


「この2体にここで、罪滅ぼしの奉仕活動とかってさせてもらえますかね?」

「「……」」

 何も言わずに片膝を着き、首を垂れる。こういう立ち居振る舞いはカッコイイな


「ふーむ……私としてはそれでも良いが……民が許してくれるか分からんな?」

 やっぱりその問題が立ちはだかるよなぁ……


「いや、ハチ。お前の言う事は聞くんだよな?何故一緒に連れて行ってやらないんだ?」

 ウカタマが当然の様にその疑問を投げかけてきた


「うーん、この2人が足手まといって事は全く無いんだけど、僕はこれからもいろんな所を見て回りたいから1人の方が都合が良いんだよね……危険な所にも行くだろうし、それこそ火山とか雪国とか」

 見た事無いからあるかは分からないけどそれを確かめに、探しに行くのが旅だろう。それに、僕は結構やらかすっぽいし、他に仲間が居ると巻き込んでしまう可能性も高い。僕は色々回避可能する手段を持っていても、この2人が持っているとも言い切れないのでやっぱり一緒に行動するというのは少し抵抗がある


「なるほどな……確かにハチについていくのは厳しいかもしれない。そもそもあんなのが使える奴について行くのは至難の業だ」

 ウカタマの言う『あんなの』は【アビスフォーム】の事だろう。また見せてやろうかな?


「ハチ、その者達と契約するか?」

「契約?」

 僕サモナーとかテイマーじゃ無いからそういうの無理なんじゃ無いかな?


「職業的にそういうのは無理だと思うんですけど……出来るんですか?」

「これでも一応は神ぞ~?それくらいどうにか出来る物がある。これでも使ってみろ」

 ウカタマから何か光る物が僕に向かって飛んで来る。そして僕の目の前でその光は形を変えて小さな箱になり、僕の掌の上に現れる


絶望の匣(パンドーラ) を入手』


 名前と良い、読み方と良い、ウカタマが渡してくれたという所もそうだけどツッコミ所が多い。まずは説明を見よう


 ---------------


 絶望の匣(パンドーラ)


 レアリティ ユニーク


 耐久値 破壊不可


 特殊効果 溢れる絶望(このアイテムを使う事で友好度が上昇した生物と契約する事が出来る。契約した生物が生きている場合、このアイテムから魔法体状態の契約した生物を出す事が出来る。5体まで召喚可能。召喚された魔法体のHPが無くなると3日間再召喚する事が出来ない)


 ---------------


 契約した生物が生きている場合とか、5体まで出せるとか、魔法体とか色々気になる点は沢山ある。だけどこれを使えばあの白と黒の2体の虫人と契約していつでも呼び出せるって感じになるのかな?


「貴重な物をありがとう。でも色々聞きたいんだけど……ウカタマはなんでこんな物を持ってたの?」

「だから言っただろう?一応は神だと。力は弱くても授ける事は出来るのだよ!なっはっは!」

 ウカタマは一応神だからそういうアイテムを持っていたって感覚で良いのかな?


「にしてもパンドーラですか……」

 パンドラの箱……それが一番に頭に思い浮かんだけど、あれは開けた人の名前がパンドラで開けた箱から災厄が飛び出して、閉じた時に希望が箱に残ってたとかで開けてはいけない箱だと言われている物だと思うけど……待てよ?これは開けたら中から魔法体の契約した生物が出てくるって事は僕にとっては悪くないけど、相手にとっては絶望を齎すとかそういう事か?


「魔法体って何ですかね?」

「そこに協力的な者達が居るじゃろ?試してみると良いのではないか?」

「「……」」

 人体実験みたいな言い方で言うなよ……でも2体とも頷いているので試してみるか


「それじゃあ2人とも、僕と契約して魔法体になってよ!」


 何となく契約する時に言いたくなった。めっちゃ色んな人に恨まれそうだから今後は止めておこう


「「……」」

 2人はどうぞご自由にと言う感じで片膝を着いたままで頷いた。契約ってどうやるんだろう?とりあえず箱を前に出しておけば良いのかな?


「呼び出す名称と共に契約する者に触れよ。そうすれば契約出来るはずだ」

 ウカタマの言葉の通り、白と黒の虫人に触れて契約しようと思ったけど、流石にいつまでも虫人じゃ悪いし、名前を付けよう


「そうだな、黒武くろむ白武しろむ。僕と契約してくれるかな?」

 色と武人ぽいという理由でそう名を付けて左手にパンドーラを持ち、右手を2人に向けて差し出したら、その手を2人とも取ってくれた


『黒武 と契約を結びました』


『白武 と契約を結びました』


 おぉ、契約出来た!



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― 新着の感想 ―
[気になる点] んー?これは契約された方は普通に生活してるけど呼ばれると魔法体が参上する感じ?んで本体が死ぬと呼び出せなくなる? これ、魔法体と本体は記憶とか意識どうなってるんだろ?
[一言] うおー!マミさんの敵!死ねー!。
[良い点] 凄かった… 人形のパーツ「まさか、新キャラは無いだろう有り得るけど、一番面白くないし」確かに没個性的ではあったけど、読み手を振り回すとか、オリジナリティという意味では大正解なんだろうな… …
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