表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
269/2038

何処か好きな所へ

「よいしょっと……さて」

 白と黒の二体の虫人を洞窟の外に運ぶ。関節を破壊していたからか、それとも敗北を認めたのか、二体とも黙って外に運ばれた


「言葉は分かるかな?」

「「……」」

 一応頷いてるから言葉は通じてるっぽい。なら、会話は出来るな?


「君達はあの奥に居る存在を守っていた。それは間違っていないかな?一応負けた君達に答えない権利は無いよ?」

 実際そんな事は無いけど、この2体ならこれで答えてくれるだろう


「「……」」

 二体とも頷いた。やっぱり奥に親玉が居るんだな?


「それじゃあそのボスが死ぬと君達は死ぬ?」

 たまにあるボスが死ぬとその配下含めて皆死ぬ設定とかだとちょっと困るけど……


「「……」」

 首を左右に振る。ほうほう、別にそういう道連れにするとかは無いんだ


「もう君達は動けないからその守るべき存在は守れない」

「「……ッ」」

 明らかに悔しそうな雰囲気を醸し出しているが、それは自分達の親玉を守れなかったからか、それとも使命を果たせなかったからなのかは分からない。恨まれていたってなんら不思議では無い


「でも、僕は君達と戦うのはとても面白かった。これは嘘偽りない本当の気持ちだよ?それでさ、話があるんだけど」

「「……?」」

 何が言いたいのか分からないという感じだ。仕方が無い、それじゃあズバッと本題を言ってしまおう


「これから僕は奥に居る親玉を倒す。負けた君達はそれの邪魔をしないと約束してくれないか?」

 連携する戦い方。それは確かに強力だが、今回はかなり制限されていたと思う。自由に戦えていた場合はもっと強かったのは目に見えている


「僕が君達と戦って、後ろから襲うとか、そういう汚い手段を使わないと思っているからね。僕は姑息な手段で何とか君達に勝ったけど、君達はもう負けた身だから戻る事も出来ないだろうし、お詫びとして……というか君達を信頼してこれを返すよ」

 2体のポッカリ開いた鳩尾に、さっき引き抜いた緑色の小さな水晶を体の中に戻す


「「……!?」」

 当然そのまま殺されると思っていただろう二体は困惑している様子だ


「じゃあ、邪魔しないでね?好きな所に行って自由にしたら良いよ。あっ、でも御稲の国の方には行かない様にね?今行くと危ないだろうから。じゃあね!」

 自動回復を返したとしても多分熱湯や吹雪が危険だと思うから、今すぐに御稲の国方面に行くのは危険だと思う。逃げるなら違う方向に逃げるべきだ




「飯綱さん……」

 2体を見逃し、先に進んでいた飯綱さんを追いかけるとこっそりと先を覗いていた飯綱さんを見かけたので小声で背後から呼びかけた


「うおっ!なんだ君か……この先に敵の女王が居た。だが、卵が次々産み出されていて先に進むのに困っていたんだ。少し手を貸してくれ」

 岩陰からこっそり先を覗くと、腹部分が異様に膨らんでいる巨大な虫の女王的な奴と人が一人は入れそうな白い卵がそこらへんに沢山ある。これは確かにヤバいな……


「手を貸すのは良いですけど、具体的にどうするんですか?」

「これをアイツに飲ませる」

 飯綱さんが何やら小瓶の取り出し、見せてきた


「それは?」

「猛毒だ。体内に入れば人間なら1滴で20人は軽く死ぬ」

 おっそろしい毒だなぁ?これ僕も舐めたら耐性はあるけど死ぬんじゃないか?


「これを一瓶丸々をあの女王に飲ませる事が出来れば死ぬはずだ。囮か飲ませる方か、どちらかやってくれないか?」

 おぉ、これは特殊なボス戦か


「うーん、それじゃあ飲ませる方やります。多分囮って卵の破壊とかですよね?」

「あぁ、卵を破壊すれば流石に注意も破壊している方に向くだろう。その隙に飲ませる事が出来れば勝ちだ」

 うんうん、絶対上手く行かないプランや。絶対途中で何か起こっちゃう奴だ。どっちを選ぶかで危険度が違うんだろうけど……雑魚への対処法は知ってる飯綱さんなら卵を破壊している最中に他の卵から敵が出てきたとしても対処が出来ると信じてボスへの奇襲で僕が毒を飲ませる役割をやった方が良いと思う。単純にボスと飯綱さんに距離を開けたいのが本音だな。僕とボスの距離、飯綱さんとボスの距離。雑魚はとりあえず考えないとしても直接ボスと戦闘はさせない様にしたい。飯綱さんが死亡する事は絶対に御稲の国の為にも回避しなきゃいけない事だしね


「飯綱さんがヤバいと思ったらすぐに逃げてくださいね?一応僕、ワープ系の魔法を持ってるんで僕がピンチだと思ってもそれを使って移動する事は出来るんで」

「そうか、ワープを持っているんだな?分かった。ピンチに見えてもそれで逃げるから余計な心配をするなという事か?」

「飯綱さんは囮として卵を全て破壊してくれればこっちも壊されて頭に来た女王の隙を突いて毒殺出来ると思うんで、飯綱さんは卵を全て破壊出来たらもう後ろは振り返らずにすぐに洞窟から脱出して下さい」

 嘘は言ってない。ワープ出来る【ディジャヴ】は持ってるし、そもそも面倒事を無くそうとするとやっぱり一人で動くのが一番楽になってしまう。でも、飯綱さんが何もせずに引き下がる訳も無いだろうし、自分の仕事をしたら撤退してもらうのが一番だろう


「……分かった。確かに自分の仕事した後にその場に居ても邪魔になってしまうな……それに洞窟の外に向かって出る事で女王を外に引きずり出す事が出来るかもしれない。良いだろう。言うとおりにしよう」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 何が言いたいのか分からないという感じだ。仕方が無い、それじゃあズバッと本題を言ってしまおう 「これから僕は奥に居る親玉を倒す。負けた君達はそれの邪魔をしないと約束してくれないか?」 …
[一言] 逃した蟲2匹がハチに付いてくるように思えるのだけど… 忠誠を誓った騎士よろしく 何処までも
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ